【交換留学とは?】英語圏交換留学経験者がメリットや条件を紹介!

「大学に入って英語を勉強するために留学をしたい!」と思う方はよくいますが、留学にも様々な形があることを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。

私は大学時代、【交換留学】という方法を利用してアメリカ・ミネソタ州に約1年間滞在していました。

しかし交換留学と聞いて、

「長期休暇に学生が行く語学留学とはどう違うの?」

「交換留学するための条件は?」

「費用はどのくらい掛かるの?」

と疑問に思う方もいらっしゃることかと思います。

そこで今回は私の経験を基に【交換留学】について紹介していきます。

目次

交換留学とは

交換留学とは

【交換留学】とは、”国内の各大学が国際交流協定を締結した海外の教育機関(大学)へ学生を派遣する制度”です。

わかりやすく言い換えると、提携している日本と海外の大学がそれぞれ選抜した学生を”交換”し、文化交流を深めるための留学、それが交換留学なのです。

語学留学との違い

では、留学と聞いて真っ先に思い浮かぶ【語学留学】とは一体何が異なるのでしょう。

語学習得が目的ではない

数週間から数カ月にわたり『英語を学ぶ』ことを目的としておこなう【語学留学】と違い、【交換留学】の目的はあくまで『異文化交流』であることがほとんどです。

「だったら英語はあまりできなくても良いの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違い。

交換留学の場合は、留学スタート時点である程度英語は理解できている、活用できることが前提となります。どれくらいの英語力が必要かは以下で記述します。

費用が安い

語学留学の場合、通う語学学校の費用等も基本的には自費となるのに対し、交換留学では所属する日本の大学に授業料を納付さえすれば、留学先の大学の授業料は基本的に払う必要がありません。

さらに、各大学ならではの奨学金(返済不要)を受給できる可能性もあり、学習面に関しては語学留学に比べると大きく費用が安くなります。

選抜試験がある(誰でも行けるわけではない)

 「費用が安く留学できるなら語学留学より交換留学したい!」と感じられるかもしれませんが、美味しい話は誰にでも廻ってくるわけでは無いのが世の真理。

交換留学生になるためには各大学の学内選考に合格する必要があります。いわば「大学の代表」となって初めて授業料免除や奨学金受給等の恩恵を受けることが出来るという仕組みになっているのです。

条件

では、どのような条件を満たせば交換留学生になることが出来るのでしょうか?

細かい詳細は各大学・学部によって異なりますが、基本的には大学側が設定した

◇TOEFLやIELTSなどの語学試験スコア

◇入学時から学内試験申込時までの学内GPA

など各基準を満たしておく必要があります。これらの基準を満たしてない場合、交換留学のための学内選考すら受けることが出来ません。

つまり、

  • 普段の授業や試験を疎かにしたためGPAが低い学生
  • 2年時のGPAは選考基準を超えているが1年時の成績が芳しくなかった学生

上記のような場合はいくら英語力が高くても学内選考さえ受けられないのです。

1年時から計画的な語学学習と普段の授業成績を高く保つ事の両方を求められるので、交換留学を目指している方は十分注意しておきましょう。

費用

では交換留学をした場合、実際に必要な費用はいくらくらいになるのでしょう。

主に必要な費用は、

◇渡航前

  • ビザ申請費(アメリカ留学の場合F1ビザ申請に約2万円)
  • 渡航費(約10~20万円)
  • 海外旅行保険加入費(約10万円)

◇渡航後

  • 生活費(8~12万円/1ヵ月)
  • 寮費(10~15万円/半期)

といった具合です。

先述の通り留学先の大学に授業料を支払う必要はありませんので、基本的に必要なのは各種手続きの費用と生活費となります。

また、成績優遇者向けの奨学金(寮費免除等)も受給できる場合があるので、通っている大学の募集要項をよく確認しましょう。

私も留学中は返済不要の奨学金を月約8万円受給できたため、経済的にも非常に助けられました。

交換留学に必要な英語力

交換留学に必要な英語力

では交換留学に必要な英語力、具体的にどれくらいのレベルが目安になるのでしょうか。

基準は所属学部によって異なる場合もあり、例えば外国語学部等に所属しているのであれば他の学部よりもその基準が高くなる傾向にあります。

私は英文学部に所属していたため、英語圏への留学を希望する場合はTOEFL ITPスコアを520以上、TOEFL iBTスコア68以上、もしくはIELTSスコア5.5以上のいずれかを持ってなければ学内選考への応募が出来ませんでした。

よって語学系の学部であれば、

TOEFL iBT – 68

TOEFL ITP – 520

IELTS – 5.5

それ以外の学部であれば、

TOEFL iBT – 54

TOEFL ITP – 480

IELTS – 5.0

上記のスコアは最低でも必要になると考えられます。また、希望する大学によって厳密にスコアが定められている場合がほとんどなので、既に希望の留学先が決定している場合はそのスコアを目標にして英語学習をおこないましょう。

ちなみに、アカデミックな場面での英語力を測定するTOEFLやIELTSに対して、ビジネス面での利用を想定して作成されているTOEICは交換留学選考基準の対象外となることが多いので気を付けましょう。

交換留学のメリット・デメリット

魅力ばかりのように見える交換留学。最後に私が思うメリットとデメリットを紹介します。

メリット

現地の学生と同じ生活リズムで過ごすことができる

交換留学では、授業やカリキュラム、サークルや遊びなど、全てにおいて現地の学生と同じものを経験することができます。

普段の生活にこそ日本文化との違いを直に感じられる機会が多く、現地学生と同じタイムテーブルで過ごすことは視野を広げるのに絶好の機会となるでしょう。

勉強意欲向上・習慣づけ

交換留学生が帰国後、口を揃えて言うのは「日本にいる時よりも勉強を頑張った」です。

そもそも専門分野を英語で理解しようとすることがハイレベルなのですが、何より大変なのは毎週出される大量の課題です。

深夜まで図書館で勉強なんてこともザラですが、その経験が将来の素敵な自分を創り上げているのだと自信を持つ留学生が多いのも事実です。

自分の英語に自信が持てる

語学留学では「第二言語」として語学を学びに来ている人の多い環境の中で勉強するのに対し、交換留学では授業中も「ネイティヴスピーカー」に囲まれて生活します。

初めは自分の英語力の低さに自信を失う方も多いでしょうが、ネイティヴ特有の表現やその土地ならではの方言など、教科書では学べない英語が理解できるようになった時、あなたの英語に対する自信は確固としたものとなります。

周りが全員ネイティヴの環境で発言をしなければならない機会が多いのは圧倒的に語学留学よりも交換留学で、その分英語への自信もつきやすくなります。

デメリット

必ずしも希望の大学に行けるわけではない

交換留学における留学先の選択肢は、所属する日本の大学が提携している大学に絞られます。なので、

「〇〇が学べる□□大学に留学したい」

など、具体的に留学先に希望がある場合は、まず自分の大学と希望先の大学が提携しているかを調べましょう。

提携してない場合は、交換留学を利用して希望先の大学に行くことはできません。どうしても交換留学で希望先の大学に行きたい場合は、大学入学前に提携している大学があるのかを調べておきましょう。

事前にある程度の英語力は必要

先述のとおり、学内選考での語学試験スコアや現地の学生と同じ授業を受ける点など、留学前からある程度の英語力が求められる交換留学。

「何となく留学して海外の雰囲気を味わってみたい」等、英語学習を始めたばかりの方にとっては難易度の高い留学と言えます。英語は始めたばかりだけれど、どうしても留学してみたい方は短期の語学留学等を検討する方が賢明でしょう。

生活環境が自分に合わない可能性はある

私の留学していたアメリカ・ミネソタ州は冬季になると気温がマイナス20度を下回ることもある極寒の地でした。

事前に情報を集め厚着の準備等をしていたことや私自身が暑がり体質だったことから個人的には問題ありませんでしたが、人によっては生活できないと感じる方もいると思います。

また、英語圏以外の留学先も存在する場合があり「せっかく英語を学びたいのに現地ではほとんど英語が通じない!」といった事態も時折あります。下調べをおこない、納得した上で交換留学に申込をしましょう。

まとめ

実際に交換留学の資格を得るためには、英語力向上のみならず普段から大学生活全般において真摯に取り組むことの出来る人物であるべきだということがお分かりいただけたでしょうか。

確かに大変なことは多いかもしれません。しかし交換留学を目指してあらゆることに努力した時間は私にとってなくてはならない時間であったと、今でも感じています。

きっとその努力の向こうには、人生において忘れられない留学生活が待っていることと信じています。素敵な留学ライフを!

目次