ダイソーのアルコールストーブよりもおすすめ?!8A GARAGEのチタン製アルコールストーブをご紹介

できる限り荷物を軽量化したいウルトラライトキャンパーたちを中心に、根強い人気を誇っている調理用バーナー。それは「アルコールストーブ(通称:アルスト)」です。
薬局で手に入る「燃料用アルコール(実売価格:300ml入り300円程度)」を燃料として、それをただ燃焼させるだけというシンプルな構造の分、他のどんな燃料を使った調理用バーナーよりも軽量コンパクトなアルコールストーブ。
その中でも、最近もっとも注目されているのが100均ショップ「ダイソー」が発売する2サイズのアルコールストーブです。
今回は、そんなダイソー製アルコールストーブとともに、8A GARAGEが販売するチタン製アルコールストーブを比較検証してご紹介します。

目次

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブ

まずは、8A GARAGEのチタン製アルコールストーブからご紹介します。

第一印象

箱から取り出した第一印象としては、「しっかりとした作りをしているな」ということでした。

チタンというのは加工しづらいことでも有名な素材のはずですが、フチや二次燃焼用に開けられた穴のまわりなども、実にていねいに加工されているようです。
バリやササクレなどは一切見当たりません。

製品データ

直径:約71.5mm
高さ:約44mm
重量:約47g
アルコール容量:100ml(推奨80mlまで)
メモリ:30ml、60ml、1oz、2oz

素材

素材は、オールチタン製です。
チタンは、高耐食性、高耐熱性、高強度といった数々のメリットを持つ素材で、その上軽量であることから、近年ウルトラライトキャンプギアの素材として取り入れられています。
数々のメリットの反面、チタンは製造・加工に大変な労力とコストがかかってしまうため、製品価格が高額となってしまうのが最大のデメリットです。

付属品

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブは、ロゴがペイントされただけのシンプルなダンボール製の箱に入り、付属品は収納袋のみです。

出典:8A GARAGE公式オンラインショップ

ただし、現在はアルコールストーブのみの販売はされておらず、合わせて使える同じチタン製の風防兼ゴトク「イージス」とのセット販売のみとなっています。

残念なポイント

よくある有名メーカーのアルコールストーブについているような、専用の火力調整フタなどは付属していないため、途中で火を消す手段がありません。
画像のように空のシェラカップなどをかぶせれば消火することはできますが、これは少し残念なポイントです。

また、これは残念なポイントというわけではありませんが、チタンの特性ゆえ、消火からしばらくの間本体が高温を保っていますので、すぐには素手で触らないよう注意してください。

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブの魅力

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブ最大の魅力といえば、やはりチタン製ゆえの存在感です。
持った感じもかすかなザラつきで手に心地よく、まさにお気に入りの「逸品」を手にしているという満足感があります。
さらに、一度火入れしたあとは、チタン独特の焼色が付くのもいいですね。

実際に使用してみても、きれいな二次燃焼孔が二重に開けられているため、炎の量や安定感も文句なく、コレクションとしても、実用品としても非常にすぐれたアルコールストーブだといった印象を受けました。
これでもう少し価格が安く(実売価格:風防とセットで10,000円)さえあれば、いうことなしですね。

ダイソー製アルコールストーブ

続いては、ダイソー製アルコールストーブです。

ダイソー製のアルコールストーブには、大小の2サイズが用意されています。

第一印象

8A GARAGEチタン製アルコールストーブと比較すると、ずいぶんとチープな感じがするのは否めません。
もちろん、これは価格差を考えれば当たり前ということはありますけどね。

ただし、価格の分素材の厚みや仕上げには少々難があるようです。
手に触れる部分に危険なバリなどはありませんでしたが、二次燃焼孔の周囲はバリがしっかりと残っていて、いささか雑な作りに感じました。
また、素材の厚みもジュースなどのアルミ缶より薄い印象で、間違って踏んでしまったら、ぺしゃんこになってしまいそうな頼りなさがあります。

製品データ

【大】
直径:約72mm
高さ:約36mm
重量:約14g(フタ込み22g)
アルコール容量:80ml
メモリ:なし
【小】
直径:約60mm
高さ:約29mm
重量:約8g(フタ込み14g)
アルコール容量:40ml
メモリ:なし

素材

大小ともに、極薄のオールアルミ製です。
アルミニウムは軽量で加工しやすい素材のため、チタンと同様ウルトラライト系キャンプギアにはよく使用されています。
また、これもチタンと同様サビに強いといった特徴を持っていますが、金属素材と比較すると強度に劣るため、軽量化を突き詰めるとどうしても華奢(きゃしゃ)になってしまうことは否めないでしょう。

付属品

前面に印刷が施されたボール紙の箱の中に、ビニールに包まれた本体と簡単な注意書きが入っています。

また、ダイソーのアルコールストーブには大小ともにフタが付属しています。
フタにはシリコン製パッキンがついていますので、多少中にアルコールが残っている状態でも、フタをすれば中身をこぼさずに持ち運びすることもでき、燃料の蒸発をある程度防ぐこともできます。
ただし、このフタは消火用には利用できません。

残念なポイント

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブ同様、消火、あるいは火力調整用のフタなどはついていません。
そのため、消火するには画像のようにシェラカップや耐熱素材のシェラリッドなどでフタをしてあげなければならないでしょう。
また、強度にかなり不安がある点と、二次燃焼孔がきれいに開けられていないため、炎が安定しないのはマイナスポイントです。

ダイソー製アルコールストーブの魅力

とにかく「安い、小さい、軽い」というのは、ダイソー製アルコールストーブ最大のメリットです。
特に小にいたっては、フタ込みでも約14gという圧倒的に軽量かつコンパクトなため、しまう場所をしっかりと決めておかなければ、道具入れの中で迷子になりそうなほど。
華奢ですぐに壊れそうなアルコールストーブですが、価格を考えれば消耗品として捉えて利用すると考えれば問題はないでしょう。

燃焼テスト

では、3つのアルコールストーブに実際に燃料を注ぎ、火をつけて燃焼テストを行います。

テスト条件

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブは二次燃焼孔が周囲に開けられているため、鍋などを直接置いても調理ができますが、ダイソー製は内側に孔があいているため、直置きすると炎が消えてしまいます。

そのため、8A GARAGEのチタン製アルコールストーブに付属のゴトク「イージス」を利用して、それぞれの条件を同じにして検証します。

「イージス」の中にそれぞれのアルコールストーブをセット。
その上に、100mlの水道水を入れたシェラカップをのせ、沸騰するまでの時間を計測することとしました。

炎の様子

まず、3つのアルコールストーブを並べて点火した直後の様子がこちらです。

約1分ほど経過したところ。
ダイソー製は一重、8A GARAGE製は二重に二次燃焼孔が開けられているため、炎の量が違うのが一目瞭然です。

約3分が経過したところ。
8A GARAGEのチタン製アルコールストーブは完全に火力が安定し、よく燃えているのがひと目でわかりますが、ダイソー製のほうは両サイズとも炎が完全に安定したといった感じがしません。
ただ、炎の量としてはこれが最大のようです。
やはり、二次燃焼孔にバリが多数見受けられ、きれいに加工されていないことが炎の安定性に影響しているのでしょう。

ダイソー製アルコールストーブ(大)

それでは、一旦火を消して、それぞれ完全に本体が冷めた状態から実験を始めます。
まずは、ダイソー製アルコールストーブ(大)です。

炎を点けて約3分弱。シェラカップの底がふつふつとし始めました。

4分弱の状態で完全にお湯が沸き、温度計のメモリも100℃を示しました。
ダイソー製アルコールストーブ(大)の100度へ達する計測タイムは、3分52秒でした。

ダイソー製アルコールストーブ(小)

続いては、同じくダイソー製アルコールストーブの小です。

意外なことに、大よりも早く点火から2分少々で底がふつふつし始めました。

結果的にも、大よりはるかに早い3分23秒で完全にお湯が沸き、温度も100度に達しました。
今回使用したのが、底面積の小さいシェラカップということで、もしかしたら大より小の方が、効率的に炎が当たったのかもしれませんね。

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブ

最後は8A GARAGEのチタン製アルコールストーブです。

点火からわずか1分半で、底面がふつふつし始めました。

お湯が沸いたのはジャスト3分。温度計もしっかり100℃を示しています。
本体のみでの燃焼実験の際、炎が安定するのに約3分かかっていましたが、いうなれば炎が安定するまでの時間だけで、100ml程度の水であれば十分に沸騰させることが可能ということですね。
やはり、二次燃焼孔が二重に開いているというのが、大きな強みなのかもしれません。

筆者の総評

実験の結果、100mlの水が100℃のお湯に変わる順位は次のとおりでした。
1位:8A GARAGEのチタン製アルコールストーブ/3分00秒
2位:ダイソーのアルミ製アルコールストーブ(小)/3分23秒
3位:ダイソーのアルミ製アルコールストーブ(大)/3分52秒
実際にキャンプ場でもう少し大きめの鍋を使って、大量のお湯を沸かしたりスープなどを作りたい場合には、この差はもっと歴然としたものになるでしょう。
そうしたことを考えると、なるべく早く手軽にお湯を使いたいならば、やはり8A GARAGEのチタン製アルコールストーブを使用するのが得策なようです。

ダイソー製アルコールストーブがおすすめな人

ダイソー製アルコールストーブの最大の利点は、価格が安いこと。そして、とにかく軽量なことです。
ちょっとチープで壊れやすい作りも、価格を考えれば使い捨て感覚で許容範囲でしょう。
そのため、一度アルコールストーブを試してみたい人や、とにかく安くキャンプ道具を揃えたい人にはおすすめです。
また、性能面の弱さには少々目をつぶり、登山などでお湯だけわかせればいい人などには、その軽量さは大きな利点となってくれるでしょう。

8A GARAGEのチタン製アルコールストーブがおすすめな人

この火入れ後の「焼け」を見ても、使い込めば使い込むほど味わいが深くなるのがチタン製アルコールストーブの魅力です。
価格的にも高価なギアとなる分、「所有している」という意識は、ダイソーのアルコールストーブとは比較にならないでしょう。
実用面でも申し分ない性能を持っていますので、高価でもしっかりと安心できる製品が欲しい人にはおすすめできます。
また、キャンプギアの沼にハマったような、ギアを所有することに楽しみを覚えるタイプの人には、間違いなく手にして欲しい逸品であるのは間違いありません。

まとめ

ウルトラライト系キャンパーに人気のアルコールストーブについて、ダイソーのアルミ製アルコールストーブ2種と8A GARAGEのチタン製アルコールストーブの比較燃焼実験を交え、その魅力をご紹介しました。
ダイソー製と8A GARAGE製では、素材も違えば価格も違う、同じアルコールストーブとはいっても両者の特性は正反対といっていいぐらい違います。

それゆえ、一概にどちらがすぐれているといえるものではないでしょう。
あなたが求めるキャンプスタイルはどんなものなのかや、趣味趣向に合わせて、お好きなほうを選べば問題ありません。もしくは、あなた自身が両方のアルコールストーブを実際に手にして、その質感や使用感を体感してみるのもよいでしょう。

本記事の内容なども参考にしつつ、ぜひともあなたのキャンプスタイルにベストチョイスなアルコールストーブを選んでみてください。

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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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