代行の選び方

広告運用は自社でやるか、任せるか|北海道の事業会社が判断する5つの基準

Web広告を自社で運用するか、代行に任せるかを判断する5つの基準を、北海道の事業会社の担当者向けに整理しました。人・時間・予算の規模・商材の複雑さ・スピードの観点と、一部だけ任せる中間の選択肢も紹介します。

No.312026.09.20 公開読了目安 5分8A GARAGE 編集部

「広告は出したい。でも、誰がやるのか」。Web広告の相談で、最初に出てくるのはたいていこの話です。社内に専任の担当者を置ける会社は多くありません。販促も、ホームページの更新も、SNSも、1人が兼務している。道内の事業会社では、ごく普通の光景です。

自社でやるか、外に任せるか。この問いに、どの会社にも当てはまる正解はありません。ただ、判断の物差しははっきりしています。この記事では、その物差しを5つに分けて説明します。読み終えたときに、自社がどちらに近いかを判断できる状態をめざします。

先に知っておきたい、広告運用の仕事の中身

判断の前に、広告運用という仕事に何が含まれるのかを確認しておきます。管理画面で広告を出す作業は、全体のごく一部です。

  • 設計:誰に、何を、いくらまでかけて届けるかを決める
  • 制作:広告文や画像、広告をクリックした先のページを用意する
  • 計測:問い合わせや購入が、どの広告から生まれたかを測れるようにする
  • 運用:配信の結果を見て、予算や広告を入れ替える
  • 検証:何が効いて何が効かなかったかを整理し、次に試すことを決める

自社でやるというのは、この5つを社内で回し続けるということです。任せるというのは、このうちのどこまでを外に出すかを決めるということです。

判断の基準1〜3:人、時間、予算の規模

基準1:続けて担当できる人がいるか

広告運用は、始めることより続けることのほうが難しい仕事です。最初の設定は1週間でできても、その後は毎週、数字を見て手を入れる必要があります。担当者が異動や退職で替わると、経緯が引き継がれず、同じ失敗を繰り返すことになりがちです。「誰がやるか」ではなく「1年後も同じ人がやっているか」で考えてください。

基準2:毎週、決まった時間を確保できるか

兼務の担当者にとって、広告の確認は後回しになりやすい仕事です。繁忙期ほど広告は重要になるのに、繁忙期ほど見る時間がなくなります。北海道の事業会社の場合、観光シーズンや冬の需要期にこの矛盾が強く出ます。毎週の確認時間を、忙しい時期にも確保できるかどうかが分かれ目です。

基準3:広告費の規模と、代行費用のバランス

代行には費用がかかります。広告費が小さいうちは、その費用の割合が重くなります。

あくまで考え方を示すための架空の例ですが、仮に月の広告費が10万円で、代行の費用が月5万円かかるとします。この場合、使うお金の3分の1が運用の費用です。同じ費用でも、広告費が月100万円なら割合はずっと小さくなります。実際の料金は会社や契約によって異なりますが、「広告費に対して運用の費用がどのくらいの重さになるか」は、必ず計算してから判断してください。

判断の基準4〜5:商材の複雑さと、スピード

基準4:商材と売り方がどのくらい複雑か

扱う商品が1つで、売り方も決まっているなら、自社運用でも形になりやすいです。反対に、商品の数が多い、季節で売れ筋が変わる、来店と通販の両方がある、道内と道外で訴え方が違う、といった条件が重なると、設計と検証の手間が一気に増えます。複雑な商材ほど、経験のある相手に任せる意味が大きくなります。

基準5:どのくらい早く結果を確かめたいか

自社で学びながら進める場合、最初の数か月は試行錯誤に使うことになります。それ自体は悪いことではありません。ただ、需要期が決まっている商材では、学んでいるうちにシーズンが終わってしまいます。「今年の冬に間に合わせたい」のように期限があるなら、任せたほうが合理的です。

5つの基準を表で整理する

基準自社運用が向いている任せるほうが向いている
長く担当できる人がいる兼務で、担当が替わりやすい
時間繁忙期も毎週の確認時間を取れる忙しい時期に手が止まる
予算の規模広告費が小さく、代行の費用が重い広告費に対して代行の費用が見合う
商材の複雑さ商品も売り方もシンプル商品数、季節、販路が複雑
スピード時間をかけて学ぶ余裕がある需要期など、期限が決まっている

5つすべてが片方に寄る会社は多くありません。3つ以上が当てはまる側を、出発点にするとよいでしょう。

「全部自社」と「全部任せる」の間にある選択肢

実際には、中間の形を選ぶ会社が少なくありません。代表的なものを3つ挙げます。

  1. 設計と計測だけを任せる。最初の設計と、成果を測る仕組みづくりは経験の差が出やすい部分です。土台を作ってもらい、日々の運用は自社で行います。
  2. 運用は任せ、制作は自社で行う。商品を一番よく知っているのは社内の人です。写真や文章の素材は自社で用意し、配信と検証を任せます。
  3. 期間を決めて任せ、その後に引き継ぐ。将来は自社で運用したい場合、半年や1年と期間を区切って任せ、やり方を学びながら引き継いでもらう方法です。依頼する時点で、その希望を伝えておくことが大切です。

どの形を選ぶにしても、広告のアカウントは自社の名義で持つことをおすすめします。任せる相手を替えたときや、自社運用に切り替えたときに、それまでのデータを引き継げるからです。

FIG.「全部自社」と「全部任せる」の間にある選択肢

全部自社でやる全部任せる
  • 設計と計測だけを任せる
  • 運用は任せ、制作は自社で行う
  • 期間を決めて任せ、その後に引き継ぐ
任せる範囲は、自社の人と時間に合わせて決められます。

まとめ

自社でやるか、任せるかは、人、時間、予算の規模、商材の複雑さ、スピードの5つで判断できます。北海道の事業会社では、担当者が兼務であること、季節による需要の差が大きいことから、「時間」と「スピード」の2つが決め手になる場面が多いはずです。

そして、選択肢は2つだけではありません。土台だけ任せる、運用だけ任せる、期間を決めて任せる。自社の状況に合わせて、任せる範囲を決めるところから始めてください。

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