代行の選び方

広告代理店との最初の打ち合わせで聞く10の質問|発注前に確かめること

広告運用の代行を検討している担当者に向けて、最初の打ち合わせで聞いておきたい10の質問を、体制・数字と報告・契約とデータの3つに分けて整理しました。打ち合わせ前に自社で用意しておくこともまとめています。

No.342026.09.23 公開読了目安 6分8A GARAGE 編集部

広告運用の代行を検討すると、多くの場合、最初に顔合わせの打ち合わせが設けられます。相手の会社の説明があり、簡単な提案を受け、料金の話になる。1時間ほどで終わることの多い場です。

この時間を、提案を聞くだけで終わらせるのはもったいないと思います。最初の打ち合わせは、相手を選ぶための情報を、こちらから集められる数少ない機会だからです。

この記事では、発注する側の担当者が最初の打ち合わせで聞いておきたいことを10個に絞って整理します。広告の専門知識がなくても聞ける内容だけを選びました。

提案の中身より、答え方に情報がある

最初の打ち合わせで出てくる提案は、まだ自社のデータを見ていない段階の仮説です。見るべきなのは、その提案にどういう前提が置かれているかを説明できるかどうかです。

「なぜこの媒体なのか」「この見込みはどういう計算から出したのか」と聞いたときに、前提を言葉にして説明できる相手は、契約後も判断の理由を共有してくれる可能性が高くなります。

以下が、聞いておきたい10の質問です。

分類質問分かること
体制実際に運用するのは誰ですか営業と運用者が同じか、別か
体制担当者は何社くらい受け持っていますか自社にかけられる時間の目安
体制連絡手段と、返事の目安はどのくらいですか日々のやりとりのしやすさ
数字と報告何を成果として数えますか評価の土台が合っているか
数字と報告レポートは、いつ、何が書かれたものが届きますか報告が判断に使えるか
数字と報告成果が出ないとき、何をどの順で見直しますかうまくいかない場合の進め方
契約とデータ広告アカウントは、どちらの名義で作りますか解約時に何が残るか
契約とデータ契約期間と、解約の申し出はいつまでですかやめたいときの身動きのとりやすさ
契約とデータ作った広告素材やデータは、誰のものになりますか乗り換えや自社利用のしやすさ
契約とデータAIはどの工程で使い、誰が確認しますか速さと品質の担保のしかた

体制について聞く

まず確かめたいのは、目の前にいる人が運用を担当するのかどうかです。会社によっては、営業の担当者と、実際に管理画面を触る運用者が別です。それ自体は珍しいことではありませんが、その場合は、運用者と直接話せる機会があるかを聞いておくと安心です。伝言だけでやりとりが進むと、細かな事情が伝わりにくくなります。

担当者が何社を受け持っているかも、聞いてよい質問です。答えにくそうであれば、「月にどのくらいの時間を自社に使ってもらえる想定か」と言い換えてもかまいません。金額の割に受け持ちが多ければ、細かい調整までは手が回りにくくなります。

連絡手段は、後から効いてくる項目です。店舗の休業や商品の欠品など、広告をすぐ止めたい場面は起こりえます。そのときの連絡先と手順を、契約前に決めておいてください。

数字と報告について聞く

次に、成果の定義です。ここでいう成果とは、広告の目的として数える出来事のことで、コンバージョンとも呼ばれます。問い合わせフォームの送信なのか、電話なのか、来店の予約なのか、購入なのか。会社によって当たり前が違うため、言葉にして合わせておく必要があります。電話での問い合わせが多い商売なら、それを数えられる形にできるかも合わせて聞きます。

レポートについては、頻度と中身の両方を聞きます。数字が並んでいるだけの報告書は、受け取っても次の行動につながりません。「何が起きたか」に加えて、「なぜそうなったと考えているか」「次に何を変えるか」が書かれているかどうかを、見本を見せてもらって確かめるのが早い方法です。

そして、うまくいかないときの進め方です。成果が出ないときに、どこから順に見直すのか。何か月で判断するのか。この問いに具体的に答えられる相手は、同じ状況を経験しています。良い話だけが返ってくるようなら、少し踏み込んで聞いてみてください。

契約とデータについて聞く

広告アカウントの名義は、後から変えにくい項目です。自社名義で作れば、代行をやめてもそれまでの配信の記録が自社に残ります。代理店名義の場合、解約と同時に使えなくなることがあります。どちらにも事情があるので、良し悪しを決めつけるより、「解約したとき、何が手元に残るのか」を具体的に確かめるほうが実務的です。

契約期間と解約の申し出時期も、初回に聞いておきます。最低契約期間があるのか、解約は何か月前に伝える必要があるのか。

制作した広告素材やデータの扱いも同じです。作られたバナー広告文を、自社の他の用途に使ってよいのか。計測の設定はどうなるのか。あわせて、売上や顧客に関する情報を渡す前に、秘密保持契約(NDA)を結べるかも確認しておきます。

最後に、AIの使い方です。いまは多くの会社が、下調べや案出し、集計などにAIを使っています。使っていること自体を心配する必要はありません。確かめたいのは、どの工程で使い、出てきたものを誰がどう確認しているかです。事実関係、法令や媒体の審査基準、自社の表現の基準にかかわる部分を、人が見ているかどうか。ここが曖昧な相手には、確認の担当者と手順を具体的に聞いてみてください。

打ち合わせの前に、自社でそろえておくこと

質問の答えを引き出せるかどうかは、こちら側の準備にも左右されます。次の順で用意しておくと、初回から中身のある話ができます。

  1. 目的と、成果として数えたいものを決める。問い合わせなのか購入なのか、社内で先に合わせておきます。
  2. 使える予算の範囲と期間を決める。金額を伝えたくない場合も、上限の感覚だけは自社で持っておきます。
  3. 過去に出した広告の記録を集める。期間、媒体、かかった費用、結果。断片でも手がかりになります。
  4. 社内の決裁の流れを整理する。誰が決めるのか、どこまでなら担当者の判断で進められるのかを明確にします。
  5. 聞きたいことを書き出して当日に渡す。依頼したい内容と条件をまとめた書面は、提案依頼書(RFP)と呼ばれます。簡単な箇条書きでかまいません。
  6. 打ち合わせの後、答えを1枚にまとめる。複数社に声をかけるなら、同じ項目で並べて比べます。

1と2は、依頼先には分からない自社の情報です。ここが決まっていないまま提案を求めると、相手も一般論しか出せません。

FIG.打ち合わせの前に、自社でそろえておくこと

  1. 目的と成果を決める問い合わせなのか購入なのかを社内で合わせる
  2. 予算の範囲と期間を決める上限の感覚だけは自社で持っておく
  3. 過去の広告の記録を集める期間、媒体、かかった費用、結果
  4. 社内の決裁の流れを整理する誰が決めるのか、どこまで担当者が進められるか
  5. 聞きたいことを書き出す提案依頼書(RFP)として当日に渡す
  6. 答えを1枚にまとめる複数社なら同じ項目で並べて比べる
1と2は依頼先には分からない、自社にしかない情報です。

まとめ

最初の打ち合わせは、提案を聞く場であると同時に、こちらが相手を確かめる場でもあります。体制、数字と報告、契約とデータ。この3つについて聞いておけば、契約後に慌てる場面はかなり減らせます。

答えの内容だけでなく、答え方にも目を向けてください。分からないことを持ち帰って調べると言える相手のほうが、長い付き合いでは信頼できます。そして、こちら側も目的と予算を決めて臨むこと。準備した分だけ、返ってくる提案の質も変わります。

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