今日は焚き火を楽しむ上でのポイント”薪の組み方”について検証していきたいと思います。
焚き火を上手に燃やすには、いくつかコツがあるんですが、薪の組み方しだいで、薪が長持ちしたり、火力が上がったりと、焚き火の燃え方が変わります。
一人や二人でゆっくり焚き火をしたいのか、グループで豪快に焚き火をしたいのか、人によって好みは別れると思います。
自分の好みに合わせたベストな薪の組み方はどれなのか、見つけていただければと思います。
薪の組み方ってどのくらい種類あるの?
薪の組み方を書籍などで調べてみると、日本のスタイル、海外のスタイルなど様々なパターンが載っていました。
ただ、こういう本を書く人達って、山仕事をしてたり、狩猟をしてたり、森の中でサバイバルをするスーパーアウトドアマンが多いです。
山や森の中って、地面の湿気が多かったり、キャンプ場より厳しいコンディションが多いわけですが、そんな場所でも上手に着火したり、コンロ無しで煮炊きできちゃうような、凄いノウハウが培われてきたわけです。
薪は現地調達なので、小枝から丸太まで、いろいろ組み合わせたテクニックが満載です。もちろん昔は焚き火台なんて無かったし、今も荷物になるからそんなもの使っていないので、スーパーアウトドアマンの焚き火テクニックはすべて直火スタイルです。
焚き火台で使える薪の組み方は?
まあ確かにスーパーアウトドアマンのノウハウは凄いなあと思うのですが、キャンプ場でキャンプをする私たちのような一般のキャンパーにはそのままでは使えないテクニックも多いのが実際のところ。
現在の日本のほとんどのキャンプ場では直火の焚き火は禁止されています。最大の理由は綺麗な芝生が焦げちゃうから!
そんなわけで焚き火台で使える組み方を知りたいところですが、狭い焚き火台の上で直火の薪の組み方をそのまま再現したものもネットで紹介されていました。不安定で薪が倒れたり焚き火台から薪が落ちる危険性があるので真似しないようにしましょう。
というわけで、今回は一般キャンパーに本当に使える薪の組み方を実際にやってみた私のレビューを写真と一緒にお伝えしたいと思います。
焚き火と言えばこの形! ティピ型
組みやすさ | ★☆☆☆☆ |
炎の大きさ | ★★★★☆ |
燃費のよさ | ★★☆☆☆ |
コントロールのしやすさ | ★★☆☆☆ |
グループキャンプでみんなが喜ぶ焚き火を演出したい人ならOK!
別名で合掌型とも言います。誰もが思い描く焚き火の典型的なイメージはこれじゃないでしょうか。実際私も焚き火台を買って最初に薪を組んだ時はこの形でした。
組み方
一見簡単そうに見えますが、広い地面に組む場合はともかく、狭い焚き火台で組むには非常に難しいです。これを無理やり再現した間抜けな写真が出回ってますが、どう考えてもすぐ倒れて危険なので真似するのはやめましょう。薪を置く面積が広い焚き火台である場合は大丈夫です。
こちらの写真の左側はサンゾクマウンテンのmouncolで直径が45cmもあり余裕でティピが組めます。右側のロゴスのピラミッドグリルLサイズは直径40cmと言いたいところですが、平面部分はわずか直径26cmしかないので難しいです。
ティピ型のメリット
ティピー型の一番のメリットは豪快に燃えるところです、ファミリーやグループキャンプで華やかな焚き火タイムを演出したい時にピッタリだと思います。
ティピ型のデメリット
もともと薪を組む時に、バランスを取るのが難しくいんですが、焚き火台の上だととくにその傾向が顕著になります。また燃え上がる勢いがあって派手な分、燃え尽きるのも早くいです。のんびり長時間焚き火をやりたい時には不向きです。
個人的お気に入り度:60点
仲間で焚き火を囲んでわいわい語らいたい人にはオススメですね。いかにも焚き火って形をしているのでビギナー受けはいいです。写真もけっこう映えます。ただ最初の薪のセッティングが焚き火台だと非常に面倒臭いのと、あっという場に燃えてしまうので、小枝とかが豊富にあるシチュエーション意外は、私はあまりやらないスタイルです。
最強の火力で踊れ! 井桁型
組みやすさ | ★★☆☆☆ |
炎の大きさ | ★★★★★ |
燃費のよさ | ★☆☆☆☆ |
コントロールのしやすさ | ★☆☆☆☆ |
とにかく盛大に燃やしたい人にオススメ!
これも有名な形です。学校行事とか、大人数で行ういわゆるキャンプファイヤーで使われる組み方です。
組み方
太さが同じくらいの薪を、文字通り井桁型に積んでいきます。着火を簡単にしたり、火力をあげるためにさらに中心にティピ型に小枝を組むのもオススメです。
井桁型のメリット
キャンプファイヤー用に使われるだけあって、ものすごい火力になります。グループキャンプで盛大に焚き火をしたい場合はオススメと言えるでしょう。
あと薪を組む工程が、積み木をするような感覚で楽しいので、子供やビギナーに体験させてあげると喜ばれると思います。
井桁型のデメリット
言うまでもなく、火力と燃費は相反するので、ティピ型と同様燃費はかなり悪いです。また太めの薪が必要になりますし、高く積むと崩れた時のバランスが悪くなるので、崩れそうになったら火ばさみで形を補正してあげましょう。
個人的お気に入り度:40点
ティピ型を特性をさらに突き詰めたようなイベント向けの焚き火です。太い薪を一度にたくさん使うので燃費が悪く、イベントの時にしかやりません。焚き火を囲んでフォークダンスとかやるならこれでしょう! でもやる機会はほぼないと思われますのでこの点数です(笑)
雨でも燃える! 並列型
組みやすさ | ★★★★☆ |
炎の大きさ | ★★★☆☆ |
燃費のよさ | ★★★☆☆ |
コントロールのしやすさ | ★★★★★ |
悪天候時に焚き火で温まりたい時にオススメ!
これはビギナーにはパッとしない地味な見た目かもしれませんが、かなり実用的な薪の組み方となります。
組み方
太めの薪を2本置いて、それを”ゲタ”にして、上に薪を並列に並べていきます
並列型のメリット
ゲタの上に薪を置くことで、通気性がよく火力があります。また、上に薪を重ねておくことができ、雨や雪が降っていても最上段の薪が屋根代わりとなり、焚き火を維持することができます。つまり耐候性に優れています。
並列型のデメリット
あまりデメリットはありませんが、強いて言えば長時間の焚き火には若干不向きなのと、見た目のオシャレさはないかもしれませんね。
個人的お気に入り度:70点
簡単で雨でも焚き火ができるので頼もしい組み方です。また直火と同様焚き火台の上で再現するのもまったく支障がないのがいいですね。この方法を知った時は、苦労してティピ型を作っていた意味はなんだったんだろうと思いました(笑)燃費は特別よくないのでグループやファミリーで大きな火が欲しい時に私は使ってます。
シンプルイズベスト! 差し掛け型
組みやすさ | ★★★★★ |
炎の大きさ | ★★☆☆☆ |
燃費のよさ | ★★★★☆ |
コントロールのしやすさ | ★★★★☆ |
面倒くさがりの人にオススメ(笑)
これは先ほどの並列型の2本のゲタを1本に減らしたタイプとも言えます。とにかく素早く火をつけれることが特徴です
組み方
太い薪を1本置いて、そこに薪を立てかけるだけです
差し掛け型のメリット
とにかくシンプルで簡単に焚き火をできることが最大のメリットです。ティピのように手間をかけなくても、簡単に通気性を確保することができる構造。薪を次々と立てかけていけば維持もシンプルな作業で済みます。
差し掛け型のデメリット
通気性が良すぎるせいか、薪の燃え尽きるスピードも早めです。また次に紹介するロングファイヤー型のように火床に熱をキープする効果が弱いので、薪をきちんと補充していかないと焚き火を維持できません。
個人的お気に入り度:80点
シンプルな構造で、太い薪があまりなくても焚き火ができるという点が気に入ってます。火が消えないようにきちんと管理しないといけない手間も焚き火好きにはそれも楽しいんです。風防付きの小さな焚き火台でやるときにオススメです。
野営家が行き着く最終形! ロングファイヤー型
組みやすさ | ★★★★★ |
炎の大きさ | ★★☆☆☆ |
燃費のよさ | ★★★★★ |
コントロールのしやすさ | ★★★★★ |
焚き火で料理をしたい焚き火マニアにオススメ!
実用性という意味では最強の組み方と思うのがこちらです。海外、日本でも野営する人たちの間で定番となっています。
組み方
大きめの薪を2本置いて、その間に細かい薪を置きます。野営愛好家は丸太をそのまま使いますが、私たちは焚き火台に入る中で大きなサイズの薪を使いましょう。それでも十分効果を発揮します。
ロングファイヤー型のメリット
何と言っても簡単なところ。そして火力コントロールがしやすく、燃費も良い。さらに太い薪を五徳がわりにして飯盒やフライパンなどの鍋を置けるので調理に最適です。ソロキャンプでチロチロと焚き火をしながら焚き火料理を楽しむなんて時には最高ではないでしょうか。
また火力を高めれば写真のような巨大な寸胴鍋も簡単に沸騰させられました。これには私も驚きました。
ロングファイヤー型のデメリット
デメリットないんじゃないでしょうか(笑)これも並列型と同じで、見た目が地味ということが、派手さを求める人にはデメリットになるかもしれませんね。
個人的お気に入り度:90点
私は木炭を使わず、焚き火で調理をしたい人間なので、ロングファイヤー型の五徳機能が最高に気に入ってます。2つの太い薪は時間が経つと熾火になり、焚き火の熱をキープしてくれるので長く安定した焚き火が楽しめます。金属製の五徳ももちろん使いますが、ステーキなんかの厚めのを焼く場合は燃え盛る薪の上でフライパンやスキレットに直置きするとワイルドで気分が上がります。
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まとめ
ここまでで有名な5つの薪の組み方をご紹介しました。ひとえに焚き火と言っても、調理からキャンプファイヤーまでいろんな楽しみ方があります。
ソロキャンプする時はロングファイヤー型、グループキャンプでわいわいやるならティピ型など使い分けをすると、より楽しい焚き火タイムを作ることができるのではないでしょうか。
以上参考にしていただければ幸いです。