キャンプ飯を思う存分楽しみたいキャンパーだけでなく、キャンプに行くときに絶対に持っていきたい道具の1つがクーラーボックスです。
ただ、ひとくちにクーラーボックスといったところで、容量や素材のバリエーションが豊富で、キャンプスタイルに合わせてどんなクーラーボックスを選べばいいのか、お悩みの方も多いかと思います。
特に、持っていける荷物にも限りがあるソロキャンプならなおさらです。
今回は、ハードタイプのクーラーボックスとしてはおそらく最小サイズになるであろう、コールマンの「クーラーボックス テイク6」をソロキャンプで使ってみましたので、使い勝手などを徹底レビューします。
かなり辛口のレビューにもなりますが、ご自身の利用シーンと比較しながら、どうぞ最後までお付き合いください。
小型ハードクーラー<コールマン>テイク6
出典:Amazon
キャンパーでなくても誰もがご存知であろう、アメリカのアウトドアブランド【Coleman(コールマン)】社が販売している、コンパクトハードクーラーボックスが「テイク6」です。
ハードクーラーとしてはおそらく業界最小クラスになるであろう「テイク6」の、まずは製品概要からご紹介します。
製品概要
出典:Amazon
- 本体サイズ(外寸):約28.5×20×18cm
- 本体サイズ(内寸):約23×25.5×13.5cm*
- 容量:約4.7L
- 重量:約0.8kg
- 素材:ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡ウレタン
- 実売価格:2,200円(Amazon販売サイトにて、2023年4月25日時点)
*内寸データに関しては、筆者が実測した数値です
初見の印象
今回は通販サイトのAmazonで購入しましたが、送られてきたダンボール箱を開けた瞬間の印象は、とにかく「小さっ!」というものでした。
いつも車で行くキャンプスタイルで、ソロキャンプでも比較的大きめの道具を持っていく傾向のある筆者としては、少々不安になるぐらいのサイズ感です。
Amazonによるレビュー
試しにAmazonのレビュー欄を見てみると、上位レビューには次のようなものが並んでいました。
出典:Amazon
出典:Amazon
上位レビューの中では1件だけソロキャンプでの使用レビューがありましたが、その他はほとんどキャンプ以外での使用例が多いようです。
少々不安の残るスタートですが、ひとまずは実際にキャンプに持っていって使ってみましょう。
【徹底レビュー】ソロキャンプで実際に使ってみた
さて、それでは「テイク6」をソロキャンプに持っていって、実際の利用シーンに合わせてその使い勝手を検証してみます。
よいところ
まずは、「テイク6」のよいところをご紹介します。
なんといっても、軽量コンパクトというのが「テイク6」最大のメリットなのではないでしょうか?
中身が空の状態であればこのとおり。
小指一本でぶら下げたとしても、全然問題なく支えられます。
また、そのサイズ感も先に紹介したAmazonのレビューにもあったとおり、「スクーターのメットインに入る大きさ」というのは大きな魅力です。
ソフトクーラーであればそういった製品も少なくはありませんが、保冷力が期待できるハードクーラーの場合、このサイズ・重量のクーラーボックスはそうそうないのではないでしょうか。
本来こうした使い方は推奨できませんが、ちょっと「テイク6」の上に腰をおろしてみました。
結果、完全に体重を預けてしまうのは少々不安な感じがしましたが、ちょっと腰をおろすぐらいではほとんど問題はなさそうです。
ただ、高さが18cmしかありませんので、椅子の代わりとして使うのはちょっとむずかしいかもしれませんね。
いい意味で予想外だったのは、その保冷力です。
「フタの部分は空洞で保冷力が弱い」というレビューもありましたが、実際に使ってみた感じとしてはほぼ問題がないように思われました。
撮影時は、日中の気温が23度くらい、夜は10℃前後まで下がる1泊の日程でしたが、初日の正午ぐらいに購入して入れておいた一般的な1kgのロックアイスが、翌朝8時ぐらいでもまだ氷のカケラが残っていました(溶けた水は飲料用に飲んでしまいましが)。
コンパクトかつ軽量、丈夫で保冷力も十分と考えると、実売価格2,000円ちょっとという価格で手に入るクーラーボックスとしては、かなり優秀な性能を持っていると考えられますね。
利用シーン次第では、かゆいところに手が届く一品になってくれるのではないでしょうか。
残念なところ
逆に、「テイク6」の残念なところをご紹介します。
なお、この残念なところに関しては、筆者のキャンプスタイルによるところもありますので、多分に個人的な主観が入っていますことをご了承ください。
まず、「テイク6」は公称どおり「350mlの缶が6本」しか入りません。
というか、「6」の由来はそこからきているのではと思うほど、350ml缶6本にぴったりサイズです。
ただし、高さもほぼぴったりなため、丈夫にも余白はほとんどありません。
ご覧のとおり、缶の上に氷を入れることも不可能です。
500mlペットボトルを入れるのであれば、横にして4本が限界でした。
350ml缶6本のときよりは周囲の余裕はありそうですが、それでも氷は入りそうにないですね。
実際、500mlペットボトル3本にしてみても氷は入りませんでした。
飲み物を冷やしておくための保冷剤は、よくスーパーなどでもらえる上図のような保冷剤を取っておいて、缶やペットボトルのスキマに入れて利用するのがいいかもしれません。
実際にソロキャンプで、350mlの缶を3本とつまみを3種類入れてみました。
きれいに収まりましたが、とても氷は入りそうにないですね。
氷を入れようと思うと、1kgの氷が2つでちょうどといったサイズ感でした。
正直、酒飲みの筆者としては少々物足りない容量としかいえません。
飲み物3本とおつまみでいっぱいになり、氷どころか肉や野菜を入れることもむずかしそうなサイズとなれば、個人的にはこれ1つで1泊のキャンプをまかなうことはできなさそうです。
氷ではなく薄型の保冷剤を使い、食材のみを保存するようにして、飲み物はキャンプ場の販売機などでまかなうというのであればいいですが、実際にはもう1つクーラーボックスが欲しくなります。
正直、サイズ感としては、例えば就寝時にテント内に持ち込む用のサブクーラーぐらいな考え方のほうがいいのかもしれません。
想定される利用シーン
では、「テイク6」の利便性がいきる、ベストな利用シーンとはどんなものなのでしょうか。
それは、購入者さんたちのレビューも合わせて考えたところ、ズバリ、長距離ドライブ時の車載クーラーではないでしょうか。
そのコンパクトなサイズ感は、助手席の足元に置いておいても余裕です。
氷1袋と350ml缶3本を入れた状態は、こんな感じです。
夏場の小さなお子さんがいる長距離ドライブで、高速道路上の渋滞などで休憩しようにもできない状態の時でも、こうした準備があれば安心ですね。
ただし、フタがしっかりと閉まる分、片手で開けるのは少々やりにくいため、助手席に置いておいて、走行しながら手探りで開けるのはむずかしそうです。
安全の面も考え合わせて、十二分に注意してくださいね。
手持ちのソロ用クーラーとの比較
さて続いては、「テイク6」とソロ用ソフトクーラーボックスを比較してみました。
今回使用したのは、筆者が保有しているソロサイズのクーラーボックス【AO Coolers(エーオークーラーズ)】の「キャンバスソフトクーラー12パック」と、【FIELD STATION(フィールドステーション)】の「ソフトクーラーバック」です。
AO Coolers(エーオークーラーズ)|キャンバスソフトクーラー12パック
11L
普段筆者がソロキャンプに出かける時に、メインで使用しているクーラーボックスが【AO Coolers(エーオークーラーズ)】の「キャンバスソフトクーラー12パック」です。
有効容量が11Lの製品ですが、ソフトクーラーとしては保冷力が抜群ということもあり、ソロ用ソフトクーラーとしては多くのキャンパーさんから絶大な人気を集めています。
上の写真でクーラーボックスの中に入っているのは、次のものです。
- 350ml缶×6本
- 500mlペットボトル×3本
- 1kg氷×1袋
11Lということは、数値的にも「テイク6」の2倍強の容量を持っているため、スペース的にもかなりの余裕があることがみてとれると思います。
実際、ここに先のおつまみと、1食分の肉や野菜ぐらいは入れることができるでしょう。
「キャンバスソフトクーラー12パック」の場合、上部のファスナーを閉めて、両端のバックルを下部に止めて内容量をしぼることで、より保温力を上げることができます。
ただし、この状態だと少し窮屈になりますので、先の材料はすべて入れることができますが、その他にはステーキ肉1枚ぐらいしかいれることはできなさそうですね。
筆者の個人的な感想なのですが、1泊のキャンプだとしても、昼からしっかりとお酒を飲んで、夜もおつまみと料理をしっかりと楽しみたいと思った場合、この容量でも少し物足りないというのが現状です。
とはいえ、そこまでお酒を飲まない人であれば、1泊キャンプ程度なら十分に使えるでしょう。
FIELD STATION(フィールドステーション)ソフトクーラーバック
続いては、随分前にホームセンターで購入したクーラーバックです。
外寸としてのサイズ感は、ほぼ「テイク6」と同じようなものだと思いますが、壁面が薄いぶん有効体積としてはもう少し大きそうですね。
350mlの缶を6本並べてみましたが、やはりほぼ同じ容量に思えます。
ただ、上部の余裕は「テイク6」よりはありそうです。
さらに1kgの氷を1袋入れて、ファスナーを閉めてみました。
かなりパンパンな状態とはなりましたが、一応フタは閉まりましたので、「テイク6」と比べると氷1袋分余分に入るようです。
とはいえ、保冷力では「テイク6」に劣るでしょうし、実質的な使用感はほど同等なのではないでしょうか。
ソロキャンプ用クーラーに求められる条件
本レビューの結論とすれば、「テイク6」は「お酒を飲まない人であればいいけれど、飲み物と食材の両方+氷を用意する1泊キャンプではちょっときつい」ということになりそうです。
では、一般的なソロキャンプで利用すると考えた場合、どのようなクーラーボックスを用意すればよいのでしょう。
本章では、ソロキャンプ用のクーラーに求められる条件を考えていきます。
キャンプスタイル
ソロキャンプ用のクーラーボックスを決める場合、まずは自身のキャンプスタイルを考えることが必要です。
- お酒は浴びるほど飲みたい
- キャンプ飯にはとことんこだわりたい
- できる限り荷物をしぼったキャンプが好きだ
などなど。あなたがどんなキャンプを楽しみたいかを考えなければ、適切なクーラーボックスを選ぶことはできないのです。
容量
出典:Amazon
どんなスタイルのキャンプが多いのかを考えたら、次は実際の容量を割り出していきましょう。
一般的に考えれば、1泊のキャンプなら10~15L、二泊なら15~20L程度あれば食材と飲み物を保存できますので、その数値を目安とするとよいでしょう。
それに合わせて、こった料理をつくりたかったり、お酒をたくさん持っていきたかったりというのであれば、プラスアルファの容量を選ぶことをおすすめします。
また、夏場のキャンプはどうしてもクーラーボックス内の温度上昇も高くなり、氷の量が余分に必要な場合もありますので、夏場のキャンプが多い人は少し余裕を持った容量のものを選んでおくとよいでしょう。
タイプと重量
足りないよりは余裕を持ちたいと考えて、容量の大きなクーラーボックスを選ぼうと考えることは多いはずです。
しかし、容量が大きければそれだけ重量も増え、持ち運びもかさばってしまいます。
また、ソフトクーラーよりもハードクーラーのほうがよりかさばります。
移動手段が車であれば、クーラーボックスが少々かさばっても問題はないでしょうから、食材の余裕をもたせたり、夏場の利用も考えたりすれば、少し余裕のあるハードクーラーがおすすめです。
逆に、徒歩やツーリングキャンプなど、持ち運べる荷物のサイズや重量に制限があるのであれば、高性能なソフトタイプクーラーを選ぶとよいでしょう。
ただし、タイプやサイズは保冷力に直結する要素ですので、その点も踏まえてご自身のキャンプスタイルと合わせたクーラーボックス選びを行ってください。
ソロキャンプにおすすめのクーラーボックス
ご自身のキャンプスタイルに合わせたクーラーボックスの選び方を考えていただいたところで、続いては「テイク6」に代わるソロキャンプにおすすめのクーラーボックスをご紹介します。
なお、ここでは「テイク6」に合わせて、3つのハードクーラーボックスを選びました。
コールマン|エクスカーションクーラー16QT
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まずご紹介するのは、同じコールマン製品で、「テイク6」の1つ上の容量を持ったハードクーラーボックス「エクスカーションクーラー16QT」です。
本体重量は1.8kgと「テイク6」の約2倍となりますが、容量は15Lと、約3倍となっています。
収納目安は500mlペットボトル16本で保冷力も1日と頼もしい数値となっていますので、筆者のようにお酒を山ほど持っていきたいキャンパーでもない限り、1泊であれば十分な容量を持ったたのもしいクーラーボックスだといえるでしょう。
STANLEY(スタンレー)|クーラーボックス15.1L
出典:Amazon
つづいて紹介するのは、【STANLEY(スタンレー)】のクーラーボックスです。
このシリーズは6.6Lのものと15.1Lのものがありますが、ここでは15.1Lの製品をご紹介します。
このシリーズのクーラーボックスは、フタにもしっかりと断熱材が使用されており、保冷力は抜群です。
しかも、片手でも扱いやすいラッチ(留め具)を採用しており、上部には取り外し可能なゴムロープがついているので、工夫次第で便利に使えそうですね。
また、通販サイトにて「座れる」と明記してあるとおり、頑強なつくりをしている点と、ワイルド感あふれるグリーン、ネイビー、ホワイト、ピュアブラックの4色展開されている点も大きなおすすめポイントです。
ORCA(オルカ)|ブラックオルカ20
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溶接や継ぎ目がない構造で、耐久性と密閉力にすぐれた信頼性抜群のハードクーラーが「ブラックオルカ20」です。
シックなブラックボディとオルカのしっぽを模したラッチなど、遊び心も満載で所有欲をくすぐるデザインは、ソロキャンプを存分に楽しみたいキャンパーにおすすめします。
背面にはメッシュポケットがついているので、ちょっとした小物を収納しておくのにも便利です。
特に、19Lという容量ながら、最長10日間ともいわれる圧倒的な氷保持力は、小型クーラーボックスとしては圧倒的な保温力といえるでしょう。
ソフトクーラーならAOクーラーがピカイチ
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3つのハードクーラーボックスをご紹介しましたが、1泊程度のソロキャンプに使用するクーラーボックスとしては、やはり筆者としては先にも紹介した「AOクーラー」をイチオシします。
容量、サイズ感、保冷力。どれをとってもソロキャンプのお供と考えた場合、ちょっと抜けてるのではないでしょうか。
もちろん、キャンプスタイルによって好みがわかれるかもしれませんが、豊富なカラーバリエーションを揃えている点を考えても、あらゆるシーンに合わせやすい「No.1ソロキャンプ向けクーラーボックス」は、「AOクーラー」なのではないかと個人的には思っています。
まとめ
本記事では、コールマンの「テイク6」のレビューをご紹介するとともに、ソロキャンプ用クーラーボックスの条件を考えてまいりました。
容量が物足りないという「テイク6」のデメリットは、そのまま「コンパクトで取り扱いがラク」というメリットにもなります。もちろん、それは逆もしかりです。
記事中でご紹介したように、車載クーラーの代わりにしたり、ちょっとしたピクニックのお供にするのであれば、このコンパクトさは抜群のメリットとなるでしょう。
筆者イチオシの「AOクーラー」にしても、他にご紹介したハードクーラーにしても、どれも一長一短はあるものです。
まずはあなたご自身のキャンプスタイルをしっかりと見極めた上で、ご自身にピッタリとあった最適な1台を選び出してみてください。