北海道の食品を全国に売る|通販のWeb広告で最初に決めること
北海道の食品を通販で全国に売るとき、Web広告を始める前に決めておきたいことを整理しました。送料を含めた1件あたりの利益、リピートを前提にした目標の置き方、ギフト需要の時期との付き合い方と、始めるまでの手順をまとめています。
北海道の食品は、道外のお客様にとって「取り寄せてみたい」と思ってもらいやすい商材です。そのため、通販サイトを作ってWeb広告を出せば売れるのでは、と考える事業会社も少なくありません。
ところが実際には、注文は入っているのに利益が残らない、広告を止めると売上もすぐに止まる、という状態に陥ることがあります。原因の多くは広告の設定ではなく、始める前に決めておくべき数字や前提があいまいなことにあります。
この記事では、北海道の食品を通販で全国に売るときに、Web広告を始める前に決めておきたいことを、発注する側の担当者の目線で整理します。配信エリアの切り方や季節ごとの予算の動かし方は別の記事で扱っているため、ここでは「お金の前提」と「時期の前提」を中心に書きます。
広告より先に「1件売れたら残るお金」を決める
食品の通販で最初に確かめたいのは、1件の注文でいくら手元に残るかです。北海道から全国へ送る場合、送料が遠方ほど高くなりやすく、冷凍や冷蔵で送る商品はさらに費用がかさみます。店頭で売るときと同じ感覚で価格を決めると、送料と梱包だけで利益がほとんど消えることがあります。
1件あたりに差し引く費用を表にまとめます。
| 差し引く費用 | 中身 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 商品の原価 | 仕入れや製造にかかる費用 | 詰め合わせにすると原価の構成が変わる |
| 送料 | お客様の元へ届けるまでの配送料 | 届け先の地域と温度帯で変わる。「送料無料」にした分は自社の負担 |
| 梱包の費用 | 箱、保冷材、緩衝材、同梱物 | ギフト用の包装やのしは別にかかる |
| 手数料 | 決済や通販の仕組みの利用料 | 料金の条件は執筆時点のものを公式情報で確認する |
| 作業の手間 | 受注の確認、箱詰め、問い合わせ対応 | 繁忙期は人手を増やす費用がかかる |
例えば、仮に販売価格が5,000円の商品で、原価が1,800円、送料と梱包で1,400円、手数料が250円かかるとすると、残るのは1,550円です。この1,550円が、初回の注文だけで考えたときに広告に使える上限になります。これを超える広告費をかけると、売れるほど赤字が膨らみます。
初回で回収するか、リピートで回収するか
先ほどの例のように、1件あたりの利益が小さいと、初回の注文だけで広告費をまかなうのは難しくなります。そこで食品の通販では、2回目以降の購入まで含めて広告費を回収する、という考え方がよく使われます。
このとき大事なのは、リピートを前提にするなら、その前提を数字で確かめられる状態にしておくことです。見ておきたいのは次の3つです。
- 初めて買った人のうち、2回目も買った人の割合(F2転換率と呼ばれます)
- 2回目の購入までにかかる期間
- 1人のお客様が、一定期間に残してくれる利益の合計(LTV)
仮に、初めて買った人の半分が1年以内にもう1回買うとすると、1人あたりの利益は初回だけの場合より大きくなり、その分だけ広告にかけられる金額も増えます。ただし、この割合は実際に売ってみないと分かりません。始めたばかりの段階では、リピートを期待しすぎず、初回で大きな赤字にならない範囲から始めるのが安全です。
定期購入の仕組みを用意すると回収の見通しは立てやすくなりますが、解約の条件や表示の仕方には法律上の決まりがあります。一般的な考え方として知っておき、最終的な判断は専門家や公式の情報で確認してください。
ギフト需要と自家用の需要を分けて考える
北海道の食品は、自分で食べるための購入と、贈り物としての購入の両方があります。この2つは、買う人の考え方も、広告で伝えるべきことも違います。
自家用の購入では、味や量、価格の分かりやすさ、届くまでの日数が判断の材料になります。一方でギフトの購入では、包装やのしに対応しているか、届け日を指定できるか、贈る相手に失礼のない見た目か、といった点が重視されます。同じ商品でも、広告の文言や案内するページを分けたほうが伝わりやすくなります。
また、お中元やお歳暮、年末年始、母の日や父の日のようなギフトの時期は、注文が短い期間に集中します。広告費を増やす前に、次の点を社内で確かめておきます。
- その時期に製造や出荷がどこまで対応できるか
- 注文の締め切り日と、届け日の指定をどう案内するか
- 品切れになったときに広告をどう止めるか
注文を受けきれずに発送が遅れると、ギフトでは特に評判を落としやすくなります。広告の予算は、受けきれる量に合わせて決めるのが基本です。
広告を始めるまでの手順
ここまでの内容を、始めるまでの順番に並べます。代行に任せる場合も、1から4は自社で決めて共有しておくと、代理店との話が進めやすくなります。
- 1件あたりに残る利益を出す。原価、送料、梱包、手数料を差し引いて計算する。
- 広告費の上限を決める。まずは初回の利益を基準にし、リピートを見込む幅は小さくしておく。
- 成果を測れる状態にする。注文の件数だけでなく、2回目の購入も追えるようにしておく。
- 年間の時期を書き出す。ギフトの時期と、自家用が動く時期、出荷が難しい時期を並べる。
- 自家用とギフトで、広告の文言と案内するページを分ける。
- 小さな予算で始め、1件あたりの広告費と利益を比べてから広げる。
「北海道産」などの産地の表示や、味や効果についての表現は、事実と合っているかを確かめてから広告に使います。食品の表示や広告表現には決まりがあるため、判断に迷うものは専門家や媒体の審査基準で確認してください。
FIG.食品の通販で広告を始めるまでの手順
- 1件あたりの利益を出す原価、送料、梱包、手数料を差し引く
- 広告費の上限を決めるまずは初回の利益を基準に
- 成果を測れる状態にする2回目の購入も追えるように
- 年間の時期を書き出すギフト、自家用、出荷が難しい時期
- 自家用とギフトで分ける広告の文言と案内するページ
- 小さな予算で始める広告費と利益を比べてから広げる
まとめ
北海道の食品を通販で全国に売るときは、広告の設定より先に、1件売れたら手元にいくら残るかを決めることが出発点です。遠方への送料や冷凍・冷蔵の費用まで差し引くと、初回の注文だけで広告費を回収するのは難しい場合が多くあります。
リピートで回収する考え方は有効ですが、2回目の購入の割合や時期を測れる状態にしてから、少しずつ見込みを広げます。ギフトの時期は自家用と分けて伝え方を変え、出荷できる量に合わせて予算を決めます。この3つの前提を自社で固めておけば、代理店に任せる場合も、目標や予算の話がかみ合いやすくなります。
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