話題の”ワーケーション”をキャンプで出来ないか実験してみた!

今日は最近話題の言葉「ワーケーション」についての検証です。

ノマドワークとアウトドアが好きな私が、ワーケーションとキャンプのシナジーについて考察し、最終的に実際にキャンプ場でワーケーションしてみた様子をご紹介します。

自然の中で仕事してみると脳に新鮮な刺激が入り、生産性が上がる予感がしました。

なかなか面白い体験でしたので興味のある方は是非参考にしてみてください。

目次

ワーケーションとは

ワーケーションとは英語のWORK(仕事)VACATION(バケーション)とを組み合わせた造語で、リゾート地や観光施設で休暇を取りながら仕事をすることを言うそうです。

和製英語なのかと思って調べましたが、欧米のローカルも使ったりしているようで、どこの国が発祥の言葉なのかは不明ですが、アメリカでは2005年頃から使われてたらしいです。

会社を離れてリモートで仕事することなので、一見「テレワークやノマドとほとんど同じ意味じゃない?」とも思いましたが、

単純に「どこでも仕事できますよ」ってことじゃなくて、「休暇を楽しみつつ仕事する」ってところがミソのようです。

でこのワーケーション、政府も推進しようとしてるようです。

2020年7月27日の観光戦略実行推進会議で菅官房長官(次期総理?)が、”ワーケーション普及のためホテルなどのWi-Fi整備の支援に取り組む”旨の発言をされています。

どうやら政府にとってワーケーションの主たる目的は、コロナで大打撃を受けた観光需要を喚起することにあるようですね。

ワーケーションってどうなの?実現可能なの?

まあここまで調べておいてなんですが、「またお得意の横文字キャンペーンかよ」とちょっと冷めた目で見ている自分もいます。

2017年にも経済産業省がプレミアムフライデー(概要は:月末の金曜日は早上がりして飲みに行こうぜ!)を大々的に打ち出しましたが、けっきょく実施した企業は2.4%だけだそう(大阪シティ信用金庫調べ)

いつの間にか世間から忘れ去れている感じ。皆さんはいかがでしょうか?

ちなみにワーケーションに対する私の具体的な疑問は次の3つ

  • 遊びながら仕事なんてそんなんホントにできるのか?
  • 現場作業系の職種(飲食、医療、福祉、土木)の人はまず絶対に無理だよね
  • 出来る職種の人だとしても、その費用だれが負担するんじゃい!?

1番目は創意工夫でなんとか克服できそうですが、2番目は致命的、3番目はよほど巨大企業じゃないと費用負担なんてできませんよね。

というわけで「日本でワーケーションは普及しないかな〜」というのが私の今の正直な気持ち。

ワーケーションの実例を調べてみた。

と散々毒を吐きましたが、

美しいリゾートでカクテル飲みながら仕事するなんていう、ハリウッド映画の主人公みたいなシチュエーションに、憧れがないわけでない私。

ワーケーションの実例を調べてみました。

実例その1.スノーピークの「アウトドアワークスタイル」

最初はワーケーション環境を提供するサービス。

高品質なアウトドア用品を作っているスノーピークですが、2016年に「株式会社スノーピークビジネスソリューションズ」を立ち上げいたようです。私は全然知りませんでした。

事業概要をみると、研修事業、組織活性化ツールの開発、コンサルティングなどとなっています。要は従業員の生産性をあげる取り組みってことでしょうか。

わかりやすいのが「キャンピングオフィス」というもの。キャンプ場のタープの下でテーブルを広げてみんなでミーティングを行うともの。

出典:スノーピーク

いつもと違う大自然でリフレッシュした状態であれば、楽しくてコミュニケーションが活発になるのかもしれませんね。

なかなか面白い試みではないでしょうか。

実例その2.和歌山県「Wakayama Workation Networks」

今度は自治体の取り組みのお話。

ワカヤマ・ワーケーション・ネットワークス”英語だらけでかっこいいネーミングですね。

どんな取り組みかというと、ワーケーションしたい人へ向けて施設やサービスをまとめて紹介するというもの。

出典:和歌山県

施設でいうと、Wi-Fi環境の整ったカフェやコワーキングスペースが多数掲載されています。

アクティビティには農業体験やパラグライダー、白浜海岸で行うシュノーケリングなどがあります。

ただあくまでそういった情報提供が主軸にあるので、じっさいにワーケーションしたい人は、宿泊施設やアクティビティを自分で組み合わせる手間はあります。

また掲載されている旅館には、ロビーにしかWi-Fiがないものもあり、これをワーケーション環境と呼ぶのはどうなの??という感じもしましたので、「しっかり選ばないと使えないな」というのが私の正直な感想。

実例その3.JALのワーケーション社内導入

最後は、実際に企業でワーケーションをやってみましたよって話。

出典:DIO

なんせJALですからバケーションは得意中の得意分野。

もともとは休暇取得させる施策の1つとして始まったそうです。

わかりやすい説明があったので引用します。

例えば4連休で旅行を予定していた社員がいるとします。

しかし仕事の都合上、その4連休の2日目にどうしても出なくちゃいけない会議が急遽発生してしまいました。

今までだと、スケジュールを無理やり変更したり、旅行自体を取りやめたりしなければいけませんでした。

しかしながら、ワーケーションでは2日目に旅行先でリモートで会議に参加すれば、その時間を一部業務時間として認められます

つまり、休暇の一部の時間を仕事に充てて、あとは旅行を楽しんでくださいね、という制度になります。

本来の4日の休暇は取れなかったとしても、ゼロではなく、3日半は確保できることとなり、弊社の場合は休暇取得促進の観点からも導入をしております。

DIO:柔軟で多様な働き方の実現を目指す日本航空ーー「ワーケーション」浸透へのチャレンジ

なるほど。確かにこれならワーケーションをやる意味がありそうですね。

ここまで読んでみて思ったのは、やはりワーケーションで仕事が成立するのは、オンラインミーティングなどパソコンを使った仕事の人のみですね。

キャンプでワーケーションしたらどう?

ここまでワーケーションの実例をみてきましたが、どれも基本的には企業向けのサービスだったり施策だったりするので、総務人事の担当者でもない限り、1従業員レベルですぐにどうこうなるものではないでしょう。

個人で今すぐ導入したかったら、ぶっちゃけWi-Fiのあるリゾートホテルに泊まればワーケーション環境は成立はします。

でもその場合、費用は全部自分持ち。仕事環境づくりの一環としてはコスパ悪すぎです。

というわけで、ここからが今回のお題。キャンプでワーケーションやれないか?

スノピのサービスを個人でやっちゃうってことですね。

これのメリットはこんな感じ

  • 自然の中で気持ちをリフレッシュして仕事できる
  • ホテルよりずっと安い
  • 時間制限はない(チェックアウトまでいられる)
  • お気に入りの椅子やテーブルで仕事環境をカスタマイズする自由がある

なかなかいいじゃないですか!(自画自賛)

ワーケーションキャンプに必要そうなもの

では実際にキャンプでワーケーションするに当たって、必要なものや、あったら仕事がはかどりそうなアイテムをリストアップして行きましょう。

遮光性の高いテントorタープ

宿泊しないのであればテントはいらないと思います。

むしろ風通しが良くて、景色がいいタープが最適でしょう。(スノーピークの写真もタープでしたし。)

素材的には、赤外線を遮り暑さを和らげてくれるポリコットン性のタープが良いと思います。

長時間座れる快適なチェア

仕事するのに一番大切なのはチェアではないでしょうか。

とくに私みたいな腰痛持ちの方ならチェアの座り心地は超重要

意外とキャンプ用のチェアって、通気性が良かったり、クッションが良かったり普段づかいでも使える高性能なものが多いんですよね。

ポータブル電源

ワーケーションにはパソコンが必須。てことは電源が必須ですが、サイトに電源付きのキャンプ場ってまだ少ないです。

そんな時ポータブル電源があれば時間を気にせずパソコンを動かせます。

ポータブル電源は高性能なものが続々登場しており、車のバッテリージャンプや、ドライヤーが使えるようなパワフルなものまで出ています。

災害時にも使えるので1台確保しておくのもいいのではないでしょうか。

ハンモック

ワーケーションと言えばリゾート。リゾート言えばハンモック!

ハンモックに揺られながらノートパソコンを開く。憧れのシチュエーションですよね。

現在折りたたみのハンモックが低価格で出ていますので、キャンプで使ってみるのもいいのではないでしょうか。

ソロキャンプで有名な芸人のヒロシさんは、テントではなくハンモックで寝ていますからキャンプとの相性は折り紙付きです。

実際にキャンプでワーケーションしてみた

というわけで、必要なものはピックアップできたので、試しに実際に2回ほどキャンプでワーケーションをしてみました。

自然の中は騒音がないし、空気も綺麗なのでいつもの仕事環境とは全く違います。リラックスした精神状態で作業ができました。

1回目は森キャンプ

緑に目が癒されますし、木陰が多く穏やかな環境が魅力です。

この時は宿泊も兼ねてたのでタープではなくテントを使いました。

生地はポリコットン素材なので遮光性があります。

日陰の面積もカフェテラスのパラソルの2倍くらいの面積があり快適です。

チェアはアディロンダックのコットン素材のものをチョイス。しっかりしているので長時間座っていても快適でした。

今回はポータブル電源も用意したのでパソコンやiPhoneの電池切れの心配もなくてよかったです。

そんな感じで夕暮れまで5時間ほどのんびりワーケーションをすることができました。

2回目は海へ

やっぱりリゾートといえばビーチのイメージですので海も行ってきました。

ハンモックでのPCワークも試してみました。もちろん長時間ワークには向きませんが、リゾート気分を味わえて面白かったです。

クーラーボックスをすぐそばに置いておいて、いつでも冷えたドリンクを飲めるのはカフェより便利かもしれません。カフェより安いし!

チェアはカーミットのコピー、ハイランダーのウッドチェア。ロースタイルですが意外と腰が痛くならないのがいいですね。

残念ながらビーチにはWi-FiがなかったのでiPhoneのテザリング機能を使いました。通信量は気になったぶん、無駄にYouTubeを見る時間が減ったので良しとします。

結論:キャンプでワーケーションはアリかナシか?

というわけで私の初めてのキャンプワーケーションはまずまずの結果となりました。

良かった点

  • 街中のカフェにはない落ち着きと開放感で、リラックスして物事を考えることができた気がします。
  • 即席ではありますが自分好みの”オフィス”が作れるのも楽しかたったです。
  • カフェみたいに大勢の人がいないのでコロナの心配も少ないです。
  • 1番のメリットはコスパ。私の場合、キャンプ用品は最初から持っていたので、今回かかった費用はキャンプ場代が1000円、飲み物600円、お菓子が300円、ガソリン代が500円くらい、合計2300円。リゾートホテル行くお金があれば20回以上はできますね。ワーケーションキャンプはコスパ良すぎでした。

気になった点

  • まずは設営撤収の手間。これはやる前からわかってましたがかなり大きい問題ですね。今回の森キャンプは宿泊キャンプも兼ねてたので重装備になりましたが、軽装備でやることをオススメします。(無理やり前向きに捉えると気分転換と割り切れるかな・・・いや無理だな)
  • やはりですね。虫除け必須ですし、とくにアブとか危ない奴が飛んでくると戦闘態勢になるので一旦仕事が中断されます。虫が苦手な人は、開放感が下がりますがスクリーンタープを使ったほうがいいでしょう。
  • ビーチの場合、風が吹くと砂埃が舞うのでパソコンには絶対によくないです。

結論

近場にWi-Fiのあるキャンプ場がある方は一度やってみてもいいと思います。

ビーチでやる場合は砂埃の危険があるので、パソコンではなくiPadとか防塵機能のあるツールを使うことが前提となりそうです。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

ワーケーションという言葉自体はよく耳にするようになってきましたが、実際に会社や自治体が環境整備を整えてくれるのを待っていても、いつ実現するかわかりません

またリゾートホテルに泊まるのはとっても憧れますが、いっぱいお金がかかるので個人負担で実行するのは正直厳しいです。

その点キャンプでしたら、思いっきりリーズナブルに、それなりにリゾート気分で、実現することができます。

私もやってみて新鮮で面白かったですし、今回は1人でしたが、複数人でミーティングをしても「議論が活発になって面白いだろうなあ」と思いました。

ワーケーションの概念自体が面白いと思う人には、一度キャンプで試してみるのもいいのではないでしょうか?

以上参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

北海道の日本海を眺めながらアウトドアに関する情報を発信する「道産子アウトドア編集部」

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