コーヒーは酸化してしまうの?コーヒー豆の酸化を防ぐ保存方法とは?

コーヒーにはさまざまな美容・健康効果があることが知られています。
しかしコーヒー豆は鮮度が重要であり、保存方法を間違えると酸化が進んでしまう食品です。

今回はコーヒー豆の酸化を防ぐ保存方法についてご紹介します。
コーヒー豆が酸化する原因や、酸化したコーヒー豆で淹れたコーヒーによる影響についてもまとめました。

美味しいコーヒーを楽しむためにも、コーヒー豆の正しい保存方法を知っておきましょう。

目次

コーヒーの酸化とは?焙煎後どのくらいで酸化する?

コーヒーの酸化とは、コーヒー豆が空気に触れて化学変化を起こした結果、劣化することをいいます。

注意したいのは、コーヒーに含まれる油脂分(コーヒーオイル)の酸化です。
コーヒー豆には約12~20%程度の油脂が含まれており、焙煎することで表面ににじみ出てきます。
コーヒーオイルはコーヒーの香りや味わいに大きく関わっているのですが、酸化すると体に悪影響を及ぼす可能性があるので注意してください。

コーヒー豆は焙煎直後から酸化し始め、常温で保存した場合は1ヵ月程度で劣化します。
コーヒー豆の賞味期限は「未開封の状態で1ヵ月~1年間」であるのが一般的です。
しかし、焙煎後1ヵ月以上経過しているものは酸化していると考えましょう。

コーヒー豆が酸化するのはなぜ?4つの原因を解説

コーヒー豆が酸化する原因は主に次の4つです。

  • 水分
  • 酸素
  • 温度
  • 紫外線

どれも身近にあるものであり、コーヒー豆に限らずさまざまな食品の酸化に関係しています。
ここでは焙煎したコーヒー豆の酸化原因について見ていきましょう。

コーヒー豆が酸化する原因①水分

コーヒー豆は空気中に含まれる水分=湿気により酸化します。

焙煎後のコーヒー豆に含まれる苦み成分は、「クロロゲン酸ラクトン」や「キナ酸ラクトン」です。
これらの成分は湿気により加水分解を起こし、「クロロゲン酸」と「キナ酸」という酸味成分に戻るため、コーヒーのphが酸性に傾きます。
この現象は「ステイリング」といい、厳密には酸化ではないのですが、コーヒー豆に美味しくない酸味が加わる「酸性化」であり劣化のひとつです。

焙煎したコーヒー豆は水分が蒸発しており、水分を吸収しやすい状態なので、間違った方法で保存するとどんどん酸っぱくなります。

コーヒー豆が酸化する原因②酸素

焙煎したコーヒー豆の表面ににじみ出ているコーヒーオイルは、酸素に触れることで酸化します。
空気の約20%が酸素なので、空気を遮断しなければ酸化が進んでしまうでしょう。

特に焙煎後のコーヒー豆や粉は生豆に比べて酸化しやすいため、空気に触れないように保存することが大切です。

コーヒー豆が酸化する原因③温度

コーヒー豆の酸化には温度も関係しています。
コーヒーオイルは酸素により酸化しますが、温度が高いほど速く酸化するため、保存する場所の温度にも注意が必要です。

常温で保存する場合は、冷蔵庫などの家電により温度が高くなっている場所を避けるとよいでしょう。

コーヒー豆が酸化する原因④紫外線

紫外線などの光は、コーヒー豆の酸化スピードを速めてしまいます。
太陽光線だけでなく、蛍光灯などの可視光線もコーヒー豆を劣化させるため、遮光性の高い容器で保存することが大切です。

UVカットフィルムなどで紫外線だけを遮断しても、コーヒー豆の劣化を防ぐことはできないので注意してください。

コーヒー豆の酸化を防ぐには?保存方法の3つのポイント

コーヒー豆を正しい方法で保存すれば、酸化スピードを遅くすることができます。
コーヒー豆の保存方法のポイントは次の3つです。

  • 豆の状態で保存する
  • パッケージごと密閉容器に入れる
  • 保存期間に合わせて保存場所を選ぶ

どんな方法で保存しても、完全に酸化を防ぐことはできません。
コーヒー豆の買いだめをせず、できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。

豆の状態で保存する

コーヒー豆は粉の状態にすると酸化スピードが速まるため、できるだけ豆のまま保存しましょう。
焙煎後のコーヒー豆の賞味期限は、豆の状態なら常温で1ヵ月程度ですが、粉にすると1週間程度です。

便利だからとまとめて挽いて粉にするのではなく、飲む量にあわせて挽いてみてください。

パッケージごと密閉容器に入れる

コーヒー豆はパッケージのまま密閉容器に入れて保存するのがベストです。

コーヒー豆が入っているパッケージは、基本的に二酸化炭素が充填されています。
別の容器に移し替えてしまうと、空気中の酸素に触れて酸化しやすくなるのです。
またパッケージの材質にアルミ箔を使っているものであれば、コーヒー豆の苦手な光を防ぐこともできます。
できるだけパッケージ内の空気を抜くようにして、口をしっかり閉じて密閉容器で保存しましょう。

コーヒー豆を保存する密閉容器に向いているのは、ガラスやステンレス、アルミ、ホーローなどの素材です。
ジップロックなどの保存袋は空気を通してしまうのでおすすめできません。
使いやすさや保存場所などに合わせて密閉容器を選んでみてください。

保存期間に合わせて保存場所を選ぶ

コーヒー豆の使用頻度や保存期間に合わせて保存場所を選ぶのもポイントです。
コーヒー豆は常温保存、冷蔵保存、冷凍保存ができます。
ここでは保存場所ごとの注意点も合わせてみていきましょう。

常温保存する

未開封のコーヒー豆であれば、常温保存でも問題ありません。
開封後でも1週間程度で飲み切れる場合は常温保存でも大丈夫です。
遮光性の高い密閉容器に入れて、風通しのよい涼しい場所に置きましょう。
ただし、季節によって室温が上がることがあるため、気温や室温に応じて保存場所を変えてみてください。

コーヒー豆は焙煎直後から酸化が始まっています。
未開封であっても長期間の保存は避け、1ヵ月~2ヶ月程度で使い切りましょう。

冷蔵庫で保存する

開封後のコーヒー豆は、パッケージごと密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。
2週間程度で飲み切れる場合は、冷凍庫ではなく冷蔵庫での保存で問題ありません。

冷蔵庫の場合は常温保存や冷凍保存に比べて他の食品のニオイが移りやすいので、しっかり空気を遮断できる容器に入れましょう。
冷蔵庫保存の場合、扉の開け閉めにより温度が変化しやすいため、あまり開け閉めしない場所を選ぶのがコツです。
できるだけ酸化を防ぐためにも、使う量に合わせて小分けにしておくのもよいでしょう。

また、コーヒー豆本来の美味しさを楽しむためにも、必ず常温に戻してから使うことをおすすめします。

冷凍庫で保存する

コーヒー豆の焙煎日が不明な場合や、開封後すぐに飲まない場合、また飲み切るまでに1ヵ月以上かかる場合は、冷凍庫での保存が向いています。
コーヒーを粉の状態で保存する場合も冷凍庫で保存しましょう。

ただし、冷凍庫内は室温との温度差が大きいので、使うたびにすべてのコーヒー豆を取り出すのはNGです。
結露による酸化・劣化を防ぐためにも、使い切れる分のコーヒー豆を小分けにして冷凍することをおすすめします。

冷凍庫で保存したコーヒー豆を使うときも、必ず常温に戻しましょう。

酸化したコーヒー豆は体に悪い?飲むとどうなるの?

酸化したコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲むと、体に次のような悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 口の中に不快感が残る
  • 腹痛や下痢を起こすことがある

コーヒー豆が酸化しているかどうかは、パッと見ただけではわかりません。
劣化が進んでいると酸っぱい匂いがすることもありますが、気づかずに飲んでしまうこともあります。
もしもコーヒーを飲んでこのような状態になった場合は、コーヒー豆の酸化・劣化を疑ってみてください。

口の中に不快感が残る

酸化したコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲むと、口の中に苦みや酸味などが残り、不快感を感じることがあります。
酸化したコーヒーは苦味やえぐみ、酸味が強いため、喉に引っかかるような違和感を感じることもあるでしょう。

コーヒーの後味がいつもと違うときは、コーヒー豆の酸化が原因かもしれません。

腹痛や下痢を起こすことがある

酸化が進んだコーヒー豆が原因で、腹痛や下痢を起こす人もいます。
コーヒーを飲んで下痢になるのはカフェインによるものといわれることが多いのですが、コーヒー豆の酸化・劣化が原因である可能性が高いです。

酸化により生じる過酸化脂質が原因で、吐き気をもよおしたり胃の調子が悪くなったりすることもあります。
体調不良にならないためにも、正しい方法でコーヒー豆を保存しましょう。

もしもコーヒー豆が酸化していて飲めない場合は、脱臭剤や除湿剤として有効活用してみてください。

コーヒー豆の酸化を防いで美味しい1杯を味わおう

今回はコーヒー豆の酸化の原因や、正しい保存方法についてご紹介しました。

コーヒー豆は生鮮食品であり、いつか必ず酸化します。
正しい方法で保存することで酸化を遅らせることはできますが、完全に酸化・劣化を防ぐことはできません。

新鮮なコーヒー豆を買ったら正しい方法で保存して、美味しいうちに飲み切りましょう。

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