今回はオイルランタン(ハリケーンランタン)のトップブランドである「フュアーハンド 」についてご紹介します。
メーカーのものをいくつか購入して使ってきましたが、全メーカーの中でもフュアーハンド が一番気に入っています。
そこでこれまでの経験を元に、燃料や、手入れの仕方、今年2020年に買うとしたらどんなモデルがオススメか?
などをビギナーの方にもわかりやすくまとめていきたいと思います。
また、大切なランタンを汚れや傷から守ってくれるランタンケースのおすすめをまとめた記事もございますので、是非参考にしてみてください!
フュアーハンドとは?
とりあえずドイツ語サイトなどさらっと歴史を調べてみました。
ドイツのハーマンニアー社が1914年に生み出した商標が「フュアーハンド」です。現在多くのキャンパーが使っているベビースペシャル276は「小さなランタン」というコンセプトで1932年から開発製造されてきたようです。100年近く同じデザインというのもすごいですよね。
第二次大戦中はドイツ軍への供給がメインだったようですが、いまでも各国軍隊で使用されているらしく、性能は折り紙付きですね。2006年以降、経営難で破産手続きなどを経て、2014年からはあのペトロマックスグループに買収されているようです。
2020年買うならどのモデル?
では今フュアーハンドのランタンを購入するとしたらどんなモデルを選べばいいのかを見ていきましょう。
歴史あるブランドなので、たくさんのモデルがあるんじゃないかと思われる方もいるかと思います。私も最近までそう思っていました。
ところが・・・
現在製造されているのはFeuerhand Baby Special 276のみ!
キャンプ用品店やAmazonなどで検索しても、ヴィンテージではなく現行モデルとして販売してるものは「ベイビースペシャル276」しか売ってないんですよね。
私は「日本に入ってきてなくても本国ドイツではいろんなモデルが売ってるだろう!」と思って探してみたんですが、けっきょく見つけることができませんでした。
そこでフュアーハンド公式サイトなどで調べたところ、どうやら1989年以降は「ベイビースペシャル276」しか製造されてないようでした。
同じハリケーンランタンメーカーのデイツだと様々なラインナップがあるので、この結果には少し残念ですが、見方を変えれば、それだけ完成されたモデルということでしょう。
どのモデルを選ぶか迷わなくていいというのは、ビギナーにはある意味嬉しいことかも知れませんね。
というわけでフュアーハンドのランタンはカラーリングで選びましょう。
定番のジンクはリーズナブル
「ベイビースペシャル276」にはたくさんのカラーバリエーションがありますが、一番リーズナブルなモデルは「ジンク」というカラーですが、これは亜鉛メッキのそのままの色だと思います。
以前はもっとキラキラした光沢の錫メッキ(すずメッキ)でしたが、現行のジンクのほうが耐食性が増しているとのことです。光沢は減りましたが無骨さは増しているので性能とコスパ重視の男性にはいいんじゃないでしょうか。
ちなみに2020/5/23現在、日本国内では3500円前後で買えるようで、品薄にもなっていないようですが、アメリカのフュアーハンドサイトでは欠品となっていますので今後はもしかしたら手に入りにくくなるかも知れません。(確かなことはメーカーの人間でないのでわかりませんが)
2023年オイルランタンランキング!!
オイルランタンは部屋にあっても雰囲気が最高ですよね。今どのオイルランタンが人気なのか?ランキングしてみました。
カラーモデルは高いが可愛い。
「ルビーレッド」や「ピュアホワイト」などのカラーモデルは亜鉛メッキにカラー塗装したもので、ポップな雰囲気で可愛らしく、インスタとかでも女性キャンパーに特に人気な気がします。
ただしカラーモデルは価格が大幅に高くなります。
アメリカではジンクが25ドルに対しカラーモデルは35ドルです。2020/5/23現在のレートで換算するとそれぞれ2690円と3760円。
ですが日本での実売価格はジンク3500円に対して、カラーモデルは安くても5000円以上の値段がついています。性能はジンクと変わらないのにかなり高い印象です。
このサイトの表紙はブラックモデルを紹介していますが、もしキャンプでより実用的なモデルを求めるのならば、シルバーやホワイトなど光を反射しやすいカラーが明るくてオススメです。
ブロンズやブラス(真鍮)はさらに高いが渋くてカッコイイ!
カラーモデルの中でも、メタリック塗装のものは渋くてカッコよく、男性には人気ですが、さらに高いです。アメリカでは45ドルですが、日本では安くても6000円以上で販売されています。
ちなみにカラーは、「ブロンズ」と「ブラス(真鍮)」と「スパークリングアイロン」という3種を確認できました。
ブラスは本物の真鍮ではなくてあくまでもメッキです。人気のためか欠品が目立ちます。公式サイトのラインナップから外れているので廃盤になったかもしれません。
個人的にはブラスを買うなら本物の真鍮製のマイナーズランプ(カンブリアンランタン)のほうがいい気がします。
この中なら私はブロンズをオススメします。2000円くらいで売ってる安物のブロンズランタンは性能に問題アリなので、ブロンズカラーが好きならフュアーハンドにしましょう。
中古やビンテージを買うのはどうなのか?
では次に、新品ではなく、中古やビンテージを買うのはどうなのか考えてみましょう。
まず、ジンクであればさほど高いものではないので、中古でなく新品を買ったほうがいいと思います。
つぎにカラーモデルにですが、これは4000円以下なら、私的にはアリかなと思います。ハリケーンランタンは構造が単純なので故障は少ないと思いますので、外観である程度チェックできます。
ただし燃料漏れがないことだけは売主に確認しましょう。
つぎにビンテンージですが、現在はベイビースペシャル276しか製造されていませんから、もっとレアなランタンも欲しくなるかもしれません。私が購入したビンテージのフュアーハンドの使用感などや現行モデルとの違いなどをご紹介します。
こちらフュアーハンドNr.323というモデル。大正時代に大阪の宮崎商店がフュアーハンドに製造依頼したものようで、のちの日本製ハリケーンランタン誕生のきっかけになった歴史的な製品とのことです。
燃焼した空気をパイプを通してそのまま燃料タンクに送るホットブラストという機構は、昔の精製度の悪い灯油でも点灯できるメリットがあるようです。現行のベイビースペシャル246は冷たい空気を混合したコールドブラストという機構になっています。
使った感想ですが
見た目通り全体的にサビており、タンクから灯油が滲んだり、バーナーなどの金属部の錆びに灯油がしみてバーナ自体に火がつくこともありました(笑)その他、ベイビースペシャル276に比べると耐風性も弱く、上の写真のようにススも出やすいです。
ビンテージで私が使ったモデルは他にも1つありますが、キャンプで実用するのはそれなりの覚悟がいります。サビの酷いビンテージはキャンプにはオススメしません。
フュアーハンドで使う燃料は何?
つぎにランタンの燃料についてご紹介します。
ハリケーンランタンの燃料は基本的に灯油で大丈夫です。白灯油と記載があるものがありますが、ガソリンスタンドで売っている灯油が白灯油です。
ホワイトガソリンは爆発や炎上の原因になるので絶対入れてはいけません!
キャンプにはコスパ抜群の灯油
灯油の良さは何と言ってもコスパの良さ。つぎに紹介するパラフィンオイルとは比較にならない安さです。2020/5/23現在で1リットル73円ほど。対するパラフィンオイルは1リットル1000円ほど。パラフィンオイルより10倍以上もお得です。
よく灯油の欠点として、ススが多いと言われますが、フュアーハンドやデイツのような高品質のハリケーンランタンであれば、芯の出し具合を正しく使えばほとんどススは出ませんので安心してください。
臭いについては灯油ストーブと同じで確かに臭いはありますが、BBQやら焚き火の臭いや煙に比べたら些細なもので、気がつく人はほとんどいないので、これも安心してください。
家で使うなら臭いの少ないパラフィンオイルもアリ
灯油の他にパラフィンオイルというものがあります。ロウソクの成分に近くて引火点が高いので安全とされています。
灯油に比べ燃やしてもススが少なく、灯油独特のきつい臭いがしないので、家の中で使う場合はオススメです。商品名としては「レインボーオイル」がけっこう有名ですね。
灯油漏れの心配はあるか?
ランタンからの灯油漏れを心配する方も多いようなので触れておきます。私はこれまで10台近くハリケーンランタンを扱ってきましたが、正常な使い方をしていて漏れたことは一度もありませんので安心してください。
ただしハリケーンランタンのタンクは完全密閉でなく、もちろん芯を出すところは開いているので、ランタンを傾けたり倒すと灯油が漏れますので注意しましょう。
また上の写真のように入り口ギリギリまで灯油は入れるのも灯油漏れの危険がますのでやめましょう。
もちろん錆びたビンテージランタンは何もしなくても灯油がわずかに滲みることがあるので注意です。
灯油漏れより給油時の灯油こぼしに注意
タンクからの灯油漏れよりも頻繁に起こるのは、給油時に誤って灯油をこぼすことです。
灯油ポンプとか灯油タンク付属のホースでダイレクトに給油するのはNGです。ハリケーンランタンの小さな給油口には太すぎて、まず間違いなく灯油を入れ過ぎて大惨事になります(笑)
そこで下の画像のようなフューエルファネル(燃料用漏斗)を使う方法がメジャーです。
私の場合はもっと安くもっと簡単にしたいので、100均で売っているペットボトルに装着できる植物用の水差しを使っています。
片手で注げるし注いだ量も見やすいのでとても便利です。ペットボトルは少し分厚くて頑丈なものがオススメです。
フュアーハンドの手入れ方法
ハリケーンランタンで必要な手入れは基本的には2つだけでオーケーです。
1つ目は購入時の芯のカット
購入時の芯の先は繊維はほつれてボソボソになっていて燃焼が安定しないので綺麗にカットしてやります。
1.キャリングハンドルに親指を乗せて、中指でトップリングを上に持ち上げながら、右手で割れないようにホヤガラスを倒す。
2.バーナーセットを時計回りに回して外す
3.芯のぼそぼそをカット
4.さらに角を落として台形に成形
写真のように台形にカットすることでより炎が綺麗に安定します。四角形だと炎が横に広がりすぎ最悪ホヤ(ガラス)が割れることがあります。
この時三角形みたいに細くカットしすぎないように注意して下さい。炎の面積が小さくなり光量が下がります。
2つ目の手入れはホヤガラスの曇り取り
ベイビースペシャル276は安物ランタンに比べるとホヤガラスが煤けづらいのですが、さすがに何日も使っていると、だんだん曇ってきます。また、失敗して芯を長く出しすぎた場合はあっという間に煤がつます。
そんな時はホヤガラスの内側を、濡らしたキッチンペーパーや柔らかい布で軽く拭いて綺麗にします。
私は汚れ落ちと速乾性が高いので消毒用アルコールをつけて拭くのをオススメします。
芯が中に落ちた時の速攻レスキュー技!
最後にけっこうありがちなトラブル、芯が燃料タンクの中に落ちてしまった場合の対処方法をご紹介します。
とりあえずパーツを外す
まずは芯のカットの時の要領で、ホヤガラスもバーナーセットもすべて外します。給油口を開けると中に芯が見えていますね。給油口からレスキューします。
超簡単な針金ピックでレスキュー
このまま指では取れないので、芯レスキューピック(仮名)を作ります。
作り方は簡単。下の写真のように針金を曲げるだけです。
ポイントは先端が給油口に入るよう短く作ることです。
指でここまで急角度で曲げるのは難しいので、いったん大きく曲げたあとで
先端をカット!
早速使ってみましょう
あっという間にレスキューできました!
芯を取り出したら、バーナーセットの裏から挿入して、火力調整ハンドルを回せば中に引き込まれていきます。
※芯の先端がボソボソで、中で引っかかる場合は先端をきれいにカットすればうまく引き込まれます。
針金がない場合はどうする?
つぎにキャンプ場で針金がない場合の方法を説明します。
一番手近にあるもので思いつくのは割り箸だと思いますが、残念ながら割り箸は難しいです。給油口が狭過ぎて挟む動作ができないためです。頑張るほどイラつくだけなので清く諦めましょう。
じつは爪楊枝のほうが割り箸より効果的です
爪楊枝をそのまま強く芯に刺すと、このように持ち上げることができます。
ポイントは芯の端の方を狙うことです。
慎重にやればレスキューできるので、いまキャンプ場でこの記事を読んでる方、頑張ってくださいね!
そもそも芯を落とさないように。オイルランタンの消し方について
この芯の落下事故はランタンの火を消す時に、火力調節ハンドルを回して芯を下げる習慣が原因となっています。
次に使う時に芯が見えないためハンドルをどちらに回していいかわらなくなってしまい、結果タンクの中へ芯を落としてしまうのです。
なのでこのいっそ習慣をやめましょう。
私はシリンダーハンドルを下げてガラスホヤ少し持ち上げて、横から息で吹き消す方法をオススメします。
オイルランタン フュアーハンドベイビースペシャル276まとめ
いかがでしたでしょうか?
フュアーハンドは現在ベイビースペシャル276しか製造されていませんが性能は折り紙付きです。
簡単なメンテナンスで長く使えるし、ジンクカラーであればリーズナブルに購入できます。初めてハリケーンランタンを買うなら、私は迷わずフュアーハンドの新品をオススメします。
以上、購入の参考になれば幸いです。
2023年オイルランタンランキング!!
オイルランタンは部屋にあっても雰囲気が最高ですよね。今どのオイルランタンが人気なのか?ランキングしてみました。