こんにちは。今日はお洒落すぎるオイルランタンE Thomas & Williams Ltdのマイナーズランプをご紹介したいと思います。
最近キャンプブームでハリケーンランタンが認知されてきたのに加え、ジブリの人気作「天空の城ラピュタ」で登場しているせいか、徐々にキャンパーの関心が増えてきた気がします。
https://twitter.com/truebluereview/status/1236115936987365378?s=21僕もオイルランタンの魅力にどっぷり浸かってしまい、これまでハリケーンランタンを数多く手にしてきたのですが、ここ1年くらいマイナーズランプがすごく気になる存在になってきました。
ただハリケーンランタンに比べるとと非常に高価で(このE Thomas & Williams Ltdはなんと27000円!!!)
明るさを得たいだけならもっと安くて実用的なLEDランタン等いくらでもあるので、興味はあってもなかなか手が出にくいアイテムなんですよね〜。
まあ、はっきり言うと贅沢品です^^;
キャンプ好きのお父さんが奥さんに内緒で買うと、あとで確実に怒られるやつです(笑)
今回ようやく念願叶ってマイナーズランプの中でもとりわけ由緒あるメーカーであるE Thomas & Williams Ltdのマイナーズランプを手に入れたので、
キャンパー目線で、魅力や使い勝手など詳しくレビューしていきたいと思います。
ラピュタでパズーが持ってるのもマイナーズランプ
天空の城ラピュタでパズーが持っていたランプと言えば「ああ、あれか!」と思い出してもらえるのではないのでしょうか?
https://twitter.com/truebluereview/status/1236115806926147585?s=21まるで水筒のような細長いボディが印象的な、ぱっと見なんだか素朴な感じのランタンですよね。
でも一見シンプルそうな構造の中に、ものすごい科学的知見が盛り込まれており、当時としては相当ハイテクなアイテムだったようです。
マイナーズランプの歴史
マイナー(miner)は”鉱夫”の意味なので”鉱夫のランプ”ということになりますね。
炭鉱では可燃性ガスにランプの火が引火して爆発事故が起こる危険があります。マイナーズランプはそれを回避する目的で開発された特別なランプとのことです。
※少数派や劣化版を意味するマイナーズ(minor)ではありませんのでお間違いなく。
ちなみにマイナーズランプは別名カンブリアンランタンとも言います。カンブリアンというのは調べたところ、ランプ発祥の地であるイギリス南ウェールズのカンブリアン地方という名前から来ているようです。
ところでランプorランタンどっち?
ここまで読んできた方は、すでにこんなモヤモヤを持たれたんじゃないでしょうか? 僕もずっと気になってたので調べてみました。その答えがこちら。
- ランプは固定されている
- ランタンは持ち手が付いており運ぶことができる
とのことでした(笑) なので広い意味ではランタンはランプの一種ということですね。あれ?でもマイナーズランプは持ち手が付いてますね。うーん・・・・謎です^^;
ちなみにもう一つカンテラという言葉もありますよね。調べてみました。
https://twitter.com/truebluereview/status/1236184702282690560?s=21カンテラはオランダ語のKandelaar、元の英語はキャンドル、燭台の意味。でもオランダではランプの意味で使われたそうです。
そして明治から大正にかけて日本でも、鉄道や海運などの労働現場で”カンテラ”が使われました。僕も年配の方がランタンを「カンテラ」って呼んでいた記憶があります。
うーん外国語って難しいですね(笑)
結論:ランプ、ランタン、カンテラ、自分の好きなように呼んでよし!
マイナーズランプの特別な機能
英語の文献を調べるとSafty lamp(安全灯)と記述があります。坑内のガス爆発を避ける安全灯として開発されたそうなんです。
ちなみにE.Thomas(エヴァン・トーマス)さんとWilliams(ウィリアムズ)さんの2人だけで発明したものではなくて、1815年頃から電気が発明されるまで100年近くの間、いろんな科学者や医者が、何年も改良を重ねて進化していったランプとのこと。
マイナーズランプの特殊機能
- ランタンの中に金属メッシュのフィルターがついており、炎が外のガスに引火しない構造になっている
- 坑道内の危険なガス(爆発性、有毒性)があると炎の色や、ランプ内の高さが変わって、危険ガスを探知できる
- ボディは柔らかい真鍮性なので岩壁にぶつかっても火花が出る危険がない
現在製造されているマイナーズランプは安全機能なし
現在製造販売されているマイナーズランプは、もっぱらレジャー用、観賞用なので、安全機能はありません。
そんな人はいないと思いますが、危険なガスが充満するような場所で使うことはできませんのでご注意ください。
蛇足ですが、鉱夫達はランプの明るさに不満に感じていたそうで、カバーを開けて爆発事故が起こる危険性があったそうです。そのため雇い主たちのために、簡単にランプのカバーを開けられないロック機構まで開発されたそうです。
電気のない時代は大変だったんですね〜。
E.Thomas & Williams Ltd製マイナーズランプの魅力とは
マイナーズランプの基礎知識のお話が終わったところで、ここからはE.Thomas & Williams Ltdの魅力や実際の使い方について紹介していきます。
マイナーズランプ自体作っているメーカーはわずかなんですが、その中でもE.Thomas & Williams Ltdは1860年から製造を続けている老舗です。
当時は鉱山事故王立委員会が推奨する4つのランプの1つとされ、現在も贈答品として王室に献上されるなどその品質の高さが評価されています。
真鍮性ボディが所有感を満たす
元々は岩壁にぶつけても火花が出ないようにと考えられて作られた真鍮製ボディ。E.Thomas & Williams Ltdのマイナーズランプは金属部がすべて真鍮でできています。
ずっしりと重くて、ハリケーンランタンとは別次元の存在感があります。明らかに高級感を感じます。
真鍮はハリケーンランタンのメッキ塗装とは違い、金属そのものの色なので、経年劣化(エイジング)を楽しめますし、サビは磨けば綺麗に元どおりになります。
メッキではなくて本物を持ちたい人にはE.Thomas & Williams Ltdをオススメします。
優れた堅牢性と耐風性
鉱夫達の命を守るために開発されたマイナーズランプの防爆構造。一見キャンプには過剰と思われるスペックなわけですが、じつはちゃんとキャンプで役に立つんです。
真鍮性ボディはもちろんですが、ガラス部分も金属フレームでガードされており、ハリケーンランタンと比べてかなり頑丈な作りになっていて安心感があります。
また、中の炎が外のガスに引火することを防ぐように設計されていますので、強風が吹き付けても安定して点灯しています。
また本体の重量があるため、実際風速10メートルの中で使ってもランプ自体が転倒しませんでした。
芯が平芯タイプで明るい
E.Thomas & Williams Ltdは質感もいいんですが、ギミックも優れています。
まず芯ですが、他のマイナーズランプは棒芯タイプを採用しているんですが、こちらはフュアーハンドなどハリケーンランタンと同じ平芯タイプの4分芯を採用しています。
炎の面積が大きくなる分、若干明るさが増します。※ただしバーナー構造はハリケーンランタンと異なるため、ハリケーンランタンよりは暗くなります。
外から消火&芯の長さを調整できる
ハリケーンランタンでは当たり前な芯の長さ調整ですが、JDバーフォートなど他のマイナーズランプでは一度カバーをすると、外から芯調節が出来ないんです。
芯が長すぎるとすぐにススが出てガラスが黒くなるので、これってかなり不便です。
でもE.Thomas & Williams Ltdはランプ底部に調節ピンがあり、外から芯の長さを簡単に調整できるので安心です。消火をするのも簡単です。
手入れが(割と)しやすい
あまりワクワクすることじゃないので、買うときは見過ごしがちなテーマなんですが、キャンプで快適に使うにはメンテナンスのしやすさってすごく重要です。
原始的なメカニズムのオイルランタンの場合は、加圧式ランタンのような機械的な故障の心配は不要ですが、その代わりスス汚れという避けては通れない問題があります。
ハリケーンランタンはホヤを外す機能があるので、ススで曇ったホヤを拭くのが簡単ですが、マイナーズランプはホヤが外れない構造なんですね。
とくにJDバーフォートだと、小さなボルトを5箇所外さないと手を入れることすらできないんです^^;
この点、E.Thomas & Williams Ltdは、燃料タンクを外した状態で、内側からホヤを拭けるので、マイナーズランプのなかではスス掃除がしやすいと言えます。
E.Thomas & Williams Ltdの点灯〜消灯手順
マイナーズランプの使い方を簡単に説明します
1.燃料補給:ボディからタンクを回して外し、さらに芯を固定しているリングを回して外して燃料を注ぎます。
2.点火:芯の長さを数ミリ出した状態でライターなどで着火、芯の長さをさらに微調整してススが出ないことを確認したら、ボディに戻します
3.消火:芯調節ピンを使って芯を下げて消化します
燃料は何を使う?
さてマイナーズランプの燃料ですが、灯油かパラフィンオイルを使います。
間違ってもホワイトガソリンは使わないようにしましょう!安全灯が爆発します(笑)
では灯油とパラフィンオイルのどちらを使うべきかなんですが、結論から言うとパラフィンオイルをオススメします。
灯油は圧倒的に安い
灯油(白灯油も灯油も同じものです)のメリットは何と言っても圧倒的な安さです! 2020年3月現在の灯油とパラフィンオイルの価格を比較してみましょう。
1L当たりの税込価格 | |
灯油(石油情報センター調べ | 99円 |
スターパラフィンオイル2L(Amazon) | 1320円 |
その差は13倍!! あまりに大きすぎる差ですね。この価格差だけを考えると絶対に灯油がいいに決まってます。
しかし灯油はススが出やすい
ハリケーンランタンの場合はそれほど重大な問題にならないのですが、マイナーズランプの場合、その構造のせいで、なぜかススが出やすいんですよ。
対してパラフィンオイルはススがまったく出ないわけではないのですが、灯油に比べかなりコントロールがしやすいです。
パラフィンオイルの謳い文句に出てくるフレーズで「灯油よりススが出にくい」は事実です。
オイルランプのスス掃除はかなり大変
https://twitter.com/truebluereview/status/1236116018625306624?s=21一度やってみるとわかりますが、マイナーズランプのスス掃除ってめちゃくちゃ大変なんです!!
- 指先や爪は真っ黒になって洗ってもなかなか取れない
- テーブルなど周りのものに汚れが伝染する
- E.Thomas & Williams Ltdはトップ内部に金属メッシュが入っていてそこにススがこびりつく
- マイナーズランプはパーツの分解があまりできないので掃除が面倒
マイナーズランプにはパラフィンオイルを
灯油のコスパは大変魅力的なんですが、マイナーズランプの場合は、掃除の手間を考えると、高くてもパラフィンオイルを使うことをオススメします。
E.Thomas & Williams Ltdは高価ですし、ススで汚すのはもったいないと思います。一度汚れると綺麗に落とすのは至難の業です。
不幸中の幸いとういうか、マイナーズランプの灯油消費量はハリケーンランタンより少なめなので、お財布への打撃が若干ですが和らぎます。
それでも、どうしても灯油を使いたい方は、火力を慎重に絞って火を灯しましょう。絞ればススが出なくすることはできます。でもこれがなかなか難しんですよね・・・
逆にハリケーンランタンは、フュアーハンドやデイツなどのメーカーものであれば灯油でも、適正な火力であればススが出ないので、キャプで使うなら迷わず灯油にしましょう。
マイナーズランプはキャンプで使うとどう?
さてここまでマイナーズランプの詳細を詳しくみてきたので、実地編、キャンプで使うとどんな感じなのか? 使えるのか使えないのか、カッコいいのか悪いのか(笑)詳しく見ていきましょう。
明るさは?
ランプの最大の目的は、灯りを得るためですね。ではマイナーズランプの明るさはというと・・・
残念ながらかなり暗い
ということになってしまいます。メジャーなハリケーンランタンと同じ4分芯を使っているんですが、構造的な違いがあるせいで、炎がハリケーンランタンのように広がりません。
写真を見てもらうとわかるように、同じ4分芯のデイツ78と比較すると明らかに炎が小さく暗いです。今回はどちらも同じ灯油を使ってますが、マイナーズランプは炎の広がりが小さく、色もオレンジっぽく見えますね、つまり暗いってことです。
まあ、なのでロウソクよりは少しだけマシといった感じでしょう。棒芯タイプのJDバーフォートなどはロウソクとほとんど変わらない明るさです。
じゃあどう使えばいいのか?
メインランタンに据えることはきっぱり諦めてください。あくまでムードづくりのためのランタンと考えたほうがいいです。
オススメはテーブルランタンとして使うことです。キャンプの狭い食卓ではコンパクトな点が長所となります。レストランでもテーブルにキャンドルを灯したりしますよね? あれと同じ感じです。雰囲気がグッとお洒落になります。
もう一つのオススメは焚き火周りにおくことです。その理由は・・・カッコいいからです!(笑)
真鍮製の頑丈なボディのマイナーズランプは、同じく金属でできた無骨な焚き火ハンガーなどと相性がいいです。まさに男のロマンですね。
それに頑丈なので、万が一、薪割りで薪の破片がぶつかっても、そう簡単には壊れないというのも理由の一つです。
ハリケーンランタンとスペック比較
オイルランタン購入を考えている人のために、ハリケーンランタンとマイナーズランプどちらが優れているか勝敗をつけると下の表のようになります
ハリケーンランタン | マイナーズランプ | |
明るさ | ○ | |
燃焼時間 | ○ | |
耐久性 | ○ | |
耐風性 | ○ | |
軽量性 | ○ | |
燃費 | ○ | |
掃除のし易さ | ○ | |
省スペース | ○ |
スペックはハリケーンランタン勝利
ということで、明るさや燃焼時間など、ランタンとしての重要項目は5勝3敗でハリケーンランタンが上。
マイナーズランプは耐久性と省スペースというくらいしか明確なスペックの優位性はありません。
高級感と存在感は最強
これはスペックとは言えないかもしれませんが、これこそがマイナーズランプを持つ最大の理由なんですよね。
ハリケーンランタン | マイナーズランプ | |
高級感(実際高い) | ○ | |
他キャンパーと被らない | ○ |
E.Thomas & Williams Ltdの価格は27000円くらい、ハリケーンランタンは定番物で3700円くらいですからの7倍以上も高いわけですが、その重厚で頑丈なボディを手に持ってみると「これなら納得かな」と思いました。
まとめ 購入迷ってる人にアドバイス
ここまで色々紹介してきましたが、最後にE.Thomas & Williams Ltd購入を考えてるのために人に、ポイントをまとめます。
キャンプで使うなら
- 丈夫なのでキャンプでちゃんと使えます
- マイナーズランプの中では明いですが、装飾用ランプと割り切りましょう
- 他のマイナーズランプより芯調節機能やメンテナンス性が優れています
- 燃料はパラフィンオイルを絶対オススメします
次のような方にはオススメしません。
- オイルランタンを買うのが初めて→まずはコスパの良いハリケーンランタンをオススメします
- 装備を出来るだけ軽量にしたい→1.18kgとずっしり!ハリケーンランタンの2倍以上も重いです
- メインランタンとして使いたい→暗すぎて絶対無理です
- 常夜灯として使いたい→燃料満タンで10時間、ハリケーンランタンの半分しか持ちません
終わりに
いかがでしたでしょうか、かなり長くなってしまいましたが、購入の参考になればと思います。
かなり高価なランタンですが、それにふさわしい高級感と存在感は持っていますので、品質重視の方なら満足できるのではないかと思います。間違いなく一生物のランタンになるでしょう。
以上、E.Thomas & Williams Ltdマイナーズランプのご紹介でした。