ソミュール液を使った本格的燻製ベーコンの作り方|お家で作ってキャンプで楽しもう!

キャンプでの大きな楽しみといえば、やはりキャンプ飯ですよね。
特に、焚き火で食材を炙って食べる焚き火調理は、キャンプならではの醍醐味です。
そんな焚き火調理やキャンプ飯で大活躍してくれる食材の1つが、じっくりと燻(いぶ)された燻製ベーコンではないでしょうか。
そこでこの記事では、自宅でソミュール液を使った本格的な燻製ベーコンの作り方をご紹介します。
もっとおいしく、もっと本格的な燻製ベーコンでキャンプ飯をワンランクアップさせたい方は、どうぞご参考としてください。

目次

本格的な燻製ベーコンはソミュール液が決め手


ソミュール液とは、ベーコンの味を決める漬け込み液のことで、簡単にいえばスパイスや砂糖などを混ぜ合わせた塩水のことを指しています。
基本のソミュール液は、水と塩、砂糖、スパイスがベースとなっていますが、ハーブやニンニク、しょうゆやみりんといった調味料を使うことで、より自分好みの燻製ベーコンを作り出すこともできるのです。
なお、塩漬け以外に味付けの目的をもたせた漬け込み液は、「ピックル液」と呼ばれることもあります。

基本のソミュール液レシピ

まずは、基本となるソミュール液のレシピをご紹介します。
ソミュール液の塩分濃度は基本で15%です。
ピックル液にする場合は塩分濃度は前後する場合もありますが、基本的なソミュール液を作る場合は、15%と思っておけば問題ありません。
この法則に則った重量バランスは、次のとおりです。

  • 水…1000ミリリットル
  • 岩塩…150グラム
  • 三温糖…70グラム
  • スパイス…少々(コショウやローリエなど)

ソミュール液のアレンジアイデア

基本のソミュール液だけでなく、アレンジ次第でオリジナルな燻製ベーコンを自分好みに仕上げることも可能です。
ただし、味付けによってはベーコンには合わない場合もありますので、ぜひご自身であれこれ試して、自分好みの味わいを見つけてください。
ここでは、ソミュール液のアレンジアイデアをいくつかご紹介します。

おすすめのスパイス&ハーブ

  • ブラックペッパー:基本となるスパイスで、ベーコンの味を引き締める
  • ナツメグ:ハンバーグなどに使われることの多いスパイスでほんのりとした甘みとスパイシーな風味
  • オールスパイス:いろんなスパイスをあわせたミックス……ではなく、フトモモ科の果実を利用した単一スパイスで、シナモン、クローブ、ナツメグをあわせたような深みのある香り
  • ブーケガルニ:スープやシチューのニオイ消しなどに使われる、香味野菜や各種スパイス、ハーブなどをひとまとめにしたもの。ティーバッグのような袋に入ったものが市販されているので、好みのブランドの製品を使うのもよい
  • ローズマリー:スッキリとした強い香りが特徴で、肉類との相性が抜群
  • ローリエ:月桂樹ともいわれるハーブの一種で、ほのかな甘い香りと苦味が特徴
  • 鷹の爪:ベーコンにピリッとした辛味をアクセントとして与えてくれる

入れるとおいしい材料

  • 調整済み調味料:マジックソルトやクレイジーソルト、あるいは最近はやりの「ほりにし」などのミックス調味料も、うまく使うとおいしく仕上がります。大抵の製品は塩分を含んでいますので、使用する量によって岩塩の量を調整して使う
  • ニンニク:スライスしたニンニクを入れれば、臭み消しと同時にボリューム感のある香りを与えてくれる
  • 玉ねぎ:玉ねぎをスライスして加えれば、まろやかで奥深い味に

水の代わりにウイスキーやワインを使う

ソミュール液に使う水の代わりに、ウイスキーやワインを使うことで、一風変わった大人な燻製ベーコンが作れます。
お酒を使った場合は、スモークウッドに一般的なサクラではなく、ウイスキーオーク(ウイスキーの熟成ダルを砕いて使ったもの)を利用するのもよいですね。

本格的な燻製ベーコンの作り方

それでは、ソミュール液を使った本格的な燻製ベーコンの作り方をご紹介します。
調理時間の目安は、192時間(8日間)プラスアルファです。
この時間のほとんどは漬け込み時間ですので、燻製を含めた実質の作業時間は1時間半ほどですので、最後の仕上げはキャンプ場で行うのもおすすめです。

豚バラ肉の下処理

使用する肉は、豚バラ肉のブロック(500g~1kg程度)を利用します。
軽く流水で洗ったあと、よく水気を拭き取ってから、肉全体にまんべんなくフォークを刺し、たくさんの穴をあけます。
これは、ソミュール液が肉の中心までしっかりと染み込みやすくするための下処理です。
穴あけ処理が終わったら、肉全体にまんべんなく適量の塩・コショウをすりこんだら、肉の下処理は完了です。

ソミュール液を作る

次に、ソミュール液を作ります。
ここでは、先に紹介した「基本のソミュール液レシピ」を参考としてください。
なお、スパイスは手軽に使える市販のブーケガルニを1袋入れると、初心者でも失敗する確率を減らすことができるでしょう。
作り方としては、すべての材料を大きめの鍋に入れ、中火でひと煮立ちさせたあと火を止め、粗熱が取れるまで放置します。

豚バラ肉をソミュール液に漬ける(1週間)

下処理をした豚バラ肉と、十分に冷えたソミュール液をジッパー付き密閉ビニール袋に入れ、できる限り空気を抜きながらしっかりとチャックをしめます。
この時、ブーケガルニの袋(ハーブやスパイスなどを利用した場合はそれら)もそのまますべてが袋の中に入るようにしてください。
この袋を冷蔵庫にしまい、1日1回中の肉の上下を入れ替えて、1週間ほど漬け込みます。

豚バラ肉の塩抜きをする

1週間の漬け込みが終わった袋を取り出し、中の肉をボウルに入れ、流水で塩抜きをします。
この時間は1~2時間ほどが適切ですが、1時間ほど経ったら一旦肉の端を切って、焼いて味見をしてみましょう。
塩味を強く感じるようであれば、そのまま流水の時間を延長し、ちょうどよくなるまで続けてください。
味の加減としては、ほんの少し薄いなと感じるくらいがベストです。

豚バラ肉を乾燥させる(1日)

出典:Amazon

塩抜きが終了したら、肉表面の水分をよく拭き取って、風通しのよい日陰で丸1日乾燥させます。
この時、アウトドアショップや100円ショップで手に入る、食器用乾燥カゴを使用すると、外に干した場合でも虫などを避けることができて便利です。
なお、夏場など気温が高すぎる季節は、腐敗を避けるためにも自然乾燥はさせず、吸水脱水シートに包んだ上で冷蔵庫に2~3日寝かせるようにしてください。
乾燥した肉は表面が飴色になってくるので、それを目安とします。

 

豚バラ肉を燻製する

出典:Amazon

燻製作業は、煙と匂いが周囲に充満しますので、自宅ではなくキャンプで作業するのもおすすめです。
また、燻製の方法は用意する材料や燻製器(スモーカー)の種類によって大きく2つに分けられます。
燻製材の種類は、サクラがおすすめです。

スモークウッドで行う場合

出典:Amazon

木をおがくずのように細かくしたものを、ブロック状にまとめたものがスモークウッドです。
スモークウッドの場合はガストーチなどで直接火を点け、スモークウッド自体が燃焼する事により、煙を発しながら熱源としても作用します。
なお、スモークウッドを使った燻製は主に「温燻(おんくん)」と呼ばれる製法になりますので、次に紹介するスモークチップを使った場合よりは少し時間がかかります。
スモーカーの上部に乾燥させた肉をおきフタをする
しっかりと火を点けたスモークウッドをスモーカー下部におく
1時間半~2時間ほど燻煙をかければできあがり

スモークチップと熱源を利用する場合

出典:Amazon

スモークチップは、木を細かく切り刻んだチップ状の燻煙材です。
細かい分燃えやすいため、直接火をつけるのではなく、金属製の皿や鍋などにチップを入れて、下からガスコンロなど別の熱源で熱して利用します。

  1. スモーカーの上部に乾燥させた肉をおく
  2. スモーカーの底部にガスコンロをセットする(ガスコンロの上にのせるタイプのスモーカーの場合は、製品の説明書に従う)
  3. 金属皿(なければ皿状にしたアルミホイル)にチップを並べ、ガスコンロの上にセットする
  4. ガスコンロを着火して、中火にする。あまり火が強すぎると、ベーコンではなく焼肉ができあがってしまうので注意
  5. スモークチップから煙が出始めたのを確認したら、スモーカーのフタをしめる
  6. 60~80℃ぐらいの温度を保ち、1~1時間半ほど燻煙をかければできあがり

ベーコンを寝かせる

キャンプ場などで燻製をする場合は、この段階でできあがりとして、そのまま食べたり、料理に使ったりしても問題ありません。
ただし、自宅で作る場合などは粗熱をとったあとラップで包み、冷蔵庫で一晩寝かせれば肉が熟成してさらにおいしくできあがります。

まとめ

燻製ベーコンの、ソミュール液を使った本格的な作り方をご紹介しました。
ベーコンは家庭でも、キャンプでも、そのまま食べても料理に使っても、大活躍してくれる材料です。
一見難しそうに思える自家製ベーコンづくりですが、漬け込みに時間はかかるものの、その手順はそこまで難しいわけではありません。
特に最後の仕上げの燻製は、キャンプ場でやるにはもってこいの作業です。
ぜひとも本記事を参考にして、本格的な燻製ベーコンづくりにチャレンジしてみてください。
なお、ソミュール液を使わないさらに簡単な燻製ベーコンのレシピも、次の記事でご紹介していますので、よろしければ一緒にご参考としてください。

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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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