来店型ビジネスのWeb広告|店舗から半径何キロに出すかの決め方
店舗や施設に来てもらう商売で、Web広告を店から半径何キロに出すかを決める考え方を整理しました。車での移動時間からの逆算、地図や検索とのつながり、来店の測り方、半径を決めて見直す手順までをまとめています。
飲食店、美容室、整骨院、自動車の販売店、住宅の展示場など、お客様に来てもらって成り立つ商売では、Web広告を「店からどのくらいの範囲に出すか」が成果を大きく左右します。多くの広告媒体では、店の住所を中心に半径を指定して配信できます。これを半径ターゲティングと呼びます。
設定の画面で数字を入れるのは一瞬ですが、その数字の根拠を確かめないまま、配信を続けてしまうこともあります。この記事では、北海道のように車での移動が中心になりやすい地域で、来店型の事業会社の担当者が「半径何キロ」を決めるための考え方と、決めたあとの測り方・見直し方を説明します。
半径で区切るか、地名で区切るか
配信の範囲は、大きく分けて「店からの距離」で区切る方法と、「市区町村などの地名」で区切る方法があります。どちらが正しいということはなく、店の立地とお客様の来かたによって向き不向きがあります。
| 区切り方 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 半径(店からの距離) | 店が1か所で、周辺から車で来るお客様が中心 | 川や山、幹線道路の有無に関係なく円で区切られる |
| 地名(市区町村など) | 来店してくれる地域がはっきりしている、行政の区切りと生活圏が近い | 同じ市の中でも、来やすい地域と来にくい地域が混ざる |
| 両方の組み合わせ | 半径で広めに取り、来ない地域だけを外したい | 設定が複雑になり、後から見直しにくくなる |
配信エリアの考え方そのものは、来店型と通販型を分けて整理した記事でも触れています。ここでは来店型に絞り、半径をどう決めるかを掘り下げます。
半径は「移動時間」から逆算する
半径の数字は、地図上の距離から決めるより、お客様が無理なく来られる移動時間から逆算するほうが現実に合います。車での移動が中心の地域では、同じ10キロでも、幹線道路で一本の道なら近く感じ、橋や峠を越えるなら遠く感じます。
あくまで考え方を示すための架空の例ですが、仮に「お客様は車で20分までなら来てくれる」と分かっているとします。幹線道路沿いの店なら、20分で走れる距離はかなり長くなります。一方、市街地の中心で信号が多い店なら、同じ20分でも距離は短くなります。円の大きさは、店の場所によって変わるということです。
北海道では、冬の影響も見込んでおきます。雪道では移動に時間がかかり、遠くからの来店が減ることがあります。夏と冬で半径を変えてよいという前提で、季節ごとの設定を最初から考えておくと、慌てずに済みます。
もう一つの目安が、商材の重さです。毎日の食事や日用品のように気軽に買うものは、近くの人しか来ません。車や住宅、冠婚葬祭のように一度の金額が大きく、比べてから決めるものは、遠くからでも足を運ぶ人がいます。商材が重いほど、半径は広めに取れます。
地図や検索とのつながりを整える
来店型の商売では、広告を見た人がすぐに店へ向かうとは限りません。広告で店を知り、あとから店名で検索したり、地図のアプリで場所や営業時間を調べたりしてから来店する人もいます。広告だけを整えても、その先の情報が古ければ、来店につながりにくくなります。
確認しておきたいのは、次のような点です。
- 地図のサービスに載っている住所、営業時間、定休日、電話番号が、今の情報と合っているか
- 季節で営業時間が変わる場合に、その変更が反映されているか
- 店名で検索したときに、公式の情報が見つけやすいか
- 駐車場の有無や冬の出入りなど、車で来る人が知りたいことが書かれているか
媒体によっては、地図のサービスに登録した店舗情報を広告と連携させ、住所や店までの経路を広告に表示できるものがあります。執筆時点ではこうした機能がありますが、名称や条件は媒体ごとに異なり、変わることもあるため、公式ヘルプで確認してください。
来店をどう測るか
来店型の広告で難しいのは、成果である「来店」を広告の管理画面だけでは数えきれないことです。通販のように、購入完了のページで自動的に数えるわけにはいきません。そこで、来店の手前にある行動と、店頭での確認を組み合わせて見ていきます。
- 手前の行動:電話のタップ、予約フォームの送信、経路検索、店舗ページの閲覧など、広告から計測できるもの
- 店頭での確認:来店時に「何を見て来たか」を聞く、広告を見たと伝えてくれた人に分かる特典を用意する、など
- 媒体の推計:来店を推計して示す機能がある媒体もありますが、使える条件があり、あくまで推計の数字として扱います
どれか1つで完全に測れるわけではありません。大切なのは、半径を変えたときに、これらの数字がどう動いたかを同じ物差しで比べられるようにしておくことです。代行を頼む場合は、どの数字を来店の目安とするかを始める前に依頼先と決めておきます。
半径を決めて見直す手順
- お客様がどこから来ているかを確かめる。会員や予約の記録の住所、来店時の聞き取りから、おおまかな分布をつかみます。
- 無理なく来られる移動時間を決める。商材の重さと冬の影響を踏まえて、社内で目安を合わせます。
- 移動時間から最初の半径を決める。来店の少ない地域が円に入る場合は、地名で外すことも検討します。
- 地図や検索の店舗情報を点検する。住所、営業時間、電話番号、駐車場の情報をそろえます。
- 来店の目安にする数字を決める。電話、予約、経路検索、店頭での聞き取りなど、比べる物差しを決めます。
- 一定期間のあとに半径を見直す。手前の行動はあるのに来店が少ない地域は外し、季節の変わり目にも見直します。
1と2は、店の現場にしか分からない情報です。広告を任せる場合も、この2つを先に整理して伝えておくと、依頼先は根拠のある半径から始められます。
FIG.半径を決めて見直す手順
- お客様の来かたを確かめる予約の記録の住所、来店時の聞き取り
- 移動時間を決める商材の重さと冬の影響を踏まえて
- 最初の半径を決める来店の少ない地域は地名で外す
- 店舗情報を点検する住所、営業時間、電話番号、駐車場
- 来店の目安の数字を決める電話、予約、経路検索、聞き取り
- 一定期間のあとに見直す
季節の変わり目にも見直す
まとめ
来店型のWeb広告の半径は、地図上の距離ではなく、お客様が無理なく来られる移動時間から逆算して決めます。店の立地、商材の重さ、冬の移動のしにくさによって、同じ時間でも適した半径は変わります。
広告の先にある地図や検索の店舗情報を整え、来店の目安にする数字を決めておけば、半径を変えたときの良し悪しを判断できます。最初の半径は仮の答えとして置き、結果と季節に合わせて見直していくことが、店に足を運んでもらう広告の土台になります。
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