道内BtoB企業のリード獲得|展示会に頼らない問い合わせの作り方
法人向けの商品やサービスを扱う北海道の会社が、Web広告で問い合わせを増やすための考え方を整理しました。検索で拾う言葉の選び方、資料を受け皿にする設計、商談までの段階の分け方、営業との連携の手順を説明します。
法人向けの商品やサービスを扱う会社では、新しいお客様との出会いを、展示会や紹介、既存の取引先からのつながりに頼ってきたところが少なくありません。こうした出会い方は今も大切ですが、開催の時期や場所が限られ、担当者の人脈にも左右されます。北海道のように移動の距離が長い地域では、足を運べる機会そのものが限られることもあります。
そこで、Web広告を使って、年間を通じて問い合わせが入る状態を作りたいという相談が増えています。この記事では、道内のBtoB企業(法人を相手に商売をする会社)が、リード(商談につながる見込みのあるお客様の情報)をWebで集めるときに、どこを設計しておけばよいかを、発注する側の視点で説明します。文中の数字は、考え方を示すための架空の例です。
BtoBの問い合わせは、なぜ広告で取りにくいのか
法人向けの商材は、個人向けの商品と比べて、広告から問い合わせまでの道のりが長くなりやすい特徴があります。理由は大きく3つあります。
- 決める人が複数いる: 情報を集める担当者、予算を持つ上司、実際に使う現場が別々で、社内の合意が必要です。
- 検討の期間が長い: 予算の時期や年度の切り替えに合わせて動くため、調べ始めてから発注までに時間がかかります。
- 検索される回数が少ない: 専門的な商材ほど、探している会社の数は限られます。
このため、個人向けの広告と同じように「すぐに問い合わせてください」と呼びかけるだけでは、反応が集まりにくくなります。調べ始めた段階の担当者にも受け取ってもらえる入口を用意し、商談までの距離を少しずつ縮めていく設計が必要です。
検索で拾う|課題の言葉と比較の言葉
BtoBの広告で最初に考えたいのは検索広告です。課題を抱えた担当者は、まず検索で情報を集めることが多いためです。検索される言葉は、検討の段階によって大きく2つに分けられます。
1つ目は、課題の言葉です。「作業の手間を減らしたい」「コストを見直したい」といった悩みを表す言葉で、まだ解決の方法を決めていない担当者が使います。2つ目は、比較の言葉です。商材の種類の名前に「価格」「比較」「導入」などを組み合わせた言葉で、解決の方法がある程度決まり、依頼先を選んでいる担当者が使います。
比較の言葉は問い合わせに近い一方で、検索の回数は少なめです。課題の言葉は回数が多いものの、すぐには問い合わせにつながりません。最初は比較の言葉を中心に始め、反応を見ながら課題の言葉に広げるのが進めやすい順番です。課題の言葉には、次に説明する資料のような、気軽に受け取れる入口を合わせます。
資料を受け皿にする|商談までの距離を段階で縮める
問い合わせの手前に、受け取りやすい入口を置くと、調べ始めた段階の担当者とも接点を持てます。代表的なのが、ホワイトペーパー(課題の整理や選び方をまとめた資料)の配布です。段階ごとの入口と、見ておきたい数字を表にしました。
| 段階 | 担当者の状態 | 入口の例 | 見ておきたい数字 |
|---|---|---|---|
| 情報収集 | 課題を整理している | 選び方の資料、課題を整理した解説資料 | 資料の請求数、1件あたりの費用 |
| 比較検討 | 依頼先の候補を探している | サービス紹介の資料、料金の目安 | 資料の請求数、問い合わせへ進んだ割合 |
| 相談 | 具体的な条件を聞きたい | 問い合わせ、オンライン相談の予約 | 件数、商談に進んだ数 |
例えば、仮に資料の請求が月20件、問い合わせが月3件という状態なら、資料の請求は件数が多く、媒体の学習にも使いやすい地点です。一方で、問い合わせのほうが商談に近いお客様を表します。どちらを主な目標にするかは、件数と営業の受け入れ体制を見て、依頼先と相談して決めます。資料の請求で入力してもらう項目は、会社名や連絡先など、営業が次に動くために必要なものに絞ると、途中でやめる人を減らしやすくなります。
FIG.商談までの距離を段階で縮める
- 情報収集課題を整理している。選び方の資料
- 比較検討依頼先の候補を探している。サービス紹介の資料
- 相談具体的な条件を聞きたい。問い合わせ、相談の予約
営業との連携|問い合わせを商談につなげる手順
BtoBでは、広告で集めたリードの多くが、営業の連絡の先で商談になります。広告と営業が別々に動いていると、どの広告から来た会社が商談に進んだのかが分からず、予算の判断ができません。始める前に、次の流れを決めておきます。
- 問い合わせや資料の請求ごとに、どの広告から来たかを記録できるようにする
- 資料を請求した会社に、いつ、誰が、どの方法で連絡するかを決める
- 営業の顧客管理の記録に、最初に来た広告の情報を残す
- 商談、見積もり、受注の結果を、月に1回まとめて広告の担当者に伝える
- 媒体や検索の言葉ごとに、商談や受注までの割合を比べ、予算を寄せる先を決める
2番目の連絡のルールは見落とされがちです。資料を請求しただけの担当者に、すぐに強い営業の連絡をすると、かえって距離ができることもあります。資料の内容に沿った案内から始めるなど、段階に合わせた連絡の仕方を営業と話し合っておきます。4番目の結果の共有は、代理店には自力でできない部分です。個人情報を渡す必要はなく、件数と広告の区分が分かれば、多くの判断はできます。
北海道の会社が考えておきたい配信の範囲と時期
道内の企業を相手にする場合でも、取引先の本社や決裁する部署が道外にあることがあります。配信エリアを道内だけに絞ると、そうした担当者に届かない場合があります。来店型の商売とは違い、BtoBでは地域よりも検索の言葉で相手を絞る考え方が合いやすいため、地域は少し広めに始め、地域ごとの反応を見て決めます。
時期の面では、取引先の予算の時期や、繁忙期と閑散期を意識します。冬に動きが鈍る業種もあれば、冬の前に準備を進める業種もあります。展示会を続ける会社は、開催の前後に検索広告を合わせると、会場で名刺を交換した担当者が後で調べたときの受け皿にもなります。展示会とWeb広告は、どちらか一方を選ぶものではなく、組み合わせて考えます。
まとめ
道内のBtoB企業がWeb広告で問い合わせを作るには、決める人が複数いて、検討の期間が長いという法人向けの商材の性質を前提にすることが出発点です。比較の言葉から検索広告を始め、課題の言葉には資料のような受け取りやすい入口を合わせて、商談までの距離を段階で縮めていきます。
そして、営業の連絡のルールと、商談や受注の結果を広告の担当者に戻す仕組みを、始める前に決めておきます。依頼先と話すときは、どの段階を主な目標にするのか、結果を誰がどう共有するのかを、最初に確かめておきましょう。
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