検索広告のキーワード選定手順|検索意図から洗い出して絞り込む方法
検索広告のキーワード選定を、検索意図の書き出し・掛け合わせ・優先順位付けの順に解説します。指名・一般・競合・悩み系の4分類の扱い方と、少額予算で出稿範囲を絞り込むときの考え方も実務目線で整理しました。
検索広告の成果は、どの検索語句に広告を出すかでおおよそ決まります。入札や広告文をどれだけ磨いても、申し込む気のない人が打ち込む言葉に出していれば、クリックだけが積み上がっていきます。
ところが実際のキーワード選定は、「ツールで候補を出し、検索ボリュームの大きい順に登録する」という作業になりがちです。この進め方だと、競争が激しくクリック単価の高い言葉ばかりが並び、限られた予算はすぐに消えてしまいます。
この記事では、ユーザーの検索意図から出発してキーワードを洗い出し、掛け合わせ、優先順位を付けるまでの手順を整理します。予算が少ないときの絞り方も併せて説明します。
キーワードは「言葉」ではなく「状況」から考える
同じ商材でも、検索する人の状況はばらばらです。外壁塗装を例にすると、「外壁塗装 費用 相場」と打つ人はまだ情報を集めている段階で、「外壁塗装 地域名 見積もり」と打つ人は依頼先を探しています。「外壁 ひび割れ 放置」と打つ人は、塗装が必要かどうかもまだ分かっていません。
この違いを無視して「外壁塗装」という言葉の周辺語を機械的に集めると、段階の違う人が同じ広告グループに混ざり、広告文もランディングページ(LP)も誰に向けたものか曖昧になります。
ですから、最初にやるのはツールを開くことではありません。顧客がどんな場面で、何に困って、何を知りたくて検索するのかを書き出すことです。材料は社内にあります。
- 問い合わせメールや電話で、顧客が最初に口にする言葉
- 営業担当やサポート担当がよく受ける質問
- 自社サイトのサイト内検索で入力されている語句
- すでに広告を配信している場合は、検索語句レポートでコンバージョンにつながった語句
社内で使っている呼び方と、顧客が検索窓に打ち込む言葉は一致しないことが多いので、顧客側の言葉をそのまま拾うのがポイントです。
4つの分類で候補を整理する
洗い出した候補は、次の4分類でラベルを付けておくと、予算配分や成績の比較がしやすくなります。
| 分類 | 内容 | 傾向 | 扱い方 |
|---|---|---|---|
| 指名 | 自社名・商品名・サービス名 | 意図が明確で獲得効率が良くなりやすい。検索数は限られる | 最初に確保する。取りこぼしがないかを優先して確認 |
| 一般 | 商材カテゴリ名と、その掛け合わせ | 検索数は多いが競争も激しい。単語が短いほど意図が広がる | 行動を示す語や地域名と掛け合わせて絞る |
| 競合 | 他社名・他社サービス名 | 比較検討中の層に届く一方、広告との関連性は低くなりやすい | 余力が出てから慎重に検討する |
| 悩み系 | 症状・困りごと・疑問 | 検討の初期段階で、コンバージョンまで距離がある | その悩みに答えるLPがある場合に限って出す |
競合名での出稿には、商標の扱いや媒体のポリシーが関わります。広告文に他社の名称を入れてよいかなど、判断に迷う点は媒体の審査基準を確認し、最終的には専門家に相談してください。
FIG.キーワードの4つの分類
- 指名自社名・商品名・サービス名
- 一般商材カテゴリ名と、その掛け合わせ
- 競合他社名・他社サービス名
- 悩み系症状・困りごと・疑問
洗い出しから優先順位付けまでの手順
- 顧客の状況を書き出す。前述の材料をもとに、検索する場面を10〜20個ほど文章で書きます。この段階ではキーワードの形に整えなくて構いません。
- 軸になる語を集める。商材を表す語、行動を表す語、地域、条件、悩みの5つの軸に分けて単語を並べます。
- 掛け合わせる。軸どうしを組み合わせて2〜3語のキーワードを作ります。不自然な組み合わせはこの時点で捨てます。
- ツールで補う。媒体が提供するキーワード調査ツールで、検索需要があるか、見落としている関連語がないかを確認します。表示される検索ボリュームや単価はあくまで目安として扱います。
- 分類ラベルを付ける。指名・一般・競合・悩み系のどれに当たるかを記録します。
- 優先順位を付ける。次に説明する2つの基準で並べ替え、上から予算の範囲で採用します。
掛け合わせの考え方
掛け合わせで最も効くのは、行動を表す語です。「見積もり」「申し込み」「予約」「料金」「比較」「資料請求」といった語が付いた検索は、次に取りたい行動がはっきりしています。地域で商売をしているなら地域名、対応条件に特徴があるなら「即日」「土日」「少人数」といった条件語も有効です。
反対に、商材を表す1語だけのキーワードは、調べもの、求人探し、学生の課題など、あらゆる意図が混ざります。検索数の大きさに惹かれますが、最初に手を出す場所ではありません。
優先順位は「意図の近さ」と「受け皿の有無」で決める
並べ替えの基準は検索ボリュームではなく、コンバージョンまでの距離です。今すぐ依頼先を探している検索を上に、情報収集段階の検索を下に置きます。
もう一つの基準は、その検索に答えるLPがあるかどうかです。「料金」で検索した人を料金の載っていないページに連れて行っても成果にはつながりません。受け皿がないキーワードは、ページを用意するまで保留にします。
少額予算での絞り方
予算が少ないときに起きやすいのは、キーワードを広げすぎて、どれも判断できないまま月が終わることです。例として、仮に月の予算が10万円、平均クリック単価が200円だとすると、得られるクリックは500回ほどです。これを50個のキーワードに均等に分けると1つあたり10クリックしかなく、良し悪しを見極められません。
そこで、次の順で範囲を絞ります。
- 指名キーワードと、行動語の付いた一般キーワードから始める
- 商圏が決まっているなら、配信地域を実際に対応できる範囲に限定する
- 1語だけの広いキーワード、悩み系、競合は後回しにする
- 広告グループを細かく分けすぎず、データが1か所に集まるようにする
絞るというのは捨てることではなく、順番を付けることです。上位のキーワードで獲得単価が安定してきたら、次の層へ一段ずつ広げていきます。
配信後に見直すポイント
選定はあくまで仮説です。配信を始めたら、実際にどんな検索語句で表示・クリックされたかを検索語句レポートで確認します。想定していなかった意図の語句が多ければ除外キーワードに回し、予想外にコンバージョンする語句が見つかればキーワードとして追加します。
分類ラベルごとに成績を比べるのも有効です。悩み系が費用の大半を使っているのに成果が出ていない、といった偏りはラベル単位で見ると気づきやすくなります。キーワードリストは一度作って終わりにせず、月に一度は棚卸しする習慣をつけてください。
まとめ
キーワード選定は、顧客が検索する状況を書き出すところから始めます。そこから軸となる語を集めて掛け合わせ、指名・一般・競合・悩み系に分類し、意図の近さと受け皿の有無で優先順位を付けます。
予算が限られているうちは、判断できるだけのデータが集まる範囲に絞り、成績が安定してから広げるのが堅実です。配信後は検索語句レポートで仮説を検証し、リストを更新し続けてください。
この記事へのリンクと、出典を明記した引用は自由です。連絡も不要です。くわしくは引用・転載についてをご覧ください。