最近では各社・各ブランドから、実にさまざまなスタイルの製品が発売されている焚き火台。
そんな数多くの焚き火台の中から、一体何を選んだら良いのか?特にキャンプを始めたばかりの方は悩んでしまうかもしれません。
そこで今回は、『ソロキャンプにおすすめのミニ焚き火台』にしぼって、軽量&コンパクトで持ち運びも楽ちんなミニ焚き火台を10選ご紹介します。
合わせて、ソロキャンプならではの焚き火台の選び方もご紹介しますので、良ければあなたのキャンプサイトを彩る、オンリーワンの焚き火台を選ぶ参考としてください。
ソロキャンプで焚き火は何のためにやるのか?
キャンプに行く目的は人それぞれですが、最近ではストレスいっぱいの日々の生活から離れ、ただ1人でのんびりと自然の中で過ごしたいと、ソロでキャンプに出かける方も多いでしょう。
そんなソロキャンパーにとって、燃え盛る炎をのんびりと眺めながら静かに楽しむことのできる焚き火は、まさにキャンプのメインイベントです。
ソロキャンプで使う焚き火台を選ぶ前に、まず考えておきたいのは焚き火の目的です。
通常考えられる焚き火の目的は、主に次の3つに分けられます。
・料理をする、お湯を沸かす
・焚き火自体を楽しむ
この内、料理をしたりお湯を沸かしたりするのは、バーナーで代用することもできます。
また、暖を取るのが目的なだけであれば、夏などは焚き火をする必要は無いでしょう。
しかし、多くの方が夏場でも焚き火を楽しんでいるのは、やはり『焚き火をすること自体を楽しみたい』からではないでしょうか。
これを踏まえた上で、ソロキャンプならではの焚き火台の選び方を考えていきます。
焚き火台とBBQコンロの違い
焚き火とは本来『薪(もしくはそれに準ずるもの)』を燃やす事をいい、BBQを楽しむ時によく利用する、『炭』を使った場合は焚き火とは言いません。
つまり、同じ直火を利用した器具でも、焚き火台とBBQコンロの2つはその用途も機能性も違います。
網を使って肉を焼くのであれば炭火の方が向いていますし、焚き火の炎で『(鉄板などを使わず)直火で』焼き物をするのは、実は案外難しいものです。
そのため、持っていける道具が限られてしまうソロキャンプで、もしも網を使って直火で焼き肉やステーキを楽しみたいとしたら、薪も炭も兼用で使えるタイプの焚き火台を選ぶのがよいでしょう。
軽量&コンパクト
ソロキャンプでは、バックパックの徒歩キャンプやツーリングキャンプの時だけでなく、車で行く際にも荷物はできるだけシンプルにまとめあげたいものです。
そう考えた場合ソロキャンプ用の焚き火台は、できるだけ軽量&コンパクトであるに越したことはありません。
軽量ということは、大きさとともに素材も問題となります。
一般的なステンレス製の焚き火台は比較的重く、チタン製の焚き火台は非常に軽量ですが、その分価格は高めです。
中には数枚のチタンプレートのみで構成され、収納状態のサイズもコンパクトな上、非常に軽量という焚き火台もあります。
ただし、組み立て式の焚き火台はコンパクトにまとまりますが、その分設営時に若干の手間がかかり、設営がワンタッチでできるような製品は、比較的収納サイズも大きいものです。
ソロ用の焚き火台の場合は、使用時のサイズだけでなく素材や組み立て方を踏まえて、重量や収納性を考えて選ぶのがよいでしょう。
調理のしやすさ
焚き火台の大きさや形状によって、調理のしやすさは大きく変わります。
ケトルを常時火にかけたまま、その脇で鉄板などを使って料理をしたいなどという時は、それなりに使用時のサイズが大きい焚き火台が必要です。
また、火どこが箱型(全面に風よけがある)形状の焚き火台は、炎が一箇所に集中するため火力が強く、フラットな形状の焚き火台は炎が分散して火力が弱い傾向にあります。
直火焼きのステーキなどを楽しみたい場合は、火どこの高さを調整して、炭火でも使えるようにできるタイプの焚き火台を選ぶのもよいでしょう。
組み立て・手入れのしやすさ
軽量&コンパクトな焚き火台の多くは、大抵が組み立て式を採用しています。
しかし、可能なかぎりコンパクトにしようとしたため、組み立て方が複雑になってしまった製品などもあり、設営に時間がかかりストレスを感じるということも少なくありません。
逆に各パーツが分解できない形状で組み立ては楽な分、薪の燃えカス処理や流しでの洗浄など、手入れがしづらいという製品もあります。
組み立てやすさと手入れのしやすさを両立した製品を選ぶことが、ソロ用のミニ焚き火台を選ぶ際の大きなポイントです。
機能性・拡張性
焚き火台を選ぶ際に意外に重要なのが、薪のくべやすさです。
網やゴトクを使って調理をしている時に、イチイチ網やゴトクをどけなければ薪がくべられないというのは、想像以上にストレスとなります。
また、ダッチオーブンなど重量物を使って調理したい場合などは、耐荷重も重要なチェックポイントです。
さらには、網やゴトク、ロストル(薪受け)などの付属品が付いているか、オプション品がどれだけ用意されているかなど、焚き火の機能性や拡張性に注目して選ぶことも、ソロキャンプ用のミニ焚き火台選びでは重要なポイントとなります。
ソロキャンプにおすすめミニ焚き火台10選
それでは、ソロキャンプにおすすめのミニ焚き火台を10選ご紹介します。
選定基準としては、おおむね次の点を重視しました。
②価格が手頃であること
③組み立てがあまり複雑すぎないこと
④多くのキャンパーに愛されていること
⑤汎用性が高いこと
なお、紹介順に関してはあくまで順不同となっておりますので、掲載の順番がおすすめの順番というわけではありません。
①STC:ピコグリル398
キャンプ系YouTuberで芸人のヒロシさんが使っているということで人気に火が付いた、今やソロ向けミニ焚き火台の代名詞ともいえるピコグリル。
あまりにも多くのコピー品が発売されるほど、シンプルな構造で多くのキャンパーに愛されています。
付属の串やケースを除いた本体重量はわずか365g、収納時の薄さ1cmという軽量コンパクトな点が最大の魅力です。
②ソロストーブ ライト
逆さまに収納されたゴトク部分をひっくり返してセットするだけという、実にシンプルな作りながら、直径11cmの円筒状で、わずか255gの軽量コンパクトなソロストーブ。
大きな薪は入りませんが、小枝や松ぼっくり、またはペレットなどを燃やして小さな焚き火を楽しむには十分な焚き火台です。
それでいて二重壁構造を採用した二次燃焼方式により、火力も高く調理も十分にこなします。
③笑’s B-6君
折りたたむとB6サイズにまとまり、100均などで売っているファイルケースに入るということで名付けられた、笑’sのB-6君。
漫画のゆるキャン△に登場したことでも知られ、一気にソロキャンパーたちの市民権を得ました。
脇から薪を追加できる構造で、小さな焚き火が楽しめるだけでなく、炭を使った1人用のBBQコンロにもなる汎用性があります。
豊富なオプションをそろえているのもB-6君の魅力ですが、写真の製品はグリルプレート&ハードロストルがセットになった商品です。
また、レギュラー品はステンレス製ですが、ワンランク上のオールチタン製も発売されています。
④DOD ぷちもえファイヤー
他社には無い独特のキャンプギアで人気のDODが販売する焚き火台です。
スチールテーブルまで含んでも22×7.5×14cmというコンパクトサイズなため、一度に入る薪の量は少しですが、二次燃焼スタイルを取っているためよく燃え、燃えカスもごくわずかで後片付けも楽ちん。
ちょっとした調理の際に便利なゴトクも付いているので、ロースタイルのソロキャンプでのんびり焚き火を楽しむにはピッタリの焚き火台です。
⑤DOD 秘密のグリルちゃん
こちらもDODの焚き火台で、その名も『秘密のグリルちゃん』。
火どこ部分がメッシュの網製になっているため、スタンドにくるくるっと巻いて収納でき、そのサイズは長さが30cm、太さはわずかに7×5cmとコンパクトになります。
元々バイクツーリングキャンプの醍醐味を活かす『ライダーのためのアウトドアギア』を標榜して作られた『ライダーズシリーズ』の1作のため、気軽にポケットに入れられるコンパクトサイズながら、設営の簡単さも魅力の焚き火台です。
火どこの耐熱性は約1,000度となっているため、備長炭など高火力の炭を使った場合でも安心して使用できます。
⑥SOTO ミニ焚き火台 テトラ
側面板4枚、ロストルと底板各1枚を組み合わせることでできあがる、8.8×8.8×7.9cmサイズでわずか125gのコンパクト焚き火台です。
小さな薪だけでなく、固形燃料やアルコールストーブの風防兼ゴトクとしても利用できます。
価格も安くコンパクトに折りたたんでおけるため、とりあえずキャンプ道具入れの端っこに突っ込んでおくのも良いですね。
少し大きめの側面板6枚タイプの『ヘキサ』も販売されています。
⑦コールマン ファイヤーディスク ソロ
専用ケースから出して、3本の脚を立てるだけでわずか3秒で設営が完了する、『カンタンすぎる焚き火台』です。
直径30cmのパラボラアンテナのような形状は、大きめの薪を利用することもできます。
普通に焚き火を楽しむだけでなく、耐荷重25kgという頑丈さを活かしたダッチオーブン料理や、付属の網を使った炭火料理まで楽しめる汎用性も魅力の1つ。
ただし、焚き火で調理をしたい時は、他社製のゴトクやトライポッドなどがあった方が便利です。
⑧バーゴチタニウム ヘキサゴンウッドストーブ
チタン製の商品を主に展開しているアメリカのアウトドアブランド『バーゴ』社製、チタン製ウッドストーブです。
6枚の側面板はヒンジでつながっているため、組み立ても楽ちん。
使用時は16×16×1.3cmサイズとして使えるにも関わらず、重量はわずか116g(本記事掲載ギアで最軽量)というウルトラライトギアです。
同じサイズでステンレス製の商品も展開しています。
⑨キャプテンスタッグ カマド スマートグリル B5型
数多くのメーカーからコピー品が販売され、既にスタンダードの地位を獲得したともいえるミニ焚き火台です。
『カマドグリル』の名のとおり、小さな焚き火を楽しむだけでなく、火どこの高さ調整ができる構造上、BBQグリルとしても使えるなど、汎用性の高い調理器具としても大活躍してくれます。
収納サイズはわずか27.5×18.5×4.5cm(本体のみ)という、まさにB5サイズのコンパクトさが魅力です。
⑩ユニフレーム 薪グリル ソロ
風防と火どこで構成され、3段階に高さ調節ができる頑丈なゴトクが付属した焚き火台。
その形状のメリットとして、輻射熱で手前側がより熱くなるため、冬場では暖かく、調理時は高温の火力を得ることができます。
また、同ブランドのBBQコンロ『ユニセラ』用の鉄板や、キャンプ用羽釜がジャストフィットするなど、とにかく調理には特化した構造となっているため、1人のんびり料理を楽しみたいソロキャンパーには間違いなくおすすめの製品です。
一緒にあると便利&楽しいギア
豊富な付属品が付いた焚き火台もありますが、そういったモノは一切ついていないという焚き火台も中には存在します。
しかし、いくつかのギアがあるとより焚き火が便利で楽しいものになるのも、また事実です。
ここでは、その中でも特に『あれば便利で楽しい』という観点から、一緒にそろえたいギアをご紹介します。
スパッタシート
フィールドにダメージを与えないために焚き火台の下に敷く、難燃性のシートです。地面から高さのある焚き火台でも、燃えカスがこぼれて地面にダメージを与えることも考えられるので、必ず用意しておきたいひと品です。
火どこ用受け皿
焚き火台の形状によっては構造的に灰がそのまま下に落ちるタイプのモノもあります。そうした焚き火台ではスパッタシートだけでなく、金属製の受け皿などがあると地面へのダメージを押さえられ、燃えカスの処理をする際にも便利です。100均のステンレスプレートなどで代用できます。
ゴトク
焚き火に調理器具をかけておく際、しっかりとしたゴトクがあると便利です。付属品や専用オプションが用意されていない場合でも、各社からさまざまな製品が発売されているので、ご自分の焚き火台にあった製品を探すのも楽しいものです。
ファイアスタンド
焚き火台そばの地面に突き刺し、調理器具をかけたりそのまま鍋を吊るして焚き火にかざしたりと、あると便利な製品がファイアスタンドです。鉄製の頑丈なスタンドがあれば、便利なだけでなく無骨キャンプらしい絵面でテンションも上がります。
トライポッド
3、あるいは4本の脚を組み合わせて、焚き火台の上部から鍋や釜を吊るすためのスタンドです。ソロキャンプの場合必須のギアとは言えませんが、常にケトルを吊るしておいたり、肉塊を直接吊るしておいたりと、映えるキャンプになることは間違いありません。現地で落ちている枝を拾ってきて自作するのも、ブッシュクラフトキャンプのようで楽しいですね。
ミニ焚き火台でソロキャンプを楽しみましょう!
ソロキャンプにおすすめのミニ焚き火台の10選をご紹介しました。
いずれも多くのキャンパーに愛される焚き火台ですので、どれを買っても後悔はしないはずです。
ただし、どの焚き火台を選ぶかは、ご自身のキャンプで一番の目的が何かによっても大きく変わります。
本記事で解説した焚き火台の選び方なども参考にして、あなたのキャンプリビングの中核をなす、素敵な焚き火台を選び出してください。