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「AIを使っています」と言う代理店に確認したい7つのこと|答えの聞き分け方

「AIを活用しています」と説明する広告代理店に、発注前に確認したい7つのことを整理しました。人の確認体制、情報の扱い、権利、審査への対応、成果との結びつきについて、具体的な答えと曖昧な答えの聞き分け方もまとめています。

No.352026.09.24 公開読了目安 6分8A GARAGE 編集部

広告運用の代行について話を聞くと、「AIを活用しています」という説明を受けることが増えました。提案書の表紙や会社案内に、AIという言葉が入っていることも珍しくありません。

ただ、この一言だけでは、自社にとって何が良くなるのかは分かりません。作業が速くなるのか、試す案が増えるのか、費用が下がるのか。あるいは、確認の手間が減った分だけ品質の心配が増えるのか。中身によって、受け取り方はかなり変わります。

この記事では、発注する側の担当者が確認しておきたい7つのことを、質問の形で整理します。あわせて、返ってきた答えが具体的か曖昧かを聞き分けるための目安も示します。AIの仕組みに詳しくなくても聞ける内容に絞りました。

「使っている」だけでは判断材料にならない理由

いまは、文章の下書きや資料の要約、数字の集計などに、何らかの形でAIを使う会社が多くなっています。使っているかどうかで代理店を分けても、ほとんど差がつきません。

差が出るのは、どの作業に使い、出てきたものを誰がどう扱っているかです。同じ「AIを活用」という説明でも、社内の下調べに少し使っている段階の会社もあれば、広告文や画像の案出しから報告書の下書きまで組み込んでいる会社もあります。どちらが良いという話ではありません。自社が期待していることと、相手が実際にしていることが合っているかどうかが大切です。

もうひとつ押さえておきたいのは、AIが作ったものでも、広告として世に出れば責任は広告主に残るという点です。表現や情報の扱いに問題があったとき、「AIが作ったので」という説明は通りません。だからこそ、発注する前に確認の体制を聞いておく意味があります。

確認したい7つのこと

次の表は、質問と、答えを聞くときの目安をまとめたものです。打ち合わせの場で、この順に聞いていくと話が具体的になります。

確認すること具体的な答えの特徴曖昧な答えの特徴
1. どの作業に使っているか作業の名前を挙げ、人がやる作業との境目を説明できる「全体的に」「いろいろな場面で」で終わる
2. 誰が確認しているか確認する人の役割と、見ている観点を言える「担当者が見ています」以上の説明がない
3. 渡した情報をどう扱うかどのサービスに入力するか、社内の決まりがあるかを説明できる「問題ありません」とだけ返ってくる
4. 作ったものの権利をどう考えるか他者の権利への配慮と、利用できる範囲を説明できる確認の手順について触れない
5. 審査や法令にどう対応するか審査に落ちたときの修正の流れと担当を言える「AIが基準を守って作ります」と答える
6. 成果にどう結びつくのか何が増えるのか、報告にどう表れるのかを説明できる「効率が上がります」だけで終わる
7. 問題が起きたらどうするか止める手順、連絡の流れ、直す担当を決めている起きたときの話になると具体性がなくなる

曖昧な答えが返ってきたからといって、すぐに候補から外す必要はありません。まだ社内で整理している途中の会社もあります。その場合は「では、契約までに書面でもらえますか」と頼むと、相手の姿勢が見えます。

FIG.「AIを使っています」と言う代理店に確認したい7つのこと

  • どの作業に使っているかAIと人の境目
  • 誰が確認しているか確認する人の役割と観点
  • 渡した情報をどう扱うかどのサービスに入力するか
  • 作ったものの権利他者の権利と利用できる範囲
  • 審査や法令への対応落ちたときの修正の流れと担当
  • 成果にどう結びつくのか何が増え、報告にどう表れるか
  • 問題が起きたらどうするか止める手順、連絡、直す担当
確認と責任、情報と権利、審査と成果の3つに分けて聞くと整理しやすくなります。

確認と責任について聞く(1・2・7)

まず、どの作業にAIを使っているかです。ここで知りたいのは、AIと人の境目です。たとえば、下調べや案出しにはAIを使い、配信するかどうかの判断や予算の変更は人が行う、といった線引きを説明できるかどうかを見ます。

次に、確認する人です。AIが出してくる文章には、事実と違う内容がもっともらしく含まれることがあります。これはハルシネーションと呼ばれる現象で、執筆時点では完全に防ぐ方法はないとされています。そのため、誰が、何を基準に見ているのかが重要になります。事実関係、表現のルール、自社のブランドとして使ってよい言葉。この3つを人が見ているかどうかを聞いてください。

そして、問題が起きたときの対応です。誤った内容の広告が出てしまった、意図しない表現が含まれていた、といった場面は起こりえます。配信を止めるのは誰か、こちらへの連絡はどう来るのか、修正は誰が行うのか。契約前に決めておけば、慌てずに済みます。

情報と権利について聞く(3・4)

広告の代行では、売上の数字や顧客の傾向、社内の資料などを渡すことがあります。それらがAIのサービスに入力される場合、どのサービスを使い、入力した内容がどう扱われる設定になっているのかは、確認しておきたい点です。サービスによって、入力内容の扱いや設定の選び方は異なります。仕様は変わることもあるため、相手の説明とあわせて、社内の情報管理の担当者にも見てもらうと安心です。

個人情報や取引先の情報は、そもそもAIに入力しないという決まりを設けている会社もあります。渡す前に、秘密保持契約の範囲にAIへの入力が含まれるかどうかも話しておくとよいでしょう。

権利については、AIで作った画像や文章が、他者の作品や実在の人物、登録された商標に似てしまう心配があります。どこまで確認しているのか、作ったものを自社の他の用途に使ってよいのか。法律の判断が絡む部分は一般的な説明にとどまりますが、最終的な判断は専門家や媒体の基準の確認を前提にしてください。

審査と成果について聞く(5・6)

広告は、出す前に媒体の審査を受けます。審査の基準は媒体ごとに異なり、更新もされます。AIが作った案が基準を満たしているかは、人が見て判断する部分です。「AIが基準どおりに作るので大丈夫です」という答えには注意が必要です。審査に落ちたときに誰が修正し、どのくらいの時間で出し直せるのかを聞いておきます。

最後に、成果との結びつきです。AIを使って変わるのは、主に準備の作業の量と速さです。それが広告の成果につながるのは、同じ期間に試せる案や見直しの回数が増える場合です。「作業が楽になりました」で終わらず、それによって何が増え、報告書のどこに表れるのかを説明できるかを見てください。

費用への反映も、ここで聞いておくと話がつながります。作業が速くなった分を、料金に反映するのか、検証の回数に回すのか。考え方は会社によって違います。

まとめ

「AIを使っています」という説明は、それだけでは判断の材料になりません。確認したいのは、どの作業に使い、誰がどう確認し、問題が起きたらどう動くのかです。

7つの質問は、確認と責任、情報と権利、審査と成果の3つに分けて聞くと整理しやすくなります。答えの中身と同じくらい、具体的に説明しようとする姿勢にも目を向けてください。

そして、AIが作ったものでも、広告の責任は出稿する側に残ります。任せる側も、渡してよい情報と、自社で最終確認する部分をあらかじめ決めておくことが、良い付き合いの土台になります。

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