VENTURE JUMP(GOAL ZERO)のレビュー!モバイルバッテリー/ジャンプスターターを兼用

キャンプの交通機関といえば、自家用車を利用する人が多いでしょう。
ところで、キャンプ中に車のバッテリーが上がってしまったら、あなたはどうしますか?

管理棟や他のキャンパーも多いキャンプ場であれば、助けてもらえることはあるかもしれません。けれども、閑散期のキャンプ場や野営地など、他の車がいないような状況だったらどうでしょう?

ロードサービスもそうそう来れない人里離れた場所で、しかも積雪のある厳冬期などに車のバッテリーが上がってしまったら、ヘタをしたら命に関わる「まさに死活問題」です。

そこでこの記事では、そんな万が一の状況でもあなたの命を守ってくれるかもしれないお助けグッズ、ゴールゼロ社の「VENTURE JUMP(ベンチャージャンプ)」をご紹介します。
筆者が実際に使ってみた様子とともにレビューしますので、転ばぬ先の杖としてどうぞ参考にしてください。

目次

キャンプのバッテリー上がりは致命的

キャンプをするにはたくさんの道具が必要です。たしかに、ブッシュクラフトキャンパーやウルトラライトキャンパーなど、できるだけ荷物を少なくして、バックパック1つでキャンプ場へ行く兵キャンパーも少なくありません。
しかし、多くの場合ストレスなく荷物を運ぶために、交通手段として車を選ぶ人がほとんどではないでしょうか。

人里離れた野営地に踏み込んでキャンプをする場合でも、最寄り地までは車で行き、そこから先をザックを担いで徒歩で山に踏み入れることもあるはずです。

つまり、オートキャンパーに限らず、多くのキャンパーさんにとって「車」とは切っても切り離せない重要な「キャンプ道具」の1つといえるのではないでしょうか。

出典:【キャンプと車利用についての調査】キャンプに行く際の交通手段は「車」が8割以上/PR TIMES

実際、個人向けカーリースサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイル株式会社が2023年行った調査結果でも、実に75.0%もの人が自家用車でキャンプに行っていると答えています。

そんな重要な交通手段でありキャンプ道具でもある車ですが、バッテリーが上がってしまったらエンジンがかからず、宝の持ち腐れどころの話ではありません。

足となる車のエンジンがかからなければ、アウトドアのキャンプではまさに致命傷なのです。
「VENTURE JUMP(ベンチャージャンプ)」の詳細やレビューを紹介する前に、まずは車のバッテリーについてしっかりと学習しておきましょう。

車のバッテリーが上がる原因

車は、バッテリーに蓄えられた電力を使いスターターを回してエンジンがかかります。そのため、バッテリーが上がって(蓄えられた電力がなくなって)しまったら、エンジンがかからなくなってしまうのです。

通常、車は走行中にバッテリーの充電が行われるため、普段エンジンをかけていない車のバッテリーであれば自然放電により電力がなくなっていることがあるかもしれません。

しかし、それ以外にも突然出先でバッテリーが上がってしまう要因はたくさんあります。

  • 半ドアやライトの消し忘れによる放電
  • 端子のゆるみなど整備不良による放電
  • バッテリーの寿命

キャンプ場までは無事に到着できたのに、これらの要因でバッテリーが上がってしまうと途方に暮れてしまいますよね。

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ロードサービス出動理由No.1はバッテリー上がり

出典:JAF公式サイト

ロードサービスとしては国内最大の規模を誇る「JAF(Japan Automobile Federation):一般社団法人 日本自動車連盟」によれば、JAFに寄せられる救援要請の理由のうちもっとも多いのが「バッテリー上がり」だといいます。

上図はJAFの公式サイトに掲載されている2022年度の出動要請の理由とその件数・構成比をまとめた表ですが、車とバイクともに「過放電バッテリー(バッテリー上がり)」が1位になっているのがおわかりでしょう。

車に関しては、全出動要請のうち実に34.57%という数値が報告されており、ダントツの出動理由になっているようです。
それほど、車のバッテリー上がりは我々ドライバーにとっては身近なトラブルだといってよいでしょう。

冬場はバッテリーが上がりやすい

さらに困ったことに、冬場はバッテリーが上がりやすくなってしまいます。実際、先述のJAFのケースでも、冬場は他のシーズンに比べて出動回数が多く、バッテリー上がりが冬場によく発生するトラブルだということがおわかりいただけるでしょう。

では、なぜ冬場にはバッテリーが上がりやすくなるのでしょうか。それは、主に次の4つの理由にわけられます。

  • バッテリーの容量が下がる:バッテリーが蓄えられる電力の容量は、電解液の温度で大きく変化し、低温下では効率が悪くなってしまう
  • バッテリーの充電効率が下がる:容量と同様に低温下では充電効率が悪くなり、充電不足が起こりやすくなる
  • エンジンの始動時エネルギーが余計に必要になる:気温が下がるとエンジンオイルの粘度が高まりエンジン始動時の駆動抵抗が大きくなるため、より多くの電力がないとエンジンがかからなくなる
  • 電力を余計に使う:冬は寒く日照時間も少ないため、ヒーターを多用したりライトを使う時間が長くなったりと、電装品の使用料が増え余計に電力を使ってしまう

バッテリー上がりを防ぐ方法

冬場に限らず、バッテリーが上がってしまってエンジンがかからなければ、車は単なる鉄のカタマリです。
こんな状況を避けるには、ライトなどの付け忘れに気をつけること以外にもできる予防策があります。

1~2週間に1回は1時間以上走行する

バッテリーは、駆動するエンジンによって電気が充電されます。つまり、車がただ走行するだけで、自然にバッテリーは充電されていくのです。
ただし、バッテリーはなにもしていない状態でも、自然放電により少しずつ充電が減っていきます。

そのため、普段あまり乗っていない車はよりバッテリーが上がりやすくなってしまうのです。
どこかに出かける予定などなくても、少なくとも1~2週間に1度ぐらいはエンジンをかけ、ドライブがてらに1時間以上走行することで、つねにバッテリーを充電状態にしておくことができるでしょう。

容量や充電受入性(充電効率)の高いバッテリーを使用する

バッテリーにもさまざまな性能・価格の製品があります。より高額で、より高性能なバッテリーであれば、エンジンが発電した電気を短時間で効率的に本体に蓄えることができるのです。

そのため、普段からあまり車に乗る習慣のない方の場合、こうした充電授入性(充電効率)の高いバッテリーに交換しておくのも、バッテリー上がりの予防にはおすすめします。

定期的にバッテリー点検や交換を行う

バッテリーは、通常2~3年が寿命といわれています。
古くなったバッテリーは容量や充電受入性が著しく低下し、充電切れを起こしやすくなってしまうのです。
そのため、バッテリー取扱店などで定期的に点検を受け、つねにバッテリーの補充電や交換をおこなうようにしましょう。

また、充電液が減ってしまうとバッテリー上がりを起こしやすくなってしまいますので、同様に点検や補充をしっかりとおこなうようにしてください。

人気がないキャンプ地でバッテリがー上がったらどうする?

どれだけ予防をしたとしても、ついうっかり電気をつけっぱなしにしてしまうなどして、バッテリーが上がってしまうこともあります。
では、電気をわけてくれる他の車が近くにない人気がないキャンプ場などでバッテリーが上がってしまったら、どのように対処すればよいのでしょう。

ここでは、考えられる対策を紹介します。

ロードサービスを頼む

出典:JAF公式サイト

もっとも一般的な方法が、JAFなどのロードサービスに救援依頼を出す方法です。最近は、自動車保険の特典やオプションでロードサービスが付帯している場合もありますので、そうしたサービスを利用するのもおすすめです。
しかし、こうしたサービスになにも加入していない場合、ロードサービスを呼ぶだけでも高額な費用がかかってしまいます。

JAFの場合であれば、バッテリー上がり会員以外の一般利用料金は13,130円(2024年2月現在、バッテリー交換の場合のバッテリー代金は実費)もかかってしまいます。ただしこれは「昼間、一般道での応急始動作業」と定められているため、夜間であったり山奥であったりした場合は追加料金がかかってしまうことも考えられるでしょう。

ジャンプスターターを利用する

ロードサービスを呼ばずにバッテリー上がりを直す方法としては、バッテリーケーブルを使って他の車から電気をわけてもらう方法が有名です。

ただし、近くにそういう車が見当たらない状況でも、バッテリーを強制始動させる便利な道具があります。「ジャンプスターター」と呼ばれる道具で、車のバッテリーにつなぐことにより本体に蓄えられた電気を使ってエンジンの再始動を助けてくれます。

JAFなどのロードサービスを呼んだ場合でも、こうした道具を使ってエンジンを再始動してくれるため、過去にバッテリー上がりを起こしたことのある人であればみたことがあるかもしれません。

しかし、多くのジャンプスターターは上の写真のようないかにも「自動車修理工場で使っていそう」な無骨な見た目をしています。

それだけでなく、大きくかさばり重量もあるため、いくら転ばぬ先の杖だといってもキャンプにこんな大げさな道具を持っていくのは現実的ではありません。

出典:株式会社アスク公式サイト

そこで紹介したいのが、ゴールゼロ社が販売しているポータブルジャンプスターター「VENTURE JUMP(ベンチャー・ジャンプ)」です。

この製品は、上の写真のようなコンパクトなフォルムからは信じられない性能を持っており、これ1つでエンジンの再始動が可能になります。

次章では、いよいよ筆者が実際にVENTURE JUMPを使用してみたレビューを紹介しますね。

VENTURE JUMP使用レビュー

VENTURE JUMPを実際に使用してみましょう。
まずは、上の写真はどこかおしゃれなVENTURE JUMPのパッケージです。

バッテリー上がりの救世主VENTURE JUMP

VENTURE JUMPとは携帯型のジャンプスターターで、そのコンパクトな見た目にそぐわずしっかりとエンジンを再始動してくれます。
まさに、バッテリー上がりの救世主ともいえる存在ではないでしょうか。

VENTURE JUMP内容

パッケージをあけると、なかからは上の写真のような専用キャリーケースに入った商品がでてきました。
表面は手ざわりのよいジャージ素材のようなケースで、「GOAL ZERO」のロゴがクールに輝いています。

ケースを開いた中身はこのとおり。
内容物は、右から次のようになっています。

  • 本体
  • 本体充電用USBケーブル(Type-A to Type-Cケーブル)
  • ジャンパーケーブル
  • 取扱説明書

本体のサイズ感はこのとおりです。手のひらサイズよりはほんの少し持て余すぐらいでしょうか。
マットな質感のラバーガードでおおわれたボディは、無骨な業務用のジャンプスターターとは一線を画すデザインです。

重量は約497g(ジャンパーケーブル含まず)とややずっしりと重要感は感じるものの、これがジャンプスターターと考えると驚くほどのコンパクトさと低重量ではないでしょうか。

正直筆者としては「ホントにこれでバッテリーの上がった車のエンジンをかけることができるんだろうか?」と、少々不安に思わないでもありません。

VENTURE JUMPの使用方法

それでは、そんな不安を払拭するために実際にVENTURE JUMPを使用してみましょう。
この実験のために、筆者は友人に頼んで、愛車ジムニーJA-11Vに適合する古いバッテリー(当然充電残量はゼロ)を用意しました。

そして、実験する日を伺っていたのですが、おりしも首都圏で今年初の大雪の予報となった2月初頭のある日、予報通りの雪の中実験をはじめます。

ご覧のとおり、愛車のボンネットにもしっかりと雪が積もっているコンディションで、外気温は0度となっていましたが、体感温度はそれよりもさらに寒そうです。

VENTURE JUMPの使用推奨温度域は「-25℃~60℃」ということなので、なんの問題はないはずですが、通常であれば普通のバッテリーでもエンジンがかかりにくいコンディションで、まだまだ不安は拭えません。

とりあえず、取扱説明書に従って実際にVENTURE JUMPを使ってみましょう(バッテリーそのものは前日に古いものに載せ替えておきました。

VENTURE JUMPを充電する

まずは、事前準備としてVENTURE JUMP本体を満充電の状態にしておきます。充電はUSBケーブルを使っておこなうだけですので、特に難しいことはありません。

左側にある「BATT」というボタンを押したとき、4つあるインジケーターランプがすべて青く点灯すれば満充電されています。

上がったバッテリーにケーブルをつなぐ

まずは、先にジャンプケーブルをバッテリーに接続しましょう。このとき、先にVENTURE JUMP本体とジャンプケーブルを先につないでしまうと、その時点で電気が流れてしまうため危険です。必ず先にバッテリーとジャンプケーブルをつないだあと、本体を接続するようにしてください。

赤いクリップ(+:プラス)でバッテリーのプラス「+」側の端子をはさみます。
このとき、赤はプラス、黒がマイナスとしっかり覚えておいてください。プラスとマイナスの向きを間違えてしまうと、エンジンがかからないだけでなく危険ですので、十分に注意しましょう。

なお、実際にVENTURE JUMPを使ってエンジンを再始動させるときには、細かな条件や手順がありますので、必ず付属の取扱説明書をしっかりと読み込んで、記載されているとおりに作業するようにしてください。

次に、黒いクリップ(-:マイナス)でバッテリーのマイナス「-」側の端子をはさめば、バッテリー側の準備は完了です。

VENTURE JUMPにバッテリーケーブルをつなぐ

さぁ、実験開始です。ドキドキした気持ちを隠し、本体にジャンプケーブルをつなぎます。
向きに関しては差し込み口が左右非対称になっているため、まちがう可能性はありません。根本までしっかりと差し込んで、緑色のランプが点灯すれば準備完了です。

イグニッションキーを回す

準備ができたところで、いよいよエンジン始動です。
このとき、エアコンやライトなどのスイッチがオンになっていると、余計な電力負荷がかかってエンジンがかかりにくくなってしまいますので、必ずオフになっていることを確認しましょう。

ここまで確認したところで、イグニッションキーを回しました。車種によってはイグニッションボタンのこともあるでしょうが、外気温0℃で雪のふるなか、完全に冷え切っていた筆者の愛車ジムニーJA-11Vのエンジンは、あっさりと始動しました。

これは、ちょっとびっくりする結果です。正直、通常のバッテリーがつながった状態でエンジンを始動するときよりもスムーズにかかったぐらいでした(実際、そのあともとのバッテリーに戻してからふたたびエンジンを始動してみたときは、もう少し引っかかるような感じがしたものです)。

VENTURE JUMPを外す

あまりにあっけなく実験が終わってしまったので、あとは片付けるだけです。
まずは黒(マイナス)のフックを外します。

続いて、赤(マイナス)のフックを外し、ジャンプケーブルと本体を外せば完了です。

VENTURE JUMPを使ってみての感想

これで実験は終了ですが、あまりにあっけない結果に筆者としては少々拍子抜けしたぐらいでした。
VENTURE JUMP本体にしっかりと充電さえされていれば、手順もかんたんですしなれればものの数分で作業は終了するでしょう。

ちなみに、ジムニーのエンジンをかけたあとでもVENTURE JUMPのインジケーターランプは4つとも青く光っていましたので、さらに他の車のエンジンをかけることまでできそうです。
もっとも、そんな状況はほとんどありえないでしょうけどね。

モバイルバッテリージャンプスターター「VENTURE JUMP」

出典:株式会社アスク公式サイト

このように、手軽で便利で高性能なVENTURE JUMPですが、その機能はジャンプスターターだけではありません。
本章では、VENTURE JUMPの機能詳細を紹介しつつ、VENTURE JUMPの魅力にさらにせまっていきます。

VENTURE JUMPの製品概要

出典:株式会社アスク公式サイト

VENTURE JUMPの製品概要は上の表のとおりです。
推奨使用温度域の広さと、ジャンプスターターとしては非常に軽量コンパクトであるのが目につきますね。

VENTURE JUMPのメリット

出典:株式会社アスク公式サイト

では、VENTURE JUMPの魅力はどこにあるのでしょう。
ここでは、VENTURE JUMPのメリットをまとめてみました。

コンパクト

手に持った感じは「モバイルバッテリー」というには少々大きく、重量感もそこそこに感じます。
ただし、それもこれがジャンプスターターと考えれば十分に許容範囲でしょう。むしろ、ジャンプスターターとしてはかなり軽量コンパクトで、車のダッシュボードなどにも閉まっておくことができるのは、大きなメリットです。

完全防水でタフな設計

出典:株式会社アスク公式サイト

VENTURE JUMPのもう一つの魅力は、完全防水だというところです。これは、雨や雪のなかでも作業することが想定される、キャンプなどのアウトドアでの使用を考えると欠かすことのできないメリットです。

水にもっとも弱い端子部分には、このような塩ビのようなカバーがつけられています。

これが端子部分にピッタリとハマり、スキマをしっかりと埋めてくれます。
さすがに水に沈めて実験する勇気は筆者にはありませんでしたが、かなりしっかりとハマり込む感じがありますので、十分に機能を発揮してくれるのではないでしょうか。

おまけに、ボディは頑丈なアルミ製なうえ握りやすいラバーガードでおおわれていますので、耐衝撃性にもすぐれた堅牢設計なのも、タフな使い方が想定されるキャンパーにとってはうれしいメリットといえるでしょう。

多機能

VENTURE JUMPは非常に優秀なコンパクト・ジャンプスターターですが、その機能はジャンプスターターだけではありません。
その他にもさまざまな機能をもっているのは、VENTURE JUMPの大きな魅力です(各機能については次項で詳しく紹介)。

また、充電の方法もUSBケーブルを使用しているため、家庭のコンセントやパソコンなどの端子から充電できるだけでなく、ゴールゼロ社のソーラーパネルでも充電が可能ですので、まさにキャンパーにとってはうれしいジャンプスターターなのではないでしょうか。

VENTURE JUMPの機能

出典:株式会社アスク公式サイト

ここでは、VENTURE JUMPがもつさまざまな機能について、さらに詳しく各機能について説明していきます。

ジャンプスターター機能

1つ目はいわずとしれたジャンプスターター機能です。
このサイズでありながら、雪のなかでも一発でエンジンを始動することができるというのは、かなりうれしい機能ですね。
800Aのピーク電流をほこるVENTURE JUMPは、バイクや筆者の愛車のような軽自動車のバッテリーだけでなく、大排気量のRV車やSUV車、3.0Lのディーゼル車のジャンプスタートにも使うことができます。

モバイルバッテリー機能

VENTURE JUMPは、先述のように車一台のエンジンを始動したぐらいではほとんど減らないほど大容量のモバイルバッテリーでもあります。
10,000mAhのリチウムイオン電池を搭載しており、最大2.1A/18Wと、最大2.1A/10.5Wの2つのUSB Type-Aポートを装備しています。
メーカー発表のフル充電回数目安は、おおむね次のとおりです。

  • スマートフォン:3回
  • タブレット:1回
  • アクションカメラ:6回

懐中電灯機能

VENTURE JUMP本体のBATTスイッチを長押しすると、ライトが点灯します。
その光量は肉眼で直視するのにはちょっとキツいぐらいですので、アウトドアの暗闇でも懐中電灯として十分に活躍してくれるでしょう。
さらにうれしいのは、このライトは水のなかでも点灯します。その上、スイッチを押すたびに「点灯」→「点滅」→「SOS発信」と点灯・点滅を繰り返すので、人里離れた場所でキャンプをしたいワイルド派キャンパーの大きな力になってくれるでしょう。

VENTURE JUMPの市場価格

このような便利なVENTURE JUMPですが、気になるのはその価格ではないでしょうか。
ゴールゼロ社の正規輸入代理店「株式会社アスク」の公式サイトには、希望小売価格などは記載されていませんが、各販売サイトなどでは「定価16,800円」と紹介されています。

とはいえ、定価販売しているサイトのほとんどで品切れ状態が続いているため、ここでは、VENTURE JUMPの市場での実売価格がどの程度のものなのかをまとめてみました。

販売サイト価格(税込)
定価16,800円
楽天22,000円
スポーツオーソリティ22,000円
丸紅エネブル株式会社16,800円
UNBY GENERAL GOODS STORE18,480円
芸文社通販SHOP18,480円

2024年2月10日現在(筆者調べ)

ブランドは信頼のゴールゼロ社

出典:株式会社アスク公式サイト

VENTURE JUMPの販売元は、2008年アメリカのユタ州で設立された携帯用太陽光発電メーカーのリーディングカンパニーです。
創業者である企業家のRobert Workman(ロバート・ワークマン)氏は、自身の事業で成功を収めた後に、アフリカのコンゴでNPOとして活動しました。

その際、住民が電気のない生活をしている所を目の当たりにしたことを目にしたのです。
Robert Workman氏は、そんな電気を使えない貧困層をなくすことを理念としてゴールゼロ社を設立し、世界初のポータブル電源「エスケープ150」をリリースしました。

ゴールゼロ社の製品は、環境にやさしく、品質とデザイン、そして使いやすさにこだわった、高性能かつポータブルで拡張性が高いソーラー発電システムやポータブル電源を開発しています。
また、そのコンセプトや見た目と機能性を両立したデザインが絶大な人気を集めるなど、アウトドアやキャンプユーザーにもなじみにあるメーカーではないでしょうか。

なお、創業者のRobert Workman氏ですが、実はレトロ感のあるデザインながら最新のLEDランタンとして有名なブランド「ベアボーンズ」の創業者でもあるのです。


出典:ベアボーンズ社公式サイト

ベアボーンズのランタンは、現代の光量が多く明るいLEDランタンと比べると、ほのかな明るさでムードを重視しているように思われます。実際、そのデザインは自然の中のテントには非常にマッチしたもので、機能美とあいまって多くのキャンパーの人気を集めています。

しかし、ベアボーンズ社の特徴はやはりその理念にあります。
一般的にはあまり知られていませんが、ベアボーンズはもともとテントメーカーとしてはじまったブランドです。それも、骨組みが丈夫ないわゆる「鉄骨テント」に分類される数年間貼りっぱなしでも大丈夫なほどの耐久性をほこるテントが中心です。

このテントを、ベアボーンズはネパールやアフリカなどの被災地へ届けてきました。
ベアボーンズのLEDランタンも、ローモードだと満充電から100時間以上の継続点灯を可能にしているなど、エネルギーコストが非常に高いランタンです。当然、被災地などでの使用を考えれば、単に「明るい」というよりも「少ない電力で長時間点灯する」というのは、理にかなっています。

ゴールゼロの太陽光発電パネルとベアボーンズのLEDランタンを組み合わせることで、エネルギーのコストパフォマンスが高い環境が構築できるでしょう。

こうした、地球と人にやさしく、それでいてデザインと機能性にすぐれた製品を世に送り出し続けるゴールゼロ社とベアボーンズ社。Robert Workman氏が生み出した2つの人気アウトドアブランドは、こうした背景をもって世の中に貢献し続けているのです。

こうした理念のもとつくられているキャンプ用品だからこそ、そのことを知らないキャンパーにとっても魅力的な「アウトドアを快適にする道具」として受け入れられているのでしょう。

Goal Zero(ゴールゼロ)社の代表商品

太陽光発電メーカーのリーディングカンパニー「ゴールゼロ社」とはいえ、キャンパーたちに広く知られている製品といえば、コンパクトLEDランタンの「ライトハウス」ではないでしょうか。
そこでここでは、ライトハウスをはじめとするゴールゼロ社の代表的な商品を3点ご紹介します。

コンパクトLEDランタン「LIGHTHOUSE micro」

出典:株式会社アスク公式サイト

手のひらサイズのコンパクトなLEDランタンでありながら、最大150ルーメンの光量をほこる大人気ランタンです。
キャンパーの間ではこのランタンに取り付けるランプシェードを自作することが流行り、一時期は本製品そのものが品切れ状態を引き起こすぐらいのブームを巻き起こしました。

ソロキャンプであればメインのランタンとしても使えますし、グルキャンなどで一人ひとつずつポケットに忍ばせておけば、夜間のトイレなどで便利な懐中電灯にもなってくれます。

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モバイルバッテリー「Sherpa 100」

出典:株式会社アスク公式サイト

モバイルバッテリーとして名を馳せたゴールゼロ社は、今もさまざまなモデルのモバイルバッテリーを販売してます。
なかでもこの「Sherpa 100」は、同社のなかでも人気の高いモバイルバッテリーです。

約25mmの薄型コンパクトサイズでありながら、最大100Wに対応しているため、スマートフォンやタブレットだけでなく、MacBookやノートPCを充電することができます。

最大15Wのワイヤレス充電にも対応していますので、本体の上に対応したスマートフォンをおくだけで、ケーブルをつながずとも充電ができるのはうれしいポイントですね。

ソーラーパネル「Nomad 20 V2 Solar Panel」

出典:株式会社アスク公式サイト

海外の被災地支援でつちかった太陽光発電の技術をいかして、ゴールゼロ社では数々のポータブルソーラーパネルも販売されています。

なかでもベストセラーモデルである「Nomad 20 V2 Solar Panel」は、553×292×19mm(展開時)、190×292×32mm(折りたたみ時)という手頃なサイズでありながら、最大20Wの高出力ソーラーパネルです。
アウトドア向けに開発された同製品は、すぐれた耐久性と角度調整がおこなえるスタンドが装備されているため、太陽にあわせた位置調整も手軽にできます。

もちろん、本記事で紹介した「VENTURE JUMP」をはじめ、「LIGHTHOUSE micro」や「Sherpa 100」も充電可能です(「Sherpa 100」の充電時間は約7.5~15時間/晴天時)。

雪中キャンプや車中泊はVENTURE JUMPで安心・安全に楽しもう!

車のバッテリー上がりのときに便利な、モバイルバッテリージャンプスターター「VENTURE JUMP」を、実際の使用レビューとともに紹介しました。

人里はなれた野営地などでキャンプを楽しみ、いざ帰ろうと思ったときにバッテリーが上がっていたら大変です。しかも、それが雪中キャンプや車中泊であればなおさらでしょう。

低温下ではバッテリーの性能は著しく下がり、ちょっとライトを消し忘れただけでもバッテリーが上がってしまう可能性があります。

ましてや雪が降るなかでは、テントから車に避難しなければならなかったり、すぐに避難しなければいけない状況が生まれたりする可能性がないとも限りません。そこでバッテリーが上がっていたら目も当てられないでしょう。

山奥などで他の車やロードサービスすらすぐに受けられない状況でも、VENTURE JUMPがあれば安心です。
VENTURE JUMPを使えば、過酷な環境下でも一発で車のエンジンがかかります。
人里離れた野営地や、雪中キャンプや車中泊を楽しみたいワイルド派のキャンパーさんは、転ばぬ先の杖としてVENTURE JUMPをダッシュボードに忍ばせていってはいかがでしょう。

万が一の場合でも、VENTURE JUMPがあれば安心・安全にキャンプを楽しめますよ。
ただし、キャンプに出かける前にはVENTURE JUMP自体をしっかりと充電しておくことは忘れないようにしておいてくださいね。

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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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