お洒落キャンプで人気となってきたオイルランタン(ハリケーンランタン)
決して明るさが優れているランタンではなく雰囲気重視のギアではあるのですが、 それでもどうせ使うならできるだけ明るいオイルランタンを選びたいですよね。
そこで今回は、どんなメーカーの物を選べばいいのか、どんな使い方やメンテナンスをすれば明るく使えるのかご紹介します。
記事内でオイルランタンとハリケーンランタンという単語が入り乱れてますがご容赦ください、広義のオイルランタンの中のハリケーンランタンがあるのですが、最近のキャンパーがオイルランタンというとハリケーンランタンを指すことが多いので、私も両者入り混じって使ってしまってます。
オイルランタンの明るさってどの程度?
まだオイルランタン(ハリケーンランタン)を使ったことのない方のために、そもそもどの程度の明るさなのか簡単に説明しますと、ロウソク7本分くらいとなります(笑)
カンデラという明るさの単位があるのですが、1カンデラがロウソク1本分とされています。
英語で書くと同じcandle(キャンドル)ですからね。 有名なハリケーンランタンのフュアーハンド276のスペックが7カンデラなので、ロウソク7本分の明るさということになります。
私の実感としても、まずまず正しい表現なんじゃないかなと思います。
こちらの写真はテント内でハリケーンランタンだけを照明に使った様子で、かなり肉眼で見た明るさに近くなってます。
電池式のライトなどと比べるとかなり暗いという感じになりますが、テーブル上のカップなどを使う分には実用に耐える明るさとなります。
詳しくは照度計を使って明るさを調べた記事がありますのでそちらを参考にしてください。
(本当はテント内は火気厳禁ですので真似するのは自己責任でお願いします。)
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オイルランタンの明るさはどこで差が出るか
ロウソクのような単純な原理で灯りを作るハリケーンランタンですので、モデルによって何倍も明るさが変わるようなことはないのです。
それでも、多少の明るさに差が出ます。 その明るさの違いを作る大きくは要素はというと、大きくは次の3つです。
1.芯の太さ
出典:銀の船 芯の太さこそ一番わかりやすく、また一番差が出やすい要素です。
芯は4分芯(12mm)5分芯(15mm)7分芯(21mm)の3種類がメジャーな太さになり。
太い方が当然炎が大きくなりますからその分明るくなります
2.バーナーの性能
出典:銀の船
ここが安物とブランド物の違いが一番出る場所です。
私はメーカーの人間ではないので詳細な構造までは言及できませんが、ハリケーンランタンの特徴的な安定した形の炎を作り出すのがこのバーナー部分(細かくいうと下バーナーとドーム状の上バーナー)であり、 設計の良し悪しで気流の流れが変わり、安定した炎になるかそうでないか決まります。
じっさい日本で初めてハリケーンランタンを作った別所ランプも、当初フュアーハンドランタンを分解して、真似を試みてもうまくいかず、製品を作るのに数年かかったとのことなので、かなり微細な設計がされていると思われます。
3.ボディのカラー
これは私の経験的なところなんですが、光源が弱いからこそ、光源に一番近い本体ボディの光の反射量が重要になると思っています。
つまり、反射量の多い、シルバーやホワイトの方が周りに飛ぶ光が多いということです。
逆にブロンズや黒などの濃い色は当然光を吸収しますから、その分ランタン全体としての明るさが下がります。
これは車のライトも電球の周りが鏡のようになっていることからもご納得いただけると思います。
上の写真を見ても、シルバー色のランタンの方が、オイルタンク部分や、ホヤの横の「柱」のところに反射する光が強いのがわかりますね。
実際に夜キャンプで使用するとこの差って結構実感するものです。
オイルランタンを出来るだけ明るくするには
明るいランタンの選びのポイントを説明しましたので、つぎはハリケーンランタンをどのように使えば明るくなるかご説明します。
方法は次の3つです。
1.芯の出し加減
出典:銀の船 芯はつまみで調整きます。長く出せばその分炎が大きくなり明るくなります。
ただし長すぎるとススが出てホヤが真っ黒になってしまうので限界点があります。
一般的にバーナー(下バーナーの意味)から2ミリくらい出すのがベストと言われています。
では、芯の出し加減で実際にどの程度明るさが変わるのか、照度計を使って検証してみましたので紹介します。
上の写真 芯が短い状態にして測定すると16ルクスでした
次が芯をススが出ない最大限の長さにして測定すると39ルクスにアップしました どうでしょう2倍以上も差が出ますね!
もちろん短くすればその分燃費はよくなりますが、そもそもハリケーンランタンの燃料は灯油なので、非常にコスパが良く、点灯時間も余裕で10時間超えます。
また、明るすぎて眩しいなんてことはまずないので、基本的な使い方としてはススが出ないギリギリの長さまで芯を出すのが正解だと思います。
ここで一つ気になること、芯がすぐに燃え尽きてしまうのではないか?という心配される方がいるかもしれません。
でもそんな心配は不要です。 私はロゴスのランタンを20年使ってますが、たった1回しか芯交換していません。
灯油をしみこませずに芯だけ燃やさない限り、非常に長持ちするので安心してくださいね。
2.芯のカットの仕方
ハリケーンランタンを明るく使う2つ目のコツは芯のカット方法です。芯のカットの仕方で炎の明るさが変わります。
明るくするには丸い炎を作ることがベストです。理由は炎の面積が大きくなり、かつススが出にくく、安定するからです。
注意点は、ランタンの説明書にも書いてるのですが、芯の角が立っていると、炎も角も立ち、炎が横方向に伸びるのでよくありません。
ホヤ(ガラス部分)に局所的に熱ダメージが加わり割れてしまうことがあるからです
(私はそれで実際に割ったことはありませんが^^;) なので芯のカット方法は、角を落とす程度にわずかに芯の両サイドをカットするのが良いです。
逆に注意してほしいのは、芯をカットしすぎて鉛筆みたいに尖らせることです。
芯に合わせて炎の形も先細りになってしまいます。つまり炎の面積が小さくなる→暗くなるんですよ。
これネットでたまに見かけるんですね「炎が綺麗な三角形になった」とか言ってる人。でもこれ間違いです。
ハリケーンランタンの明るさの基本は”芯の太さ=炎の面積”です。それを鉛筆みたいにカットすると、細い芯にしてるのと同じになってしまいますのでご注意ください。
3.ホヤについたススを拭き取る
ハリケーンランタンを明るくする3つ目の方法は、ホヤについたスス汚れを拭くことです。
フュアーハンドやデイツなどの良質メーカーのランタンを正常に使っていれば、簡単にホヤがススで曇ることはないのですが、それでも長期間使っているとだんだん透明度が下がります。
すると当然光量が減るので、たまに拭いてやりましょう。
1.提げ手を持って、カンを指で引き上げる
2.濡らしたキッチンペーパーで拭く
3.汚れがしつこい時はアルコールを使う
4.透明度が復活!
提げ手を持ちがなら、カンを引っ張り上げるとホヤを取ることができます。
キッチンペーパーにぬるま湯をつけて拭けば十分です。 汚れが落ちにくい場合はアルコールを使うのがオススメです。
スス汚れが落ちやすく、ガラスにも手にも跡が残りません。消毒用でも燃料用でもどちらのアルコールでもOKです。
※くれぐれもホヤを落として割らないようにしましょう。とくにホヤをランタンに戻す時、無理やり押し込むとガラスが割れやすいので注意!
ホヤを磨いた時の実際の光量変化
では実際にスス汚れを吹いたら本当に明るくなるのか、照度計を使って確かめてみましょう。 まずは曇った状態そのままで測定!13ルクス
次に汚れを吹いてガラスをクリアにしてから測定!31ルクス
照度計を使って測定すると、やはりホヤを磨いて透明度をあげてやると明るくなることがわかりました。
磨く前は11ルクス、磨いた後は31ルクスと2倍以上の明るさとなりました。
オススメの明るいハリケーンランタンは?
以上のポイントを踏まえて、これまで10台以上のハリケーンランタンを使ってきました私が選ぶ、オススメのハリケーンランタンをご紹介します。
1位 フュアーハンド276(カラー:ジンク)
まあ、定番ですね。でも定番になるべくしてなっているから仕方ありません。具体的なポイントをあげると
何と言っても炎の安定性ですね、綺麗な丸い炎を維持してくれて明るいです。
風が吹いても耐えます。私が経験したところ風速9mで消えませんでした(風速計で測ったので確かです) パーツの動作。ホヤをあげる動作や、芯の調節つまみの硬さなど、固すぎず柔らかすぎず使いやすいです。
私の持っているスズメッキバージョンより、現行のジンクはマットな感じがして反射率は下がっていますが、でもまあ悪くはないですね。
メーカーいわくスズメッキより錆びにくいそうですが、ジンクが錆びた状態をみたことあるのでなんとも言えません(笑) 価格。
このスペックでこの価格4300円程度で買えます。コスパ良すぎだと思います。
2023年オイルランタンランキング!!
オイルランタンは部屋にあっても雰囲気が最高ですよね。今どのオイルランタンが人気なのか?ランキングしてみました。
2位 デイツ78(カラー:シルバー)
これは、フュアーハンドと比べてまったく劣らないと思います。ほぼ同スペック。価格が少し高いから2位にしました(5000円前後)。
明るさも同じ4分芯で、バーナーも性能も負けていません。むしろ明るかもしれません。
でも証明されました。 タンク容量も同じ340mlということです 全体的なパーツの作りはフュアーハンドより雑な感じがあります。
カラーでいうとフュアーハンド276ジンクがマットなシルバーなのに対し、こちらは光沢のあるシルバーで、明るいしかっこいいですね。
質感はペトロマックスのストームランタンと同じです。ストームランタンは価格が暴騰してるので今買うなら絶対こっちですね。タンク容量も上ですし。
3位 デイツ80
これは今までの2つと、別クラスの大型ランタンで明るいです。
芯が7分芯と2倍近い太さになってます。なのでスペック上明るさが上ということになります。私の体験状も明るいです。明るさと存在感を求めるならオススメします。
存在感がある。とにかく目立ちます(笑)地面置きが似合います。 ただし欠点もあります。
まず明るさ以上に燃費が悪い。正確な計測でなないですが2倍近く灯油を食う気がします。その分タンクも大きいですし、灯油自体が安いのですが、気になります。
あとは炎の形が綺麗な円形にならない、つまり芯の太さの割に明るくない。私の実感だと明るさはフュアーハンドの1.5倍くらいでしょうかね。
パーツの塗装が雑。ホヤを持ち上げた時に見える内部パーツの塗装がされてない部分があったり雑さを感じます(笑)
デカすぎて邪魔になる。存在感があることの裏の側面ですね・・・ペトロマックスより大きいです。
逆にオススメしないオイルランタン
これから購入を検討するビギナーの方に、逆にオススメしないハリケーンランタンに触れておきましょう。
それはいわゆるロゴスやキャプテンスタッグが販売している安物ブロンズランタンです。
フュアーハンド、デイツは炎が安定しており90〜100点の性能だとすると。
それに比べロゴスやキャプテンスタッグのブロンズランタンは60〜70点
でしょうか。さらに当たり外れが多く、ハズレを引くと30点です。 炎が小さいから暗い、煤が出てホヤが真っ黒になるから余計暗くなる、みたいな悪循環が発生します。
もちろん当たりであれば、独特のアンティーク感や、ホヤがすぐ曇る特性が逆に雰囲気が出たりして良かったりもします。
私が20年前に買ったロゴスのブロンズランタンがまさにそれでして気に入っています。アンティーク好きの人は買ってもいいでしょう。
でもある意味賭けになってしまうことを念頭においてください。
実際、写真のランタンはキャプテンスタッグのものですが、同時に3つ購入しましたが、2つはなんとか使えるものの、1つはすぐに真っ黒になってしまう問題児でした・・・。
それともう一つ、ペトロマックスのストームランタン(ストームランタンはハリケーンランタンのドイツ語です)も性能は悪くはないですけど、現在の暴騰した価格ほどの価値は特にありませんし、タンク容量が小さく常夜灯に適しませんのでオススメしません。
これを買うならデザインの近いデイツ78のシルバーをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか、ハリケーンランタン購入の参考になれば嬉しいです。ビギナーには最初に買うならフュアーハンドかデイツをオススメします。
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