多くのキャンパーの間で大人気の新しい調理器具、「マルチグリドル」を知っていますか?
キャンプ飯に革命をもたらしたともいわれる一枚の丸い鉄板。マルチグリドルの本物といえば「JHQ」社のオリジナルですが、あまりに人気のためさまざまな「偽物」が世の中に出回っています。
マルチグリドルの本物と偽物にはどんな違いがあるのか?
マルチグリドルの偽物は買ってはいけない「ヤバい」ものなのか?
この記事では、マルチグリドルの人気の秘密を探りながら、本物と偽物の違いを検証していきます。
これからマルチグリドルの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マルチグリドルの本物はJHQだけ
出典:株式会社ジェイエイチキュー公式サイト
「マルチグリドル」の原型は、韓国発祥のサムギョプサルなどを作る調理器具に端を発します。
それを「鉄板マルチグリドル」という製品名で、家庭やアウトドアで手軽に使える調理器具としてはじめて世に送り出したのは、福岡県太宰府市に本社を置く「株式会社ジェイエイチキュー(JHQ)」です。
つまり、マルチグリドルの「オリジナル品=本物」といった場合は、JHQが製造する「鉄板マルチグリドル」だけだといえるでしょう。
JHQの「鉄板マルチグリドル」は、2023年9月現在、底が浅めの「フラットタイプ」3サイズ、深めの「ディープタイプ」1サイズの計4種類の製品を展開しています。
マルチグリドルが人気の秘密
出典:株式会社ジェイエイチキュー公式サイト
キャンプで利用する調理器具にはさまざまな形状・機能のものがあり、時代とともにその人気も移り変わってきました。
JHQが生み出したマルチグリドルは、ここ最近の流れの中ではもっとも大きなムーブメントを起こした調理器具だといってよいでしょう。
その人気の秘密は、主に次の3つに集約されます。
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持ち運びが楽チン
JHQの鉄板マルチグリドルは、厚さ約4mmほどのアルミ合金でつくられた持ち手がつけられただけの丸型鉄板です。
もっとも大型のものでも、重量約1kgという軽量で、直径約33cm(持ち手を含めば40cm)という指1本で軽々ぶら下げられるほどの、持ち運びにも楽なサイズ感。厚み(深さ)もフラットタイプで約2cm、ディープタイプでも約4cm程度ですので、車で行くキャンプであれば荷物の間にも気軽に差し込んでおけるサイズです。
万能料理器具として使える
出典:株式会社ジェイエイチキュー公式サイト
マルチグリドルは広い面積を持つ丸型の表面が、中央に向けてゆるく傾斜したすり鉢状の形をしています。
表面に施された特殊加工のため熱伝導率も高く、その形状と合わせてさまざまな調理方法に対応可能です。
- 焼く
- 茹でる
- 煮る
- 揚げる
しかも、熱源は焚き火からガスコンロだけでなく、IHコンロなどにも対応しているため、キャンプでも家庭でも使え、場所や熱源を選びません。
表面積の広さがあるため、複数の食材を同時に焼いたり、複数人で「鍋」として囲んだりといった楽しみ方ができるのも特徴です。
それだけでなく、そのまま卓上にお皿としてサーブできるスタイリッシュな形状は、まさに「万能調理器具」の名に恥じない調理器具だといえるでしょう。
手入れが楽で使いやすい
アルミ合金で作られたマルチグリドルの表面は、「イノーブルコーティング」といわれる高級硬質特殊フッ素樹脂加工が施されています。
この特殊加工はサビや傷に強いだけでなく、耐摩耗性にもすぐれているのが特徴です。
例えば、次のような特徴を持っています。
- 油を引かなくても食材が焦げ付かず、焦げ付いても水とスポンジだけでカンタンに落とせる
- ステーキなどをマルチグリドル上で直接ナイフで切っても、表面が傷つかない
- 鋳鉄製のダッチオーブンやスキレットでは必須のシーズニングが必要ない
などなど。
特に醤油やソースなどの焦げ付きですら、キッチンペーパーで拭き取るだけであらかたの汚れが落ちるなど、お手入れのカンタンさは特筆すべき点です。
マルチグリドルの本物と偽物の違いはどこにある?
出典:株式会社ジェイエイチキュー公式サイト
「本物」のJHQ製マルチグリドルに加え、現在さまざまなメーカーから「偽物」が販売されていますが、その違いはどこにあるのでしょうか。
本章では、「本物」のJHQ製「鉄板マルチグリドル」と他メーカーの「偽物」との違いについて深掘りします。
保証の有無
出典:株式会社ジェイエイチキュー公式サイト
JHQ製鉄板マルチグリドル4製品には、万が一の商品不具合があった場合に備えて、一年間のメーカー保証がついています。
これは、本物だけが受けられる安心の特典です。
ただし、他メーカーの「偽物=同コンセプト製品」だったとしても、そのメーカー独自の保証を設けている場合はあります。
それよりも問題なのは、本物のJHQ鉄板マルチグリドルの正規販売店以外で偽物の模造品を販売している怪しいアカウントのECサイトです。
中にはいかにも「本物のJHQ製鉄板マルチグリドル」を販売していると見せかけ、明らかな偽物のサイトもありますので十分に注意してください。
そうした怪しいアカウントのサイトでは、代金詐欺や個人情報の不正利用がおこなわれてしまう場合もあります。
こうした不正アカウントに関する注意喚起は、JHQの公式サイトでもおこなわれていますので、JHQの鉄板マルチグリドルを購入使用したい方は、同サイトで紹介されている正規代理店を使うようにしてください。
>>株式会社ジェイエイチキュー公式サイト「鉄板マルチグリドルの正規販売店について」
機能の違い
マルチグリドルは、そのあまりの人気ゆえに多くの偽物が出回っています。しかし、一口に「偽物」とはいっても、その性能や信頼性はさまざまです。
例えば、筆者は以前使っていた本物のマルチグリドルを手放したあと、とあるメーカーの模造品を購入しました。
その製品は何度かキャンプでも使用しましたが、特に問題となるような機能の劣化はみられませんでした。
しかし、本物に対するよいイメージがあったからかもしれませんが、なんとなくコーティングが弱いような気がしたのは事実です。
また、本物には裏にスリットがつけられているため、カセットコンロで使用した場合もゴトクにうまくはまって安定感がありました。ところが、偽物にはそれがついていなかったため、ツルツルすべってしまい若干使いづらいところもありました。
それ以外にも、製品によってはIHコンロでは使用できないという場合もありますので、模造品を購入する際は、表面加工の信頼性や細かい仕様などもしっかりと確認するようにしてください。
付属品の違い
本物のJHQ鉄板マルチグリドル「フラットタイプ」の中でももっとも一般的な直径33cmタイプには、赤いシリコン製の取手用ミトンが付属していますが、それ以外は収納ケースなどを含めてすべて別売り(他2サイズのフラットタイプには簡易な収納袋も付属)です。
これに対して、後発となる他メーカーのマルチグリドルは、収納ケースなどがあらかじめセットとなっている製品も少なくありません。
ただし、JHQの鉄板マルチグリドルでもディープタイプは、収納ケース、木製グリップ、鍋敷きがセットになっていますので、他になにも買う必要はないでしょう。
購入者の数
最近は、いろいろなメーカーがマルチグリドルの模造品を製造・販売しています。しかし、そのすべてが売れているわけではないでしょう。
正確な数値はわかりませんが、購入者の数はやっぱり正規品である本物のJHQ鉄板マルチグリドルが一番のはずです。
ここでは、その根拠としてECサイトに寄せられたレビューの数をご紹介しておきます。
一概にレビューの数、あるいは販売数の数がそのまま信頼性と直結するわけではありませんが、やはり一定の目安になることは間違いないでしょう。
「偽物」のマルチグリドルは使えない?
本物のJHQ鉄板マルチグリドルと偽物の模造品、その違いをある程度理解していただいたところで、本章では「偽物のマルチグリドルは使えないのか?」という観点に立って考えていきましょう。
実際、前章で紹介したカスタマーレビューをみてもわかるように、数でこそ本物が圧勝していますが、レビュー自体の評価は偽物も決して悪くないことがおわかりになるはずです。
まずは、本物と偽物の両方を使ったことがある筆者が感じた、「偽物が本物に勝っている点」を紹介した上で、「実際に偽物は使えるのか?」といったお話をしていきましょう。
偽物が本物に勝っている点
出典:楽天市場
偽物が本物に勝っている点、その一番は価格です。
当然のことながら偽物は本物に対して後発組になり、圧倒的な知名度を持ったJHQ製品に対抗する意図もあって、ほぼすべての模造品は本家の製品より安い価格で販売されています。
中には、半分以下の価格をつけている製品も確認できました。
また、本物のフラットタイプは取手用のシリコンミトンしか付属していないということは先述しました。しかし、その他のメーカーのマルチグリドルは、ほとんど収納ケースなどがセットになっている点は大きなメリットでしょう。
安く、さらにオプション品を購入しなくていいという点においては、間違いなく偽物マルチグリドルが圧倒的にすぐれているといって間違いありません。
また、本物は黒い製品しかありませんが、偽物は白い製品が販売されていたり、凝った意匠が施された製品があったりと、ご自身のキャンプスタイルやキッチンのスタイルに合わせて、好みのデザインを選べるのも模造品の特徴です。
偽物だって十分使える
では、本物と比較して偽物のマルチグリドルは使えるのでしょうか?
本物と偽物の両方を使用した筆者の独断と偏見にもとづいて、この問いに答えを返すとすれば、「YES」です。
もちろん、すべての偽物が使えるといったわけではないでしょう。
また、偽物を本物といつわって販売するようなECサイトで購入した製品は、その限りではないのは間違いありません。
それでも筆者が購入した偽物(販売価格は本物の半分以下で収納ケース付き)は、何回かキャンプで使用してみた限り、特に問題を感じることはありませんでした。
先にも述べたように、なんとなくコーティングが本物と比べて弱いような気がしたのは事実ですが、それでも実際の使用に問題があるようなことはありません。
何度も使用を繰り返した場合、段々と劣化していく可能性は否めませんし、本物のような一年間保証がついているわけでもありませんので、今後はどうなるかはわかりませんが、それでも価格が本物の半分以下でケースまでついているというのは、個人的には大きな魅力でした。
その他のもう少し高価な(それでも本物よりは安く付属品の多い)製品の場合、コーティングの質もさらに向上しているでしょうし、そういった製品を選べば「偽物だって十分使える」ということは、さらに保証されるのではないでしょうか。
まとめ~本物も偽物もマルチグリドルはキャンプ調理器具の革命
キャンプ飯の新しい可能性を広げ、すでに多くのキャンパーに受け入れられている大人気のマルチグリドル。この新しい調理器具は、まさに近年のキャンプ用調理器具の革命です。
JHQ製の「本物」鉄板マルチグリドルだけでなく、本来「偽物」であるはずの各後発メーカーの模造品も、その性能は本家に負けず劣らず十分に使用に足るものといっていいでしょう。
本物は信頼性、偽物はコスパ。この点を意識しさえすれば、あとはどちらを選ぶかは本人の自由です。
あなたのキャンプスタイル、ライフスタイルに合わせて、お財布事情を考慮しながら、ぜひこの革命的な万能鉄板を1枚手に入れてみてはいかがでしょう。
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