代行の選び方

月10万円台の広告予算で始めるときの現実的な進め方|絞り方と期待値の置き方

月10万円台の広告予算でWeb広告を始めるときの進め方を、発注側の担当者向けに整理しました。少ない予算で起きること、媒体と配信の絞り方、最初の3か月の期待値の置き方、代行に頼むかを判断する目安を、架空の計算例で説明します。

No.432026.10.02 公開読了目安 5分8A GARAGE 編集部

「まずは月10万円台から試してみたい」。Web広告を初めて出す会社では、よく聞く予算の決め方です。いきなり大きな金額を動かすのは不安ですし、社内の説明もしやすい。小さく始めるという判断そのものは、とても理にかなっています。

ただし、予算が小さいと、大きな予算のときとは違うことが起きます。同じやり方をそのまま縮めると、何も分からないまま数か月が過ぎてしまうこともあります。この記事では、月10万円台という予算で始めるときに、何を絞り、どこに期待を置き、代行に頼むかどうかをどう判断するかを説明します。文中の金額や数字は、すべて考え方を示すための架空の例です。

予算が小さいと、何が起きるのか

一番大きな違いは、集まるデータの量です。広告の良し悪しは、クリックや問い合わせの数が積み上がって、はじめて判断できます。予算が小さいと、この積み上がりに時間がかかります。

仮に、月の広告費が15万円、1クリックあたりの費用が150円だとすると、月に集まるクリックは1,000回です。そのうち1%が問い合わせにつながるとすると、問い合わせは月10件になります。10件という数字は、商売としては十分に意味があります。一方で、広告を3つの種類に分けて比べようとすると、1つあたり3件ほどしか集まりません。これでは、どの広告が良かったのかを言い切れません。

もう1つの違いは、自動で入札を調整する仕組みとの相性です。多くの媒体には、成果のデータをもとに配信を調整する機能(自動入札)があります。成果の数が少ないと、この機能が十分に働きにくい場合があります。必要なデータ量の目安は媒体や設定によって異なり、仕様も変わるため、執筆時点の公式ヘルプで確認してください。

媒体と配信は、1つの目的に絞る

小さな予算で最も避けたいのは、薄く広げることです。検索広告もSNS広告も、道内全域も道外も、と同時に始めると、どこも判断できる量のデータが集まりません。最初は次のように絞ります。

  • 目的を1つにする:問い合わせ、来店予約、購入など、成果として数えるものを1つ決める
  • 媒体を1つにする:すでに探している人がいる商材なら検索広告、まだ知られていない商材ならSNS広告、というように商材に合わせて選ぶ
  • 地域と対象を絞る:来店型なら実際に来られる範囲、通販なら売れる見込みが高い地域から
  • 広告の数を絞る:比べる案は2つ程度にとどめ、1つの案に十分なデータが集まるようにする

北海道の事業会社では、商圏の広さや季節の差から、配信先を広げたくなる場面が多くあります。それでも最初の数か月は、一番売れる見込みが高い1つの組み合わせに集中したほうが、次の判断につながる材料が残ります。

最初の3か月の期待値をどう置くか

小さな予算で始めるときは、最初から大きな利益を期待するより、「この広告は続ける価値があるか」を確かめる期間だと考えるほうが現実的です。期間ごとの目的を先に決めておくと、社内での説明もしやすくなります。

期間目的主に見る数字
1か月目成果を正しく測れる状態にする成果の件数が正しく記録されているか、クリック単価
2か月目広告の案や配信先を比べるクリック率、問い合わせの件数と1件あたりの費用
3か月目続けるか、広げるか、やめるかを決める1件あたりの費用と、許容できる上限との差

大切なのは、始める前に「1件あたりいくらまでなら利益が出るか」という上限を決めておくことです。上限がないと、3か月後に数字を見ても、良いのか悪いのかを判断できません。

代行に頼むか、自社でやるかの目安

予算が小さいとき、代行を頼むかどうかの判断では、費用の割合が重くなります。仮に広告費が月15万円で、代行の費用が月5万円だとすると、毎月使うお金の4分の1が運用の費用です。実際の料金は会社や契約によって異なり、最低料金を設けている代理店もあります。見積もりを取るときは、広告費と合わせた総額で考えてください。

一方で、最初の設計と計測の準備は、経験の差が出やすい部分です。ここを誤ると、3か月かけて集めたデータが判断に使えなくなります。全部を任せるか、全部を自社でやるかの二択ではなく、次のような分け方も考えられます。

  • 最初の設計と計測の準備だけを任せ、日々の確認は自社で行う
  • 期間を区切って任せ、その間にやり方を学んで引き継ぐ
  • 自社で運用し、月に一度だけ数字を見て助言をもらう

どの形でも、広告のアカウントは自社の名義で持っておくと、相手を替えたときにデータを引き継げます。

始める前に決めておく5つのこと

実際に広告を出す前に、次の順番で決めておくと、小さな予算でも判断の材料が残ります。

  1. 成果として数えるものを1つ決める。問い合わせ、予約、購入のどれかに絞ります。
  2. 1件あたりの費用の上限を決める。1件の成果から得られる利益をもとに計算します。
  3. 媒体と配信先を1つに絞る。商材に合う媒体と、売れる見込みが高い地域から始めます。
  4. 期間を3か月と区切る。月ごとの目的と、見る数字を決めておきます。
  5. やめる条件を決める。どの数字がどうなったら止めるかを、始める前に社内で合意しておきます。

FIG.小さな予算で始める前に決める5つのこと

  1. 成果を1つ決める問い合わせ、予約、購入のどれか
  2. 1件の費用の上限を決める1件の成果から得られる利益をもとに
  3. 媒体と配信先を絞る商材に合う媒体と見込みの高い地域
  4. 期間を3か月と区切る月ごとの目的と見る数字
  5. やめる条件を決める始める前に社内で合意しておく
この順番で決めておくと、3か月後に迷わず判断できます。

まとめ

月10万円台の広告予算でも、Web広告は十分に始められます。ただし、集まるデータが少ないため、薄く広げると何も判断できないまま時間が過ぎてしまいます。目的、媒体、配信先、広告の案を絞り、1つの組み合わせに集中することが出発点です。

最初の3か月は、利益を大きく伸ばす期間ではなく、続ける価値があるかを確かめる期間と考えてください。1件あたりの費用の上限とやめる条件を先に決めておけば、3か月後に迷わず判断できます。代行を頼むかどうかは、費用の割合を計算したうえで、設計と計測だけ任せるといった中間の形も含めて検討するとよいでしょう。

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