北海道の集客

クリニック・医療機関のWeb広告で気をつけること|表現の決まりと予約までの導線

クリニックや医療機関がWeb広告を使うときに、発注する側が押さえておきたい点を整理しました。他の業種との違い、表現の決まりの一般的な考え方、予約までの導線の整え方、北海道の通院距離と冬の事情、任せる前に決める手順をまとめています。

No.692026.10.28 公開読了目安 5分8A GARAGE 編集部

クリニックや歯科医院、整骨院などの医療に関わる施設でも、新しい患者さんに知ってもらう手段としてWeb広告を検討する場面が増えています。開業したばかりの時期や、自費の診療を伝えたい場合、近くに住む人に診療科目や診療時間を知らせたい場合などです。

ただ、医療の広告は、一般の商品やサービスの広告と同じ感覚では進められません。広告してよい内容に決まりがあり、媒体の審査も他の業種より慎重です。加えて、広告を見た人が予約や来院までたどり着けるかどうかは、院内の受付の体制に大きく左右されます。

この記事では、医療機関の事務長や開業医、院の運営を担う担当者が、広告を始める前や代理店に任せる前に押さえておきたい点を整理します。法令の細かな解釈には踏み込まず、判断の材料になる考え方を中心に書きます。

医療機関の広告が他の業種と違う点

まず、医療機関の広告がどこで一般の業種と違うのかを整理しておきます。違いを知っておくと、代理店との打ち合わせで何を確かめるべきかが見えてきます。

比べる点一般の商品・サービス医療機関
広告できる内容事実と合っていれば幅広く伝えられる法令や指針で範囲や条件が決められている
媒体の審査業種ごとの基準で審査される健康や医療に関わるため、より慎重に審査される
見る人の気持ち比べて選ぶ楽しさもある不安や痛みを抱えて調べていることが多い
成果の地点購入や問い合わせ予約や来院。電話での予約も多い
受け入れの上限在庫や人手で調整できる診療の枠と医師・スタッフの人数で決まる

特に大事なのは、広告を見る人の多くが不安を抱えているという点です。目立たせることよりも、何ができる施設なのか、いつ行けるのか、どう予約するのかを落ち着いて伝えることが、結果として予約につながりやすくなります。

表現の決まりは一般的な考え方を押さえる

日本では、医療機関の広告について法令と国の指針があり、執筆時点ではWebサイトも対象に含めて考えられています。細かな条件は変わることがあるため、ここでは一般的に注意が必要とされる表現の例を挙げます。

  • 治療の効果を約束するような表現や、誇張した表現
  • 他の医療機関より優れていると読める比較の表現
  • 患者さんの体験談を、治療の効果の根拠のように見せる表現
  • 治療の前と後の写真を、説明を添えずに見せる表現
  • 費用を安く見せることで来院をあおるような表現

自費の診療を伝える場合は、費用の目安やリスク、副作用などの説明を添えることが求められる場面もあります。また、媒体ごとに健康や医療に関わる広告の基準があり、法令の範囲内でも審査で止まることがあります。

表現の最終判断は、国の指針や自治体の案内、媒体の審査基準を確認し、迷うものは専門家に相談してください。代理店に任せる場合も、出す前の文案を院として確認する流れを決めておくと安心です。

予約までの導線を院内の体制と合わせる

医療機関の広告では、広告の中身よりも、広告を見たあとの受け皿で差が出ることがよくあります。予約までの導線とは、広告を見た人が院の情報を確かめ、予約を終えるまでの道筋のことです。

確かめておきたい点は次のとおりです。

  • 診療科目、診療時間、休診日が、スマートフォンですぐに分かるか
  • 電話番号をタップして発信できるか。電話がつながりやすい時間帯を書いているか
  • Web予約がある場合、入力の項目が多すぎないか
  • 初診の流れ、持ち物、駐車場の有無が書かれているか
  • 受付の人数で受けられる電話の量に、広告を合わせられるか

電話での予約が多い施設では、電話のタップをWeb上の成果として数え、実際の予約の件数は受付で記録するなど、2つの記録を合わせて見られるようにしておくと、広告の良し悪しを判断しやすくなります。

受付が混む時間帯に広告で電話が増えると、つながらない電話が増え、かえって印象を下げることもあります。広告を出す時間帯や曜日を、受付の体制に合わせて調整するのも1つの方法です。

北海道の通院距離と冬の事情を踏まえる

北海道では、地域によって医療機関までの距離が長く、車で通院する人が多いことを前提に考える必要があります。配信する地域は、行政の区切りだけで決めず、患者さんが実際にどこから通っているかを受付の記録などから確かめて決めます。

冬は、雪道の運転を避けて通院の予定を変える人や、移動の負担から近くの施設を選び直す人もいると考えられます。冬の間は配信の範囲を狭めて近くの人に絞る、駐車場の除雪や送迎の有無を案内に書き添える、といった調整を検討する余地があります。

一方で、季節によって増える症状や受診の理由がある診療科では、その時期の少し前から情報を届けておく考え方もあります。どの時期に何が増えるかは院の記録がいちばん確かな材料になるため、過去の予約の動きを月ごとに見ておくと役に立ちます。

代理店に任せる前に院で決めておく手順

医療機関の広告を代理店に任せる場合でも、院でしか決められないことがあります。次の順に整えておくと、打ち合わせが進めやすくなります。

  1. 広告で伝えたい診療を1つに絞る(保険の診療か、自費の診療か)
  2. 1日や1週間に受けられる新しい患者さんの人数を出す
  3. 院として使わない表現と、確認する人を決める
  4. 予約の受け口を点検する(電話、Web予約、診療時間の表示)
  5. 成果として数えるものを決める(電話のタップ、Web予約、受付での聞き取り)
  6. 配信する地域と時間帯を、通院の実態と受付の体制から決める

代理店には、医療の広告を扱うときの表現の確認の流れや、審査で止まったときの対応を、契約の前に聞いておくとよいでしょう。答えが具体的かどうかが、任せられるかを判断する材料になります。

FIG.代理店に任せる前に院で決める手順

  1. 伝えたい診療を1つに絞る保険の診療か、自費の診療か
  2. 受けられる人数を出す1日や1週間の新しい患者さん
  3. 使わない表現と確認する人を決める
  4. 予約の受け口を点検する電話、Web予約、診療時間の表示
  5. 成果として数えるものを決める電話のタップ、Web予約、受付での聞き取り
  6. 配信する地域と時間帯を決める通院の実態と受付の体制から
院でしか決められないことを先に整えておくと、打ち合わせが進めやすくなります。

まとめ

医療機関のWeb広告では、表現の決まりと媒体の審査、そして不安を抱えて調べている人の気持ちを前提にする必要があります。表現の判断は国の指針や媒体の基準で確認し、迷うものは専門家に相談してください。

成果を左右するのは、広告を見たあとの予約までの導線と、院内の受け入れの体制です。北海道では通院の距離や冬の移動も踏まえ、受けられる人数と予約の受け口を整えてから、小さく始めて確かめていくことをおすすめします。

この記事へのリンクと、出典を明記した引用は自由です。連絡も不要です。くわしくは引用・転載についてをご覧ください。