「コーヒーが大好きなのに、飲むと下痢になることがある…」
そんな経験がある人も少なくありません。
コーヒーで下痢になるのはカフェインによるものといわれていますが、その他にもさまざまな原因があることをご存じでしょうか。
今回は、コーヒーで下痢になる本当の理由や、下痢の予防方法についてご紹介します。
コーヒーを飲んでお腹の調子が悪くなるのが心配!という方は、ぜひ参考にしてみてください。
コーヒーで下痢になるのはカフェインが理由?
コーヒーで下痢になるのはカフェインが原因である、という話を聞いたことはありませんか?
クロロゲン酸やタンニンによるものだという説もありますね。
しかし、カフェインやクロロゲン酸などが含まれているのは、コーヒーだけではありません。
ここではカフェインやクロロゲン酸、タンニンで下痢になる可能性について説明します。
カフェインで下痢になる可能性
コーヒーに含まれるカフェインが原因で下痢になる可能性はそれほど高くありません。
カフェインが原因であれば、緑茶やエナジードリンクを飲んでも、風邪薬や頭痛薬を飲んでも下痢になるのではないでしょうか。
コーヒー以外の食品や薬にどのくらいのカフェインが含まれているのか、食品安全委員会などの資料を参考にまとめてみました。
コーヒー(100ml) | 60mg |
玉露(100ml) | 160mg |
紅茶(100ml) | 30mg |
抹茶(粉末1.5g使用100ml) | 約68mg |
エナジードリンク(100ml) | 32~300mg(製品により異なる) |
カフェイン入り清涼飲料水(100ml) | 32~300mg(製品により異なる) |
市販の風邪薬・頭痛薬(1回分) | 25~120mg(製品により異なる) |
ミルクチョコレート(100g) | 約20mg |
高カカオチョコレート(100g) | 約80mg |
製品により異なりますが、カフェイン含有量はコーヒーよりも玉露やエナジードリンクのほうが多いのです。
ただし、カフェインには腸の働きを促す作用があります。
カフェインを過剰摂取すると下痢になることもあるので、コーヒーを飲むときは適量を守るようにしましょう。
クロロゲン酸やタンニンで下痢になる可能性
コーヒーに含まれるクロロゲン酸やタンニンが原因で下痢になる可能性も、それほど高くないといえます。
クロロゲン酸やタンニンはポリフェノールの一種です。
ワインや茶葉、野菜や果物などに含まれている成分で、高い抗酸化作用があることが知られています。
飲み物に含まれるクロロゲン酸やタンニンの含有量は以下の通りです。
クロロゲン酸 | タンニン | |
コーヒー100g | 200mg | 110mg |
赤ワイン100g | 230mg | 300mg |
緑茶100g | 115mg | 230mg |
どちらも過剰摂取すると胃腸に負担を与える可能性がありますが、適量であれば生活習慣病の予防や改善効果、美肌効果が期待できる成分です。
特にタンニンには下痢を改善する効果があり、下痢止めの薬にも用いられています。
カフェインと同様に、クロロゲン酸やタンニンの過剰摂取に注意してコーヒーを飲むとよいでしょう。
コーヒーで下痢になる3つの原因
コーヒーで下痢になるのは、主に次の3つが原因である可能性が高いです。
- コーヒー豆
- コーヒーフレッシュ
- コーヒーが合わない体質
なぜこれらが下痢の原因になるのか、詳しく説明していきます。
コーヒー豆に問題がある
古くなったコーヒー豆、つまり酸化したコーヒー豆を使ったコーヒーを飲むと、下痢になる可能性が高いです。
コーヒーの生豆には8~16%程度の油脂分が含まれており、焙煎することで豆表面ににじみ出てきます。
この油脂分=コーヒーオイルは、コーヒーの味わいや香りを左右する重要な成分ですが、酸化すると体に悪影響を与える可能性があるのです。
繰り返し使って酸化したサラダオイルが下痢の原因になるように、酸化したコーヒーオイルも下痢を引き起こすことがあります。
コーヒー豆の酸化・劣化を防ぐためにも、新鮮なコーヒー豆を選び、正しい方法で保存しましょう。
コーヒーフレッシュを入れている
ポーションタイプのコーヒーフレッシュが原因で下痢になることがあります。
コーヒーフレッシュとは、コーヒーミルクやコーヒークリームとも呼ばれる「ミルクのように見える」液体です。
植物油脂に乳化剤や香料、安定剤やph調整剤などを加えたものであり、乳成分はほとんど使われていません。
簡単にいうと、コーヒーフレッシュ=オイルと水に食品添加物を加えたものです。
オイルと水を混ぜ合わせるために添加する乳化剤は「ショ糖脂肪酸エステル」といい、食品添加物として国に認可されています。
しかし、ショ糖脂肪酸エステルは合成乳化剤であり、天然由来の乳化剤よりも下痢になりやすいことがわかっているのです。
また、賞味期限を過ぎたコーヒーフレッシュも下痢の原因になります。
コーヒーフレッシュの賞味期限は平均100日前後と長いのですが、原材料である油が酸化・劣化すると下痢などの体調不良の原因になるため注意が必要です。
ポーションタイプのコーヒーフレッシュは、外袋を見なければ賞味期限を確認することができません。
喫茶店やカフェなどで提供されるコーヒーフレッシュを使う場合は、コーヒーに入れる前に中身をチェックするとよいでしょう。
体質によるものである
コーヒーが合わない体質の場合、下痢になることがあります。
たとえば過敏性腸症候群を発症していると、コーヒーに含まれるカフェインが刺激物となり、下痢を起こしやすくなるのです。
また、コーヒーアレルギーによる下痢の可能性もゼロではありません。
ただし、缶コーヒーに含まれる添加物や、コーヒー豆の残留農薬が原因で下痢などのアレルギー反応が見られることもあります。
コーヒーアレルギーなのか、添加物や農薬による下痢なのかは判断しにくいため、不安な方は医師に相談するとよいでしょう。
コーヒーで下痢になりたくない!予防方法を解説
コーヒーを飲みたいけど下痢になりたくない!という方は、次の予防方法を試してみて下さい。
質の良いコーヒー豆を選ぶ
コーヒーを飲み過ぎない
コーヒーフレッシュを入れ過ぎない
コーヒーを飲んで下痢になる原因は人によって異なります。
あなたに合った方法を見つけるようにしましょう。
質の良いコーヒー豆を選ぶ
コーヒーを飲んで下痢にならないようにするには、高品質のコーヒー豆を選び、正しく保存することが大切です。
コーヒー豆の品質は、栽培地の標高や気候、栽培・収穫方法、管理方法などにより決まります。
自家焙煎しているコーヒー専門店などは質の良いコーヒー豆を扱っていることが多いので、一度試してみるとよいでしょう。
またコーヒー豆の賞味期限は、豆の状態なら焙煎してから1ヵ月程度、粉の状態なら2週間程度です。
豆よりも粉のほうが酸化しやすいため、期間が短いのですね。
こまめに買いに行くのが理想ですが、賞味期限内に飲み切れない場合は密閉容器に入れて冷凍保存するとよいでしょう。
コーヒー豆は鮮度が重要です。
下痢にならないためにも、生鮮食品と同じように扱うことをおすすめします。
コーヒーを飲み過ぎない
コーヒーを飲み過ぎないことも下痢の予防方法のひとつです。
コーヒーには脂肪燃焼効果や美肌効果が期待できますが、飲み過ぎはよくありません。
健康な成人の場合、コーヒーは1日に3杯~5杯が目安です。
ただし個人差があるため、あなたにとっての適量を知っておくとよいでしょう。
コーヒーフレッシュを入れ過ぎない
コーヒーフレッシュを使って下痢になることが多い場合は、入れ過ぎない、あるいは使わないようにしてみましょう。
コーヒーフレッシュに含まれている合成乳化剤は、「国が認可している」食品添加物です。
しかし腸から吸収されにくく、とりすぎると下痢になる可能性が指摘されています。
またコーヒーフレッシュの開発者の方によると、コーヒーフレッシュの正体は「添加物だらけのミルク風味の油」だそうです。
健康被害は確認されていないようですが、常温でも腐らないように、色や風味をつけるためにと、さまざまな食品添加物が使われていることを忘れないでください。
どうしても「ミルクっぽいもの」を入れたいときは、豆乳や生クリーム、牛乳、粉末ミルクなどを使用してみてはいかがでしょうか。
高品質なコーヒー豆を選んで下痢を予防しよう
この記事では、コーヒーを飲むとなぜ下痢になるのかについてご紹介しました。
コーヒーを飲んで下痢になるのは、コーヒー豆の鮮度が原因である可能性が高いです。
飲み過ぎていないし体調も悪くないのにコーヒーで下痢をした…というようなときは、コーヒーの鮮度を疑ってみましょう。
また、コーヒーフレッシュが原因で下痢になる可能性も否定できません。
高品質なコーヒー豆を使い、コーヒーフレッシュなしのコーヒーを試してみませんか。