コーヒー豆を選んだり、ドリップコーヒーを注文したりする時に、酸味についてのコメントを見かけることも少なくありません。
しかし、「酸味」と表現されていても、次のように感じることがありませんか?
「コーヒーの酸味が良くわからない」
「そもそもコーヒーの酸味とは何?」
「コーヒーの酸味が強い原因は何?」
そこで、この記事ではコーヒーの酸味についてコーヒーの酸味の原因や種類、楽しみ方を徹底解説します。心地よい酸味を感じられるコーヒー豆も、ご紹介していますのでぜひ最後までお読みください。
【奥が深い】コーヒーの酸味とは?
コーヒーの酸味とは、コーヒーが本来持っているコーヒーの果実の個性を表現したものです。コーヒー豆は、コーヒーの果実から種を取り出して、乾燥・焙煎しています。りんごやみかんなどの果実にも酸味・甘味などそれぞれの特徴があるように、コーヒーの果実にも特徴があるのです。
コーヒー豆の特徴は次の5つで、チャートを使って評価します。
- 酸味
- 苦味
- コク
- 香り
- 甘味
その中でも酸味は、コーヒーにキレの良さや、フレッシュさを与えてくれます。コーヒーの酸味を表現するために使う言葉は下記の通りです。
- フルーティーな味わい
- すっきりとした味わい
- さわやかな味わい
特に、グレープフルーツやオレンジなどのシトラス系・ベリー・マスカット・カシスに例えて説明することがあります。「酸味」と聞くと、「酸っぱいだけ」とイメージするかもしれませんが、本来コーヒーの酸味はさわやかで、個性を与えてくれるのです。
同じコーヒー豆でも焙煎方法で酸味が変わる
コーヒーの酸味は、本来のコーヒーの果実で決まりますが、焙煎方法によっても下記の通り変わってきます。
- 焙煎の時間が長ければ長いほど酸味が減り、苦味が増してくる
- 熱量によって酸味の量が減ったり増えたりする
- コーヒーに含まれる水分量によって酸味と苦味のバランスが変わる
コーヒーを楽しむには、酸味だけでなく苦味・コク・香り・甘味とのバランスが大切。コーヒーショップでは、それぞれのコーヒー豆の個性を考慮して、焙煎時間や方法にこだわって、コーヒー豆の良さを最大限に引き出しているのです。
コーヒーを淹れる温度で酸味が変わる
コーヒーを抽出する際の温度によっても、酸味と苦味のバランスが変化します。温度の目安は下記の通りです。
- 高めの温度(90〜95度):苦味が多く出やすい
- 低めの温度(80〜95度):酸味が多く出やすい
一般的にコーヒーをおいしく飲むための最適なお湯の温度は80〜95度だとされています。その中でも、低めの温度でコーヒーを淹れるなら、酸味を感じやすい味わいになります。
自分の好みの温度を研究しながら、コーヒーを淹れてみるのも良いですね。
良い酸味と悪い酸味がある
コーヒー豆には、良い酸味と悪い酸味があり、下記の通りです。
- 良い酸味:コーヒー豆本来が持つ独特のもの。コーヒー豆に個性や味わいの深さを与える
- 悪い酸味:コーヒー豆が酸化したためやコーヒーの淹れ方が悪いために感じる酸味。身体に影響を与えることもある
コーヒーを飲むと「ただ酸っぱいだけ」「舌がヒリヒリする」などと感じる場合は、悪い酸味の可能性があります。新鮮なコーヒーで淹れているのに、悪い酸味を感じるなら、コーヒーの淹れ方を変えてみましょう。酸化しているコーヒーは身体に悪影響を与えることもありますので、飲まない方が良いでしょう。
酸化したコーヒーが体に与える影響について知りたい方は、下記の記事を参考になさってください。
コーヒーの酸味を楽しむためのポイント
「酸味を最大限に楽しみたい!」「コーヒーの酸味を味わってみたい」と感じるのではないでしょうか。まずは、バリスタの淹れるコーヒーを飲んで、本当のコーヒーの酸味を味わうのがおすすめです。
きっと「こんなに美味しかったの?」「味が奥深くなる」など、新発見があることでしょう。その後、自分でもコーヒの酸味を楽しむためには、次の3つのポイントを抑えることが大切です。
新鮮で質の良いコーヒー豆を使用する
新鮮なコーヒー豆を購入し、できるだけ早く飲みましょう。コーヒー豆は酸化が進むと、悪い酸味が出てくるからです。新鮮なコーヒー豆を購入するためには、焙煎された日付を確認したり、挽いていない状態のコーヒー豆を購入したりできます。
高い豆がセールになっているときに大量買いをしたくなるかもしれませんが、買う量にも注意してください。大量に買いすぎて飲みきれず、コーヒー豆がどんどん劣化するリスクもあるからです。
コーヒー豆をしっかりと保存する
コーヒー豆を購入後、酸化しないように3つのポイントに注意し、正しく保存することも大切です。
- 豆の状態で保存する
- 密閉容器に入れる
- 直射日光を避ける
コーヒー豆を保存する密閉容器には、ミニキャスターが向いています。日光が当たらないものや、密閉効果の優れているものなどコーヒー豆の劣化を防ぐための工夫がされている容器もたくさん販売されていますので、用途に合わせて使用しましょう。
ミニキャスターについての情報は、下記の記事を参考になさってください。
コーヒー豆の保存方法については、下記の記事を参考になさってください。
おいしい淹れ方を覚える
正しいコーヒーの淹れ方を覚えましょう。上記でも紹介した通り、コーヒーを淹れるお湯の温度によっても、味が変わります。おいしいコーヒーを淹れるコツを抑えることが大切です。
- お湯の温度:85〜95度
- 蒸らしの時間を取る
- できるだけ低い位置からお湯を注ぐ
- お湯がフィルターにかからないようにする
- 3〜4回に分けてお湯を注ぐ
お湯の温度や注ぎ方を意識すると、コーヒーの味わいがより引き立ちます。
酸味のあるコーヒー豆の品種は?
酸味のあるコーヒー豆の品種は、下記の3つです。コーヒーショップで「酸味のあるコーヒーを買いたいけど……どの豆を買おう?」と迷ったときには、次の3つの産地から選びましょう。
コーヒー豆の品種 | 産地 | 特徴 |
キリマンジャロ | タンザニア | キレのある酸味・濃厚なコク |
モカ | イエメン エチオピア | 見た目が不揃いであることが多い 酸味とコクのバランスが絶妙 苦味が強くなくスッキリとしている フルーティーな甘味と酸味 |
ブルーマウンテン | ジャマイカ | 「コーヒーの王様」と呼ばれる なめらかさ・酸味・苦味・コクのバランスが抜群 スッキリとした味わいと苦味を感じられる 奥深い甘みも併せ持つ |
キリマンジャロは、タンザニアのキリマンジャロ山で栽培されるコーヒー豆です(最近はタンザニア産のものはキリマンジャロと呼ばれることもあるのだとか)。キレのある酸味や、濃厚なコク、香りの高さが特徴です。バニラの香りと表現されることもあります。
モカは、イエメン産とエチオピア産のコーヒーです。モカ港から出荷されるコーヒー豆をモカと呼んでいます。モカは酸味とコクのバランスが絶妙なコーヒーです。フルーティーな甘味と酸味を味わえ、スッキリとしています。苦味が苦手な方も、楽しめるコーヒー豆です。
ブルーマウンテンは、ジャマイカで栽培されるコーヒー豆です。厳しい条件をクリアしたものだけが「ブルーマウンテン」として市場に出回っています。なめらかで口当たりが良く、酸味と苦味を一緒に感じられるだけでなく、奥深い甘みを味わえます。苦味と酸味の両方をバランスよく楽しみたい方におすすめです。
ほのかな酸味を楽しめるコーヒー豆10選をご紹介!
コーヒーの酸味を楽しめるコーヒー豆を10つご紹介します!酸味をしっかり感じるものや、ほのかな酸味を楽しめるものまでさまざまです。いろいろ試してみて、好みの味を見つけましょう。
スターバックス・ブレックファーストブレンド
引用:スターバックス公式サイト
まずご紹介するのは、スターバックスのブレックファーストです。シトラスの香りとコクのバランスが抜群と評判です。名前の通り、朝に飲んで、リフレッシュし、1日をスタートさせたくなります。
カルディ・キリマンジャロ
引用:カルディ公式サイト
コーヒー好きの方に人気のショップカルディー!質の良いコーヒー豆が、リーズナブルに購入できるのは魅力ですよね。カルディのキリマンジャロは、キレのある酸味を楽しめます。ただ酸っぱいだけでなく甘さも加わった、甘酸っぱさがあるため、さわやかな味わいです。一度、キリマンジャロを試してみたい方におすすめのコーヒー豆です。
ドトール・ゴールデンモカブレンド
引用:ドトール公式サイト
ドトールコーヒーからは、ゴールデンモカブレンドをご紹介!甘酸っぱさに、ナッツのような香ばしさがプラスされた奥行きのある味わいを楽しめます。酸味を活かしつつ、まろやかなコーヒーなので、酸味の強いコーヒーに慣れていない方にも向いています。
ドリームコーヒー・ケニア100%
引用:楽天市場
シトラス系の酸味が強く、香りやコクを一緒に楽しめるコーヒーです。コーヒーの酸味だけでなく、香りにもこだわりたい方に向いています。特にもともと酸味のあるコーヒーを好んで選び、いろいろな酸味にチャレンジしたい方におすすめです。
ロクメイコーヒー・ケニアカリンドゥンドゥ
引用:楽天市場
ロクメイコーヒーのケニアカリンドゥンドゥは、スッキリとした酸味を楽しめるコーヒーです。リフレッシュしたいときや、頭をスッキリさせたいときに特に向いています。ロクメイは豆選びや焙煎にこだわっており、酸味とともに、奥深い甘みも味わえます。酸味のあるコーヒーが好きな方だけでなく、甘味のあるコーヒーが好きな方にもおすすめです。
コーヒーバカの店・キリマンジャロ タンザニア産AA
引用:楽天市場
コーヒーバカの店からは、タンザニア産のキリマンジャロをご紹介。酸味だけでなく甘味が強いため、フレッシュでさわやかな酸味を味わえます。フルーティーさに、黒蜜のような甘さが加わった贅沢なコーヒーです。「酸味のあるコーヒーにチャレンジしてみたいけど、好きになれるか心配」という方にも向いています。
AGF・ちょっと贅沢な珈琲店キリマンジャロブレンド
引用:楽天市場
AGFのちょっと贅沢な珈琲店キリマンジャロブレンドは、日常生活の中で予算を気にせずに酸味のあるコーヒーを楽しみたい方にぴったりなコーヒー豆です。さわやかな酸味と、香りを楽しめます。スーパーでも購入できる気軽さも、うれしいですね。
東京コーヒー・キリマンジャロ
引用:楽天市場
東京コーヒーのキリマンジャロは、程よいシトラス系の酸味が楽しめるコーヒーです。味が濃く、コクや苦味、甘味も感じられます。酸味のあるコーヒーがあまり得意でない方でも、挑戦しやすいコーヒーです。
二シナ屋珈琲・キリマンジャロAA
引用:楽天市場
二シナ屋コーヒーのキリマンジャロAAはシトラス系の酸味と甘味を味わえるコーヒー豆です。酸味が強すぎず、スッキリとしています。豆本来の持つ甘さを感じられるため、砂糖を入れて飲む習慣がある方も、砂糖なしで飲めるほどです。酸味が苦手な方にもおすすめです。
土屋珈琲・エチオピアイルガチェフェ
引用:公式サイト
土井珈琲のエチオピアアイルガチェフェは、品質が高いと高評価を受けているモカです。
さわやかな酸味と、コク、苦味、香り、甘味が絶妙にバランスを取れた味わいを楽しめます。後味がスッキリして、雑味が残りません。特別な機会に、飲みたいコーヒーです。酸味が好きな方も苦手な方にもおすすめします。
まとめ
コーヒーの酸味は、コーヒ豆に独特の個性を与えてくれるために大切なものです。酸味と甘味、苦味のバランスが良いコーヒーは、さわやかなので、スッキリとした味わいになります。
同じ酸味にも、甘さが強いもの、酸味が強いもの、苦味と一緒に味わうものなど、いろいろな違いがあります。自分の好みの味わいに出会うまで、飲み比べてみるのもおすすめです。
今まで「酸味は酸っぱい」というイメージがあり苦手意識を持っていた方も、本当に美味しい酸味の味わいを知ると、ますますコーヒーの魅力にハマってしまう可能性も否定できませんよ。