採用に効くWeb広告|人手不足の地域企業が押さえる応募導線と通勤圏の基本
人手不足に悩む北海道の事業会社が、採用にWeb広告を使うときの基本を整理しました。求人媒体との違い、応募までの導線の整え方、通勤圏での配信エリアの考え方、求人の広告で気をつけるルールを、発注側の担当者向けに説明します。
「求人を出しても応募が来ない」。人手不足は、北海道の多くの事業会社に共通する悩みです。求人媒体に掲載するだけでは足りず、Web広告で自社の採用ページに人を集めることを考える会社も増えています。
ただ、採用の広告は、商品やサービスの広告とは少し勝手が違います。誰に届けるか、応募までにどこでつまずくか、配信エリアをどう切るか。この記事では、採用にWeb広告を使うかどうかを判断し、始める前に何を整えておくべきかを、発注する側の視点で説明します。文中の数字は、考え方を示すための架空の例です。
求人媒体とWeb広告は、何が違うのか
求人媒体は、仕事を探している人が集まる場所です。転職を決めて、条件を比べている人に見てもらえます。一方、Web広告は、今すぐ仕事を探していない人にも届けられます。「良い職場があれば考えたい」という人に、自社を知ってもらう役割が持てます。
| 項目 | 求人媒体 | Web広告 |
|---|---|---|
| 届く相手 | 今まさに仕事を探している人 | 探している人に加え、まだ動いていない人 |
| 見せる場所 | 媒体の求人ページ | 自社の採用ページ |
| 伝えられる情報 | 媒体の形式の範囲内 | 写真、社員の声、仕事の一日など自由に作れる |
| 費用のかかり方 | 掲載料や採用時の報酬など、契約による | クリックや表示に応じた広告費 |
| 自社に必要な準備 | 原稿の用意が中心 | 採用ページ、応募の受け口、計測 |
どちらが良いというより、役割が違います。求人媒体で応募が集まっている職種なら、まずそちらを優先するのが自然です。媒体で反応が少ない職種や、まだ動いていない経験者に届けたい職種では、Web広告を足す意味が出てきます。
応募までの導線を先に整える
採用の広告で一番もったいないのは、広告から来た人が、採用ページで迷ったり、応募フォームの途中でやめたりすることです。広告費を増やす前に、受け皿を点検しておきます。
- スマホで読めるか:求職者の多くは、仕事の合間や移動中にスマホで見ます。文字の大きさや表の崩れを、実際の端末で確かめます。
- 知りたい情報がそろっているか:仕事内容、勤務地、勤務時間、休日、給与の考え方、通勤の手段。ここがあいまいだと、応募の前に離れてしまいます。
- 応募の入力が短いか:最初から履歴書と同じ量を求めると、途中でやめる人が増えます。最初は連絡先と希望だけにし、詳しい話は面接の前に聞く、という分け方もあります。
- 応募の手段が選べるか:フォームに加えて、電話で問い合わせられる窓口があると、年齢層の高い経験者にも届きやすくなります。
- 応募後の連絡が早いか:応募から連絡までが空くと、ほかの会社に決まってしまうことがあります。誰が、いつまでに連絡するかを社内で決めておきます。
応募の件数だけでなく、面接に来た人数、採用に至った人数まで追えるようにしておくと、広告の良し悪しを判断しやすくなります。仮に、広告費30万円で応募が15件なら、応募1件あたりの費用(応募単価)は2万円です。ただ、その15件から採用が0人なら、広告か採用ページのどこかに見直す点があると考えます。
通勤圏で配信エリアを切る
採用の広告は、来店型の商売と同じく、実際に通える範囲に届けることが基本です。北海道では、この「通える範囲」の考え方に地域の事情が入ります。
車で通勤する人が多い地域では、直線距離より、道路と移動時間で考えたほうが実態に合います。公共交通が中心の都市部では、駅やバスの路線に沿って通える範囲が決まります。冬は道路状況で通勤時間が延びることもあるため、夏の感覚だけで範囲を決めないほうが安全です。
職種によっても範囲は変わります。資格や経験が必要な職種は、少し遠くても通いたい人がいるため、範囲を広めに取る考え方もあります。寮や住宅の補助がある場合や、道外からのUターン・移住を歓迎する場合は、道外の主要都市に配信を広げる選択肢もあります。ただし、その場合は住まいや引っ越しの条件を、採用ページにはっきり書いておく必要があります。
求人の広告で気をつけるルール
求人の広告には、商品の広告とは別のルールがあります。主なものは次のとおりです。
- 媒体の決まり:執筆時点では、求人の広告について、年齢や性別などで配信相手を絞る設定に制限を設けている媒体があります。仕様は変わるため、各媒体の公式ヘルプで確認してください。
- 募集の条件:採用で年齢や性別を条件にすることは、法令で原則として制限されています。例外もあるため、文言は専門家や関係機関の情報で確かめます。
- 表示の正確さ:給与や休日などの条件は、実際と違う書き方をしないことが求められます。「最大」「例」などの前提を省かないようにします。
こうした点は、広告の文言だけでなく、採用ページの書き方にも関わります。最終的な判断は、社会保険労務士などの専門家や、媒体の審査基準の確認をおすすめします。
始める前に決めておく手順
- 募集する職種を1つに絞る:最初から複数の職種を同時に出すと、どの職種で何が効いたかが分かりにくくなります。
- 採用したい人物像を書き出す:経験の有無、通える地域、働き方の希望などを、社内で合わせておきます。
- 採用ページと応募の受け口を点検する:スマホでの見え方、入力の量、応募後の連絡の担当を確かめます。
- 計測する地点を決める:応募、面接、採用のどこまでを数えるかを決め、記録の方法をそろえます。
- 配信エリアと期間を決める:通勤の実態から最初の範囲を決め、2〜3か月など期間を区切ります。
- やめる条件を決めておく:応募単価や採用の人数で、続けるかどうかを判断する基準を先に置きます。
FIG.採用の広告を始める前に決めておく手順
- 募集する職種を1つに絞る
- 採用したい人物像を書き出す経験、通える地域、働き方の希望
- 採用ページと応募の受け口を点検するスマホでの見え方、入力の量、連絡の担当
- 計測する地点を決める応募、面接、採用
- 配信エリアと期間を決める通勤の実態から最初の範囲を
- やめる条件を決めておく応募単価や採用の人数で
まとめ
採用のWeb広告は、求人媒体の代わりではなく、まだ動いていない人にも届けられる別の手段です。効果を左右するのは、広告そのものより、採用ページと応募の受け口、そして応募後の対応の速さです。配信は、通勤の実態に合わせた範囲から始め、冬の通勤も考えに入れます。求人ならではのルールは媒体の公式情報と専門家で確かめ、応募から採用までを数えられるようにしてから、小さく始めて判断していくのが現実的な進め方です。
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