ほんのり燻煙の香りが食欲をそそるベーコンは、キャンプ飯でも大活躍する便利な食材です。
そんな燻製ベーコンですが、意外と簡単に作ることができるのはご存知でしょうか。
キャンプでちょっと作るというほど短時間でできるわけではありませんが、仕込みだけ自宅で済ませておけば、キャンプ場で燻製だけ行うなんてこともできますよ。
そこでこの記事では、燻製ベーコンのおすすめの食べ方とともに、自家製燻製ベーコンの作り方を出来るだけ簡単なレシピでご紹介します。
おいしい自家製の燻製ベーコンで、キャンプ飯に新たなアクセントを加えてみてください。
燻製ベーコンはキャンプ飯におすすめ
ベーコンとは、豚肉を塩漬けした保存用加工肉の一種で、熟成・乾燥させたあとに加熱処理をして作られます。
似たような製法で作られる保存用加工肉にはハムがありますが、ハムとの違いは最後に燻製が行われることで、その際につく独特の燻製香が特徴です。
燻製ベーコンの食べ方|おすすめはベーコンステーキ
燻製ベーコンのおすすめの食べ方といえば、なんといってもシンプルなベーコンステーキです。
ベーコンを好みの厚さ(1~2cm程度)に切って、焚き火や炭火の直火、あるいはスキレットや厚手の鉄板の上でそのまま焼いてみてください。
燻製ベーコンにはもともと塩味などがついていますので、特別な調味料など必要ありません。
シンプルに焼いただけの燻製ベーコンを頬張れば、ジューシーで旨みたっぷりの味わいが楽しめますよ。
燻製ベーコンのおすすめの食べ方3選
シンプルなベーコンステーキが一番おすすめの食べ方ですが、せっかくのキャンプでは、もっと別の楽しみ方もしてみましょう。
ここでは、ベーコンをさらにおいしくしてくれる、おいしいベーコンの食べ方を3つご紹介します。
BLTサンド
BLTサンドとは、「B:ベーコン」「L:レタス」「T:トマト」の3つを具にしたサンドイッチです。
【用意する材料(1組分)】
- 食パン(6枚切り、ライ麦パンなどもおすすめ):2枚
- ベーコン(スライス):2枚
- トマト:1個
- レタス:2枚(大きめの葉)
- バター:適量
- 粒マスタード:大さじ1
【作り方】
- ベーコンをパンのサイズにあわせて切り、両面を焼き色がつくまで焼く。フライパンで焼く場合には油は使わない。
- トマトはヘタを取り、10~15mm程度の輪切りにする。
- 食パンを軽めのトーストにする。
- 食パン1枚にバターと粒マスタードの半数を塗る。
- バターとマスタードを塗った面にベーコン2枚、トマトスライス1枚、適当な大きさにたたんだレタス2枚をのせる。
- もう1枚のパンに残りのバターとマスタードを塗り、その面を下にしてレタスの上にかぶせる。
- 半分に切ればできあがり。
最初にパンを焼かずにサンドイッチを作ってから、フライパンで重しをかけながら両面を焼く作り方もありますが、その場合はレタスやトマトにも軽く火が入り、しっとりとした味わいに変わります。お好みの方法を選んでください。
ベーコンチャーハン
焚き火などの高火力で炒めるチャーハンは、キャンプ飯の主食としては定番のおいしいメニューです。
そのチャーハンに入れるベーコンを自家製ベーコンに変えれば、おいしさもひとしおですよ。
【用意する材料(1人前)】
- ベーコン:お好みの量
- 玉子:1個
- 長ネギ:1/4本
- ご飯:150~200g
- サラダ油、塩、コショウ:適量
- しょうゆ:少々
【作り方】
- 長ネギをみじん切りにする。
- ベーコンは好きなだけ1cm角に切る。
- フライパンを強火で熱し、サラダ油を入れ全体になじませる。サラダ油の量は、全体になじませたあとに少し中央にたまるぐらい。
- 玉子を割り入れ、素早く混ぜ半熟状になったら一度取り出す。
- サラダ油を追加して、中火でベーコンを炒め、ある程度火が通ったらネギを入れ軽く炒める。
- ご飯を加え、4の玉子を戻し全体が混ざるようにほぐしながら炒める。
- 塩コショウで味をととのえる。
- 鍋肌に1~2滴のしょうゆをたらし、焦がししょうゆの香りをつけたら軽く混ぜて完成
カリカリベーコン
アメリカンブレックファーストのように、玉子とトーストと合わせるのに最適なお供がカリカリベーコンです。
お昼のうちに作っておいて、夜のお酒のつまみにするのもオツですよ。
あわせる調味料に一工夫したり、サラダにあわせたりすれば、おいしさがさらにアップします。
【用意する材料】
- ベーコン:好きなだけ
- 水:適量
- あらびきブラックペッパー:適量
- メイプルシロップ:適量
【作り方】
- フライパンにベーコンが重ならないように並べる。
- ベーコンがひたひたになる程度に水を入れ、フライパンを火にかけ沸騰させる。
- 水が沸騰したら中火にし、水分が飛んだら弱火にする。
- 時々裏返しながら、両面に焼き色がついてカリッとするまで加熱する。
- 全体がカリカリになったら取り出し、キッチンペーパーの上におき油を切る
- 好みでブラックペッパーをふって食べる。メイプルシロップを軽く回しかけるのもおすすめです!
弱火にした時に、しみ出てくる油をキッチンペーパーで拭き取りながら作れば、油控えめのカリカリベーコンになります。
作り置きして冷めたモノもおいしいですよ。
豚バラを使った簡単な燻製ベーコンの作り方
それでは、豚バラのブロック肉を使った、簡単な燻製ベーコンの作り方をご紹介します。
下準備に時間がかかりますが、作り方そのものはそこまで難しくはありませんので、ぜひ試してみてください。
なお、より本格的に燻製ベーコンを作る場合には、本当はソミュール液という漬け込み液に漬けて作ります。
しかし、その作り方だと時間も手間も余計にかかってしまいますので、ここではもっと簡単なレシピにアレンジしてご紹介させてもらうことにしました。
より本格的な燻製ベーコンの作り方が知りたい方は、よろしければ次の記事もご参考としてください。
燻製ベーコン作りに必要な道具
燻製ベーコンを作るには、いろいろな道具が必要となります。
すべてを用意しなければできないわけではありませんし、代用の効く道具もありますが、ここでは一通りの道具をご紹介します。
燻製器(スモーカー)
燻製をする際には、大量の煙と匂いが周囲に充満します。
そのため、キャンプ場で作る際には問題ありませんが、自宅で燻製をする場合には、室内用の密閉度が高い燻製器(スモーカー)を用意するようにしてください。
ベーコンを作るには熱源と素材の距離が離れているほうがよりうまく燻製できますので、円筒形などある程度高さのある燻製器(スモーカー)をおすすめします。
燻製材(スモークウッド)
燻煙香のもととな燻製材です。
スモークウッドとは燻煙のもととなる木をおがくずのようにしたあと、板や棒状に固めたもので、直接火をつけて使用します。
スモークウッドの種類(木の種類)によってできあがりのベーコンの香りが大きく変わりますので、いろいろ試してみるのもよいでしょう。
初心者は、サクラを使用すればまず失敗はありません。
バーナー(ガストーチ)
カセットボンベ(CB缶)などに取り付けて使える、ハンディタイプのバーナー(ガストーチ)です。
スモークウッドに火をつける時に使用しますが、マッチやライターでは火力が弱く、スモークウッドが燃焼中に消えてしまうこともありますので、できればバーナーを利用してしっかりと着火することをおすすめします。
干しカゴ
ベーコンを作る過程で、何度か豚バラブロックを乾燥させる必要があります。
そんな時は、肉塊を浮かせておくために干しカゴがあると便利です。
100円ショップなどで売っている、食器用の乾燥カゴなどがハエなどの防御にもなるためおすすめですが、ボウルと網の組み合わせなどでも代用することはできます。
その他あると便利な道具
- まな板
- 包丁
- ボウル
- 密閉ビニール袋
- 脱水シート
- 使い捨てビニール袋
- キッチンペーパー
- バット
- ラップ
- アルミホイル
- ボウル
- 茶漉し
- 網やザル
- フォーク
など
燻製器がない場合はどうする?
専用の燻製器(スモーカー)がない場合でも、深型のフライパン、中華鍋、ダッチオーブン、ボウルなどでも代用することはできます。
代用鍋の底面から食材を浮かせておけるように網などをかまし、その上に同じサイズの鍋を逆さにしてあわせたり、アルミホイルでフタをしてもOKです。
簡単な燻製ベーコンの作り方
それでは、ここでは30~80度くらいの温度でじっくりと素材を燻(いぶ)す、「温燻(おんくん)」という本格的な製法の燻製ベーコンの作り方をご紹介します。
とはいえ、初心者でもできるだけ失敗しない、なるべく簡単な作り方のご紹介ですので安心してください。
所要時間
このレシピで作る燻製ベーコンに必要な作業時間は、約4日(96時間)です。
材料
- 豚バラ肉(ブロック):約500g
- 岩塩:35g
- 砂糖:12g
- ローリエ:1枚(細かくする、もしくは粉末を適量)
- 黒こしょう:10g
- その他スパイスやハーブ:お好みで
下準備
- キッチンペーパーで豚バラ肉全体の水分を拭き取り、調味料が内部まで浸透するようフォークなどで全体に数ヶ所を刺す。
- 肉の形を整える。
- 岩塩、砂糖、細かくしたローリエ、黒コショウをボールなどで混ぜ合わせ、肉全体にすり込む。凹凸の隙間なども念入りに行う。
漬け込み~塩抜き
- 下準備の終わった豚バラ肉をビニール袋に入れ、できるかぎり空気を抜く。
- 冷蔵庫で3日間寝かせて調味料を染み込ませる。その際、時々上下を返して、調味料が肉全体にまんべんなくいきわたるように注意。
- 漬け込みの終わった豚バラ肉を大きめのボウルなどにいれ、流水で3時間ほど塩抜きする。
- 端を切りフライパンなどで焼いて味見をしてみる。少し薄味だと感じるぐらいであればOK。味が濃すぎるようなら適宜流水を追加する。
乾燥
- 塩抜きが終わった豚バラ肉の表面を、キッチンペーパーでしっかりと拭き、干しカゴに入れ、風通しのよい日陰で4~5時間乾かす。
- 夏場は気温が上がりすぎて肉が腐ってしまう可能性もあるので、脱水シートに包んで冷蔵庫で半日ほど乾燥させてもよい。
温燻
- 燻煙器(スモーカー)に肉をセットする。
- 中段にも網がセットできるタイプの燻煙器(スモーカー)であれば、中段にアルミホイルを広げる(肉の脂がスモークウッドにかかって消えてしまわないように)。
- 上段の網に肉を並べる。もしくはフックで吊るす。
- バーナーでスモークウッドにしっかりと火を点け、底面におく。
- 途中でスモークウッドの火が消えないように注意して、60~80℃で2~3時間ほど燻製する(スモークウッドが足りなければ途中で追加)。
- 火が消えたら完成。そのままでも食べることができるが、粗熱が取れたあとラップで巻いて冷蔵庫で半日ほど熟成させるとさらにおいしくなる。
メスティンで作る「なんちゃって」燻製ベーコン
自宅でできて、キャンプで大活躍する簡単な燻製ベーコンの作り方を紹介しましたが、それでも時間はかなりかかりますし、下準備などはそれなりの手間がかかってしまいます。
そこでここでは、最近は多くのキャンパーが持っている、メスティンを利用してキャンプ場で手軽に楽しめる、「なんちゃって」燻製ベーコンの作り方をご紹介します。
短時間でOK!市販のソフトベーコンを燻製しよう
「なんちゃって」ベーコンとは、ズバリ市販のソフトベーコン(やわらかく燻製香が少ないタイプのベーコン)を使って、燻煙香を付け足して作るベーコンのことです。
この方法であれば、入念な下準備も、本格的な燻製器(スモーカー)も必要ありませんので、キャンプ場で簡単に作って楽しむことができますよ。
必要な道具
- メスティン
- メスティン用網
- ウッドチップ
- 熱源
- アルミホイル
作り方
- メスティンの底にアルミホイルを敷き、ウッドチップを散らす。
- アルミホイルを丸めて適当に並べ、その上に網が浮いた状態(できるだけ高く)になるようセットする。
- 網の上に市販のベーコンを並べ、メスティンのフタをする。
- ガスバーナーなどの熱源(中火)にメスティンをかける。
- フタの隙間から煙がもれ、燻煙香がしてきたらごく弱火にする。
- 燻煙香が消え煙が出なくなったら火を止める。
- フタを開け少し味見をして、おいしければOK。もう少し香りをつけたい場合はウッドチップを追加する。
市販のベーコンに燻煙香を付け足すだけの「なんちゃって」燻製ベーコンですから、作るのはほんとうに簡単です。
それでも、燻煙香とともにしっかり火も入っていますので、そのままおかずの一品になりますので、ぜひお試しください。
冷めても、ウイスキーなどのお供には最適なおつまみになりますよ。
また、一緒にチーズやウインナーなどを燻製にしても、楽しい夜が過ごせそうですね。
まとめ
キャンプ飯で大活躍する燻製ベーコンの、おすすめレシピと簡単な作り方をご紹介しました。
燻製ベーコンは、下準備に手間と時間はかかりますが、その価値に見合った極上の楽しみを与えてくれます。
とはいえ、燻製作業自体は煙と匂いもたくさん出ますので、自宅で燻製するのは難しいこともあるでしょう。
そんな時は、下準備だけ自宅で行っておき、燻製はキャンプ場で行うというのもおすすめです。
本記事を参考に本格的な自家製燻製ベーコンを作って、ぜひともキャンプ飯においしいアクセントを加えてみてください。